身体障害になぜ集団プログラムが必要なのか?【作業療法とは?】(04)

2020年1月18日(土)の精神科OT向け身体アプローチ入門講座にたくさんのお申し込みをいただきありがとうございます。

たくさんのOTさんに興味を持っていただけて嬉しい限りです。

そこで今回は、講義当日にもお伝えする内容の一部を公開しちゃいます!

最後までお楽しみください!

 

今回お伝えするポイント!

  • 1、喪失体験から立ち直り、新たな生活の再建に大きな効果がある。
  • 2、障害の受容過程にあわせた介入をする。
  • 3、自信を取り戻せば、生活を楽しみ、質も上がる。

 

 

身体障害になぜ集団プログラムが必要か?

喪失

集団プログラムと言えば、精神科作業療法!

そう言われがちですが、実は身体障害の場面にも集団プログラムが有効です。

一言で言えば「喪失体験から立ち直るため」です。

 

 

身体障害で不動・不活動になるのは身体だけじゃない!

自信喪失

あなたに質問です。

「身体障害によって失われるものは一体なんでしょうか?」

質問をするくらいですから、「身体の機能」だけではないです。

教科書的に言えば

  • 「身体的自己像の喪失」
  • 「家庭を含めた社会生活における地位や役割の喪失」
  • 「将来設計の崩壊」

などです。

これら喪失体験から立ち直るまでの道のりをFreudは「悲哀の仕事」と呼んだのですが……

身体障害の場面においても、新たな生活の再建に大きな効果があるので、作業療法士は集団プログラムを身体領域でも用いるんですね。

 

 

集団プログラムの具体的な効果って?

再起

大枠で生活の再建が目的なのはわかりましたが……では、実際にどんな効果があるのかを紹介します。

この図を見ると、障害の受容過程を思い出すことでしょう。

山根は8つのポイントを紹介しています。

  • 【集団教育効果】
    • 1:機能回復や生活の適応に向けた訓練を協力して行う。
    • 2:多少意識レベルが低下していても、他者の模倣やひとと共にという共有体験を活かして治療ができる。
  • 【ショックと否認の乗り越え】
    • 3:自分だけがこのような障害に襲われたのではないということを知る(普遍的体験)
    • 4:同様な苦しみを経験した他の人たちによって受け入れられる体験をする(受容される体験)
  • 【悲しみと怒りを超える】
    • 5:自分を襲ったショックや怒り、悲しみなどを語り受け入れられる(表現・カタルシス)
  • 【自律や適応】
    • 6:自分のおかれた状況を知る(現実検討)
    • 7:同様の障害がある人たちから、病気や障害に対する対処、生活上の工夫などについて教えてもらう(情報の伝達、模倣・学習・修正)
    • 8:同じ障害がある者同士として助け合う(愛他的体験)

 

 

どんなタイミングで何をすればいいの?

悲哀の仕事

ええ?上の順番ではダメですか??

そう、そうなんです。

上記の8つのポイント、3~8までを回復過程に分けて活用していきましょう。

  • 急性期(3、4):混乱状態から立ち直るための心理サポートを中心にしたプログラム。
  • 回復期(5、6、7):混乱状態が落ち着いてきたので、客観視と生活の再建に向かえるよう支援するプログラム。
  • 維持期(8など):障害に変化が見られなくなるため、QOLの向上や生活をいかに楽しむかがカギ。自助グループの形成と支援。

などと言われていますが、いずれにせよ「自信を取り戻す」過程です。

自信を取り戻すことで、クライアントさんの生活が変わっていきます。

その支援をいかに行っていくのか……ですね。

 

 

まとめ

ということで、今回は「身体障害になぜ集団プログラムが必要なのか?」の話をしました。

  • 1、喪失体験から立ち直り、新たな生活の再建に大きな効果がある。
  • 2、障害の受容過程にあわせた介入をする。
  • 3、自信を取り戻せば、生活を楽しみ、質も上がる。

これらをふまえて、クライアントさんと一緒にリハビリを進めていきましょう!

1月18日のセミナーでまたお話しできたらいいですね。

 

コラム裏話をここで紹介^^ 色々トークしましょう!

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今回の集団プログラムの実践編をお伝えします!

精神科OTの為の身体アプローチ入門

 

 

 

参考文献

  1. ひとと集団・場(第二版)
  2. ひとと集団・場(第三版)

Saito Makoto

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精神科作業療法に従事する。そのなか、臨床実習指導と院内改善指導に携わり、統合的な視点で医療の質向上をマネジメントする取組みを10年にわたり行ってきた。 IAIRに参加することで、病ではなく人をみる視点を手に入れ、同時に組織も人と同じく、病を抱えていることに気づく。共に育む「共育」をテーマに、療法士一人一人が組織に関わるための多角的な視点を持てるよう、人財育成とマネジメントに関する発信を行っている。
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