麻痺側上肢に対するアプローチ〜治療選択のための徒手療法〜

今回は麻痺側上肢の治療選択について。

下肢に比べ運動性が求められる上肢。リハビリの多くを作業課題に費やしていることも多いと思います。

前回は作業課題をする前に自分でできる手の準備をお伝えしました。

しかし実際に麻痺側上肢の作業課題に入る際、上肢機能として「どこにアプローチしておけばその課題がスムーズに行えるか?」を事前に評価する必要があります。

とはいえ、単純に考えても肩、肘、手指と関わるところが多いですし、肩なら方向付けと安定性、肘は距離感、手指は巧緻性と求められる機能も多岐に渡ります。

評価を基に仮説はいくつか出てくるとは思いますが、優先順位、メインターゲットがどこなのか?までを決定するには評価だけでは難しいのが現状です。

そこで実践したいのが「試験治療」という考え方。作業課題1つに対して、2〜3個でた仮説を一つずつ検証し、どの仮説の優先順位が高いのか?どの関節がメインターゲットになるのかを探していく作業です。

実際の例を通して見てみましょう。

左麻痺で上肢、手指のBr-stage Ⅴの患者さん。単独の運動性は良好ですが、作業課題になるとぎこちなさが増え、思ったように家事をこなせないのがストレスになっていました。

なかなか目に見えた成果が分かりにくく、反復作業課題もストレスになっていた様子。

そのため、今回は課題として書字を選択し、上肢のどこにアプローチすれば描きやすさに変化が出るのか?を検証していきました。

試験治療として、肘、前腕、手指を選択し、治療の順番も肘・前腕・手指の順です。

それぞれ「リーチ」「筋機能活性」「手指の可動性(巧緻性)」に対する関わりです。

まずは【治療前の一文字】

次に【肘を治療した後】

【前腕治療後】

【手指治療後】

前後評価と3つの治療を含めて大体30分ぐらいです。結果的にはメインターゲットは肘になりました。

文字の形も大きく変化しましたが、書字をしている時の姿勢の悪さや、紙にリーチしていく際、肘が伸びないために起こしていた重心の移動などもほぼ消失したため、この方に関しては「肘のコントロールがメイン」になってくると考えました。

今回は書字を課題とし、肘、前腕、手指への各アプローチ毎に再評価として字を書いてもらいました。
たくさんアプローチする場所があってどこから始めたらいいかわからない時は、試験治療をすることをオススメします。

セラピスト側もそうですが、何より患者さんのメリットが大きいです。

どこにアプローチすれば、今の自分にとって良い結果が出るのか?課題がお互いの意図と合致しているか?

など、与えられた課題をなんとなくこなすのではなく、治療目的がお互い見えた状態で挑めるのは、大きなところです。

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ありがとうございます。

IAIR 理事
理学療法士 中嶋 光秀

 

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