依存症のリハビリはできるのか?【作業療法とは?】(06)

最近、神奈川のIR(統合型リゾート施設)の話題がされていますね。

日本は世界的に見ても、依存症率の高い国と言われています。

カジノが国内に出来ることに不安を感じる一般の声が高まるのもわかる気がしますね。

さて、では依存症は一体どのような病気なのでしょう?

そして、ギャンブル依存症が保険適応となったら、作業療法でどのように関わっていくことになるのでしょう?

 

今回お伝えするコンテンツは……

    • 1,各依存症で共通する脳内変化にはドパミン濃度の増加がある。
    • 2,ドパミンは報酬系を刺激し、得られないことによる渇望が依存の引き金になる。
    • 3,依存症のリハビリは原則通りでOK。

 

 

依存症にはどんな種類がある?

依存症

一口に依存症と言っても様々です。

  • 1,薬物依存
  • 2,アルコール依存
  • 3,喫煙依存
  • 4,セックス依存
  • 5,ギャンブル依存
  • 6,ゲーム依存

などがあります。

1~3は所謂「物質依存」であり、摂取した物質によってドパミンの濃度が上がるものです。
4~6は報酬(快感)による依存で、報酬が得られることでドパミン濃度が上がるものです。

 

 

じゃあドパミンって悪者なの?

ドパミン

パーキンソン病、統合失調症は有名ですね。強迫神経症状、ADHDでもドパミン異常があることが示唆されています。

さらに依存症になってしまうなら、ドパミンって困った奴……と思ったかもしれません。

ですが、報酬系という神経回路グループの働きを担っています。

  • 学習
  • 意思決定
  • 肯定的感情

が報酬による機能なので、人がひとらしく在るため、そして行動するために欠かせない、ものなんですね。

 

 

問題は濃度が濃すぎる状態!

報酬系

では、何が問題かといえば、シナプスでドパミン濃度が濃くなってしまうこと。

脳内でバランスが取れなくなっている状態がまずいということですね。

では、物質依存による化学物質の摂取以外で、どんな状況でドパミン濃度が上がるのか……

快の情動体験と渇望ストレスがあり、依存症では渇望ストレスによる影響の方が大きくなってしまうんですね。

つまり「報酬を期待しているが未だそれが得られていない状況」にさらされ続けることで、ドパミン受容体が減ってしまい、少ないドパミンでも濃度が上がってしまうんです。

結構びっくりですね。

 

 

ドパミンの濃度を調整するにはリハビリを!

リハビリ

前回までの話のなかで、セロトニンが調整物質となって、ドパミン、ノルアドレナリンのバランスをとっている……と話しました。

セロトニンはドパミンを助ける(分泌と抑制)ので、適度な状態にするにもセロトニン活性のアプローチが有効です。

リズム運動、日光、グルーミングの3つでしたね。

ですが、これらを改めて頑張ってやろうとしなくとも、少し意識するだけで、これまでのプログラムに加えることでできてしまいます。

 

 

依存症における作業療法の原則通りでOK!

健康的な生活

依存症のプログラム立案では、「健康的な実生活を再構築する」という視点で行いますね。

なので、規則正しい生活を如何におこなうかがカギになります。

そこで、先のセロトニン活性を見てみれば……

  • リズム運動:定期的な体力増進の介入。発散目的のスポーツ。
  • 日光:病棟生活で半強制的に行われるサーカディアンリズムに則った生活。
  • グルーミング:支援グループや認知行動療法グループでのディスカッション。

ね、いつも行っている介入ばかりです。

介入は原則通りに行うことから始めてOKなんです。

 

 

どの位の期間行えばいいのか?

シナプス

よく介入期間の話題になりますよね。

生活習慣を改めるには、3ヶ月程かかります。

これは、シナプスの再構築や、受容体の変化にその位の期間を要するからです。

なので……正直、入院して治療するのが早道です。

日常生活のなかで独りになる状況では、先の渇望ストレス状態から抜けるのは難しいでしょうから。

 

 

まとめ

  • 1,各依存症で共通する脳内変化にはドパミン濃度の増加がある。
  • 2,ドパミンは報酬系を刺激し、得られないことによる渇望が依存の引き金になる。
  • 3,依存症のリハビリは原則通りでOK。

ギャンブル等依存症は、病的にギャンブルにのめり込む精神疾患であり、患者は年々増加傾向にあるそうです。

厚労省によると、2014年度の2,019人であった患者数は17年度には3,499人に増加したとのこと。

現在ギャンブル依存症患者の大半はいわゆるパチンコ依存症ですが、スマホでゲームをする層が被っているため、ゲーム依存症にスライドしているとも言います。

今や、日常の中で依存しやすい環境に晒されています。

今回お伝えしたことが、日常のなかで活用してもらえたら嬉しいなぁ。

 

*コラム裏話をここで紹介^^ 色々トークしましょう!

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*席が7割埋まってしまいました。もう間もなく締め切ります!

今回、精神科OT限定講義認知症の症状に対する包括的な関わり方講座を開催するのですが、想定より沢山の方が参加してくださることになりました。

お陰さまで……ちとスタッフが足りないかも。

開催まで一ヶ月になりましたが、早めに申込をストップするかもしれません。

ご了承ください。

2020年1月18日(土)精神科OT限定講義

精神科OTの為の身体アプローチ入門

 

2020年1月19日(日)認知症の症状に対する包括的な関わり方

 

実はウォーキングでセロトニンが分泌されます。

ウォーキング療法士

 

 

今回の参考・引用文献

 


Saito Makoto

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精神科作業療法に従事する。そのなか、臨床実習指導と院内改善指導に携わり、統合的な視点で医療の質向上をマネジメントする取組みを10年にわたり行ってきた。 IAIRに参加することで、病ではなく人をみる視点を手に入れ、同時に組織も人と同じく、病を抱えていることに気づく。共に育む「共育」をテーマに、療法士一人一人が組織に関わるための多角的な視点を持てるよう、人財育成とマネジメントに関する発信を行っている。
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