【寝返りの動作分析〜基本の視点から〜】  

前回、動作分析の基本の視点ということで、
「全体から局所へ」という視点をお伝えしました。
https://iairjapan.jp/archives/42749

 

 

 

今回は具体例として、「寝返り」を題材に、
「全体から局所」の視点を使って考えていきましょう。

 

 

 

ポイントは全体から局所なので、
まずは全体像を見ます。

 

 

 

寝返りといえば、いくつかパターンがあります。

 

 

 

屈曲パターンor伸展パターン。

 

 

 

動き出しが頭頸部から始めるのか?、
下肢から始めるのか。

 

 

丸太様にゴロンといくか、
体幹の回旋が伴うか(ねじれが出るか)

 

 

 

大体この組み合わせで十分です。

 

 

 

まずはこの全体像の把握から、大まかな
問題点を予測します。

 

 

 

一応、確認ですが、正常と呼ばれる
寝返りパターンは、屈曲パターンで、
動き出しは頭頸部からで、体幹の回旋
がみられます。

 

 

 

この事実を踏まえた上で、対象者の寝返りを
もう一度みてみましょう。

 

 

 

ざっとパターンを確認できたら、
正常パターンと違う所をみつけます。

 

 

ここでいきなり局所を見過ぎるとまた
盲目状態になるので、

 

 

頭頸部、上半身、下半身ぐらいに
(もう少し分割しても可)
ブロックに分けてパターン、動き出しを
観察します。

 

 

ここまでできれば、寝返り動作の問題点を
いくつか出せるようになります。

 

 

例えば、本来屈曲パターンで寝返るはずが、
伸展パターンだった場合。

 

 

体幹前面の筋力に問題がある
可能性があります。

 

 

 

厳密には屈曲回旋が起こるのですが、まずは
頭を上げるだけの筋力がない、
上肢の挙上+水平内転伸がだぜない場合
伸展パターンを選択することが多いです。

#1 体幹前面筋の筋力低下 です。

 

 

 

これを裏付けるように、
伸展パターンでかつ、動き出しが
下肢から(膝を曲げたり、蹴る)の場合は
寝返りの動力を下肢に頼る代償動作なので、

 

 

 

体幹前面筋の活動による屈曲回旋動作が
困難である可能性が高いです。

 

 

 

確認としては、「足で蹴らないで寝返りして
ください。」と条件をつけると、寝返りが難しく
なるはずです。(大抵の方はもがきます)

 

 

 

この「足で蹴らないで」という条件でも
伸展パターンで寝返れてしまう方もいます。

 

 

そうなると頭頸部を伸展方向に押し付けながら
回旋していくはずなので頭頸部の屈曲が苦手
である可能性が高くなります。

 

 

ここでも、「体幹前面筋の筋力低下」が疑われます。
(特に頭頸部。)

 

 

 

次に、丸太様なのか、回旋が出るのか?
ですが、ここは簡単。
#2 脊柱、体幹の可動性低下 です。

 

 

回旋要素が強いのは、頸椎と胸椎、肋骨(胸郭)
なので、これらに可動性が少ないと、
丸太様に寝返る可能性が高いです。

 

 

 

ここまでみれるだけで、なにを評価すればいいか
みえてきますよね?

 

 

1、伸展パターンなので、体幹の前面筋の筋力(MMT?)。

 

2、頭頸部の屈曲が辛そうなら、頭頸部の屈曲と体幹の
        安定性を確保するコアユニットの働きの有無。
     (横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群)

 

3、丸太様で脊柱の回旋要素が少ないなら、
        動きが少ない箇所のROM(頸椎?胸椎?肋骨?)

 

 

あとはそれぞれの評価結果を統合と解釈して、
メインの治療ターゲットを決めて
治療に移ります。

 

 

いわゆる仮説検証作業の完成です。
IAIRアプローチの考え方

 

今回は寝返りを題材として全体の動作観察から、
パターンに分けて、パターンの特徴から、
評価項目を選び、統合と解釈をしましたが
ここまでが動作分析の一連の流れとなります。

 

 

治療方法などはいろいろありますが、
IAIRコンセプトの組織滑走法®︎(TGA)も有効です。

 

 

動作分析が苦手な人は、まず寝返りから。
全体から局所への視点を忘れないこと。

 

 

そして何より、前提として「寝返りのパターン」
を知っていること。

 

 

学生時代に使った教科書で十分なので、
まずは「知ること」からスタートしてみては
いかがでしょうか?

 

 

最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

理学療法士 中嶋 光秀

 

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