前回は精神科作業療法に従事するOTさん向けに「身体に働きかける作業療法」のまとめとして、講義動画を紹介しました。

全部公開しておりますので、まだみていない方は先にご覧になってください。

 

[復習とまとめ]作業療法プログラムの裏側を紹介します!

https://iairjapan.jp/archives/43009

 

大きく分けると……

で解説してきました。

これらを踏まえ、今回から「具体的に組み立てていこう!」をテーマに進めていきます。

 

 

PT,ST,OTの皆さんへ

思考回路

まず最初に、各職種の皆さんにお断りを。

今年から精神療養病棟で疾患別リハ担当として精神病院に入職された方もいるかと思います。

おそらく、同じリハビリ専門職なのに、精神科作業療法メインのOTさんって、話が通じねぇ!とか思ったのではないでしょうか?

新人さんはそうでもないと思いますが、長く精神科作業療法に従事してきた方は、疾患別リハでどんな事をしているのかを、なんとなくでしかわかりません。

「なんでそんな事も知らないの?」と思うかもしれませんが、そもそも養成校のカリキュラムが違います。

疾患別リハに従事するOTさんは、新人時代からPTさんと一緒に経験を積んできました。

その経験があっても、PTさんには物足りなさを感じているのかもしれません。

そも経験すらない、全く畑違いな、より日常や生活に近い関わりをしているのが精神科の作業療法士さんです。

現場が違えば、経験も知識も全く違うことを前提にしたうえで、コミュニケーションを諦めないでくださいね。

……言い訳じゃないぞ! 事実だけをお伝えしています!

……たぶん。

それでも、精神療養病棟で、共に疾患別リハを行っていく足掛かりを得られると思います。

是非最後までお付き合いください。

 

 

まず最初にすること

回復段階

「回復段階」や、「段階に応じた作業療法の目的」は、前回に遡っていただくとして……ってそれは乱暴なので図を見てくださいね。

その上で最初にする事は「どの段階のグループメンバーに関わるのか?」を確認することです。

なんだ、そんな当たり前なことか、と思わないでください。

グループメンバーに合った内容で準備しなければ、各回復段階に応じた目的を達成できませんものね。

みんなで一緒に同じ山に登らなければ意味はありませんよ。

 

 

メンバーの目的が決まった後は?

プログラム作成シート

どの段階のグループメンバーに関わるのかが決まれば、おのずと目的も決まりましたね。

では、次の段階として、どんな「身体に働きかけるプログラム」を準備するのか、ですね。

作業療法マニュアル31では、図のような分類で紹介されていました。

身体感覚レベル、身体機能レベル、個人の身体活動から人とのつながり、社会的広がりへ……と、三つに分けられています。

今回は「身体感覚レベル」でプログラムを作ってみましょう!

 

 

身体感覚レベルって?

健康的な生活

復習になりますが、身体感覚レベルとして介入したい要素は、外部からの感覚的な刺激を指します。

匂い、味覚、温度、触覚、光刺激、圧や音、振動などです。

もちろん運動時の筋肉の伸び縮みの感覚も大事ですね。

色々挙げましたが、基本の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を中心に考えましょう。

「身体感覚レベルの現実感の回復」が主な目的になりますからね。

 

 

プログラムの事前準備

準備

自分自身の身体の感覚、身体に加わる刺激を安心で安全な方法で刺激していくための準備をしましょう。

具体的なコレ!という内容がいくつかありますよね。

などなど。

(作業療法マニュアルでは自律訓練も含まれていますね。僕はストレッチプログラムの流れのなかに含めてやっていました)

これらに五感のどれを中心に行なっていくのかがカギになります。

あらかじめ、どれのどのタイミングで五感のどこに作用するのかをまとめておきましょう。

 

 

プログラム実施にあたり留意すること

何事にも留意点があります。

今回は五感ですから、それぞれで気を配るべきポイントがあります。

またそれ以前に、関わり方の面で以下の三つを配慮しましょう。

五感それぞれでもう少し詳しく紹介しますね。

視覚

聴覚

触覚

味覚

嗅覚

 

 

どれから始める?

ウォーキング

さて、おそらく「どのグループにコレ!」と具体的に書き出されるものを期待されているかと思います。

難しいなぁ。グループメンバーによるものなぁ……

うぐぐ……「具体的に組み立てていこう!」をテーマにしてしまった手前、形になっている方がいいよねぇ?

僕のオススメとしては、

です。

なぜなら、これらは全て五感のそれぞれを感じながら行えるものばかりだからです。

例えば「散歩」でどんな身体感覚に働きかけるのかと言えば、

と、こんなところでしょうか。

少し紙面が足りなくなってしまいましたので、次回詳しく解説します。

という事で、次回より「散歩」、「アロマテラピー」、「ストレッチ」をそのまま使えるプランとして順番に解説していきますね。

お楽しみに!

 

作業療法士 齋藤 信

 

 

散歩とウォーキングって違うの?

全く違います!

セロトニン面からも違いますし、そもそも目的が異なります!

そんなウォーキングの話を2000年シドニーオリンピック競歩日本代表選手の柳澤哲先生が動画で紹介しております。

 

 

作業療法に脳科学的要素を組み込む方法を動画で学べます!

脳科学的根拠に基づく作業療法