自費リハビリテーションと保険内リハビリテーションの違い

保険を使わないリハビリテーション、いわゆる「自費リハビリ」の社会的な注目度が高まっている。

今年4月に改訂された医療保険における外来リハビリ算定日数制限によって、更にその注目度は高まった。

改定の内容は、医療保険における要介護・要支援被保険者に対する維持期・生活期のリハビリテーション料について4月移行は算定できないというもので、多くの施設で対策が求められた。

 

医療保険でのリハビリテーションは原則180日(運動器疾患150日)と規定され、それ以降は介護保険下でのリハビリへ移行しないといけない。

しかし、介護保険認定が要支援レベルであったり、他のサービスを利用する人にとってはリハビリを組み込むことが難しく、満足のいくリハビリを受けること出来ない人が増えているのが実情である。

そういった社会的な背景が、自費リハビリに対する必要性を高めている。

 

保険内リハビリとの違い「日数」

病院などでリハビリを受けられる標準的算定日数は以下の通りである。

心大血管疾患:治療開始日から150日以内

脳血管疾患等:発症、手術、急性増悪又は最初の診断日から180日以内

廃用症候群:廃用症候群の診断又は急性増悪から120日以内

運動器:発症、 手術、 急性増悪又は最初の診断日から150日以内

呼吸器:治療開始日から90日以内

 

患者1人当たり1日算定限度6単位まで

(※ただし、①回復期リハビリテーション病棟入院料の算定患者、②脳血管疾患等の患者のうちで発症後60日以内の患者、③入院患者で病棟等において早期歩行、ADL の自立等を目的としてリハビリを行った(Ⅰ)の患者は1日9単位まで)

 

保険外リハビリにおいては日数の制限はなく、もちろん受けたい回数だけ受けることが可能である。

 

保険内リハビリとの違い「料金」

大きな違いは料金だと思われているが、これは利用者側の問題であって提供者側には大きく変わりはない。

施設基準Ⅰの場合の料金(点数)は以下の通りである。

心大血管疾患:205点

脳血管疾患等:245点

廃用症候群:180点

運動器:185点

呼吸器:175点

 

例えば脳血管疾患の245点を見てみると、20分辺り2,450円(1点10円)で、1時間に換算すると7,350円となる。

その内利用者の負担が1割の735円で、残りの6,615円が社会保障負担となる。

これに早期加算や計画書の点数も上乗せされてくるが、最低でも脳血管Ⅰのリハビリでは1時間でこの金額を請求しているのである。

 

では、自費リハビリの料金設定をみてみよう。

今メディアに引っ張りだこの「株式会社ワイズ(Y’s,Inc.)」が運営する脳梗塞リハビリセンター(https://noureha.com/)の料金体系は以下のようになっている。

 

施設利用回数:全16回(1回120分)

価格:275,000円

(※ホームページより参照)

 

これを20分辺りの料金計算をすると2,864円となり、実は保険内でリハビリ職種が請求している金額とほとんど変わらないのが分かるだろう。

 

保険内リハビリとの違い「サービス」

最後にサービスの違いを見ていく。

これを読んでくれているリハビリ職種の施設では、外来リハビリの待ち時間はどの程度だろうか?

筆者が以前勤務していた施設では、通常でも1時間待ちが当たり前であった。

 

「お待たせして申し訳ございません」

「あと○○分ほどでご案内出来ます」

「気分が悪い時には遠慮なくおっしゃってください」

 

こういった声掛けが医療施設で行われているのを筆者は見たことがない。

自費リハビリは保険を使わない分利用者負担が大きく、こういったサービスの違いによって利用者を獲得していかないといけない。

「獲得」というと良いイメージがないかもしれないが、利用者が来なければサービスを提供できず、我々にその対価も支払われない。

当たり前のことだが、筆者は医療機関にいる間そういった感覚は皆無であった。

 

今や自費のリハビリ施設が増えてきて、それぞれが独自のサービスを展開し、利用者獲得を目指している。

資本主義社会においてはこういった競争が、より良いサービスを社会に作っていくために重要だと言われている。

 

医療機関はどうだろう?

それぞれが創意工夫をしてリハビリを提供できているだろうか?

1人でも多くの利用者に「ここは良い施設だ」と思ってもらえるような努力をしているだろうか?

公的医療機関再編のニュースが出てから、何となく慌ただしい雰囲気が続いているように感じる。

1人1人がこの状況を鑑みて、日々のアプローチ、患者対応、職場作りをしていかなければならない。

 

国際統合リハビリテーション協会はそんな療法士を育成するための臨床教育機関です。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

理事 理学療法士 福留良尚

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福留 良尚

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国際統合リハビリテーション協会常任理事 IAIR九州専任講師 理学療法士 コンディショニングサロン仁愛クリニカルルーム代表 3児の父 
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