症例検討〜転倒恐怖感のある対麻痺患者さん〜

今回は端座位にて転倒恐怖感のある患者さんの
症例検討です。(代行での1回の介入です)

意識的に検証した項目は

  • 目的動作の現状を評価(今回は端座位)
  • 環境とのやりとりが可能かどうか
    (上肢をフリーにできるか)
  • 身体図式の更新

の3つです。

結論から言うと・・・
端座位保持は両上肢でのベッド端支持で可能だったため、自身のバランスの状態と与えられた環境でのやり取りは可能でした。

そのため、身体図式の更新を目指して洗体動作を行い
座位バランスが改善。

上肢支持なしの端坐保持が可能になり転倒恐怖感も減り、トランスファーに向けてプッシュアップの練習もトライできるようになりました。

では症例と介入の流れです。
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【症例】
胸椎以下の対麻痺。

【基本動作】
寝返りも軽介助。
端座位保持は両上肢支持にて見守り

【主訴】
「端座位になると、ひっくり返りそうで怖い。」

【予後】
発症から時間が経っており、麻痺の機能的回復は
見込みが薄い。

【最終ゴール】
トランスファーの自立

【今回の介入のゴール】
現在の身体機能でも端座位保持が可能。

【端座位評価】
Bed端に両上肢をひっかけることで支持をして見守りで可能。「後ろにひっくり返りそう」という主訴と、実際の身体の状態、代償動作はマッチしている。

上肢支持で安定している割には全身の緊張は高め

「可能な範囲で前後左右に揺れてみてください」という指示に対しては上肢支持がある割に小さな範囲で
動くのみ。

Bed端で固定に使っている上肢を大腿に置いた座位保持を指示すると、かろうじて可能。
(しっかり掴まないと後ろに転倒しそう)

【解釈と仮説】
必要以上の全身の緊張+支持がある割に動きが小さいということから、自分の身体の状態の把握を難しくしている可能性があり、潜在能力を活かしきれていないと推測。身体図式の更新が必要と考える。

上肢の位置がbed端から大腿に変わっても、極端にバランスは崩さなかったため、基底面内での運動なら上肢をバランスから切り離すことは可能なのではないか?と推測。

【介入方法】
洗体動作を課題とし上下肢を片方ずつゆっくりさすってもらう。
(身体図式の更新を意識して、触圧覚の入力と能動的なバランスへの介入を行う)

難易度設定は、自分が転倒せず安心して動かせる範囲で行うことを条件とする。
(可能なら、対側の洗体動作も)

【結果】
上記条件での介入にて身体内へのリーチイン動作の範囲が拡大。

下肢へのリーチは脛骨粗面まで安定して可能に。
上肢へのリーチは、片手を大腿にのせた状態で肩から指先までゆっくりさすっても、バランスを崩さず可能に(体幹の回旋も出現)。

浅いお辞儀も可能となり、極端な上肢のプッシュなしに端座位姿勢に戻ることが可能に。

【介入後の本人のコメント】
こんなに安定&安心して動けるとは思わなかった!
私動けるんだね!
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今回は潜在能力の掘り起こしをメインに、身体図式の更新を視野に入れたことが功を奏したと考えます。

身体図式は、主に固有感覚の入力により更新され、
かつ、その入力は「能動的」であることが望ましいとされています。

他動的に触圧覚を入力したり、他動的に動かすことだけでは身体図式の更新はされません。

洗体動作を通じて触圧覚を入力し、安定した中でのリーチインで重心移動を自ら繰り返したことで、深部感覚の入力がおこなわれ、身体図式が更新され、結果的に座位バランスが向上したものと考えます。

どうしても能動的に動くことができない場合は、
まずは感覚入力からスタートすると良いと思います。
(感覚入力前後の動作を確認します)

感覚入力を行う際には、感覚情報を受け取る感覚受容器がどこにあるか?が重要です。どのような分布があり、どう介入すると最適な入力が可能となるのか?強さはどうか?どう触れるのが最適か?

感覚のシステムを知って、介入の幅を広げたい方は、
こちらがオススメです。

今回の症例検討を
「バランスが悪いから怖いんだ!」→「バランス練習」
という負のルーチンから抜け出す一助にしてみてください。

 

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最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

IAIR 理事
理学療法士 中嶋 光秀

 

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