触れる意義 精神科OT

精神科OT必見!触れると脳で分泌されるもの【作業療法とは?】(03)

前回まで

の話をしてきました。

作業療法のそもそもを振り返ると、作業療法士のできる事、役割が幅広く、活躍できる場面の多さに気付き始めているのではないでしょうか?

今回は、作業療法士が「触れる」事で、患者さん、クライアントさんにどのような変化が起きるのか、を紹介します。

 

今回のポイント

    1. 触れる事でオキシトシンが分泌される。
    2. オキシトシンはセロトニンの分泌を助ける。
    3. 触れるポイントは「心地よさ」

 

 

患者さんに触れてますか?

触診 タッチ 触れる

まず質問です。

あなたは、患者さん、クライアントさんに、どのくらい触れる機会がありますか?

これは、身障系、精神科、発達、老年期、いずれであってもお答えください。

……頭の中でどのくらいかイメージされた事でしょう。

ですが、あまりにも「普通」な事で、何を訊かれているのか意味がわからない、といったところでしょうか?

また、精神科作業療法士の方は、侵襲性や心理的な距離を気にして、ほとんど触れないですか?

 

 

触れる事の意味

ROM

触れる事の意味を考えたことはあるでしょうか?

単に目的の部位を触診し、次の操作をする為に必要ないちプロセスと思っているのではダメ。

あまりに目先の事です。

何より、意識が別なところに向いているので、圧が強くなりすぎているのではないでしょうか?

 

皮膚は人の全身を覆う感覚受容器です。

その皮膚が不快と感じる介入をしていたらどうでしょう?

それは、リハビリテーションなのでしょうか?

 

 

心地よい触刺激は脳の変化を起こす

脳の変化

海外の作業療法士は、ある処方箋を出す事ができることをご存知ですか?

「ウェイトブランケット」という、重りが編み込まれたブランケットです。

あなたは、重い布団を被って寝た時の包まれている感覚や、思ったより安眠していた……という経験はありませんか?

自閉症の方の症状の安定化目的で処方しているのですが……なぜそうなるのか、です。

そこには、「オキシトシン」の分泌が関係しています。

 

 

オキシトシンって?

オキシトシン

オキシトシンは、母親脳を生み出す脳内ホルモンです。

もちろん男性も分泌されるもの。

良好な対人関係が築かれている時に分泌され、闘争欲や遁走欲、恐怖心を減少させると言われています。

なんだか感情調整物質のセロトニンと似ていますね。

それもそのはず。セロトニン神経にはオキシトシンの受容体があるので、オキシトシンが分泌されると、セロトニンの増加が起きるんですね。

 

 

オキシトシンを分泌させる効果的な方法

グルーミング

だったら、オキシトシンを効率的に分泌させられたらいいじゃない!

と思いますよね。

思い出してください。

今回のこの話題、そもそものテーマは……「触れる」ことです。

そう、僕ら療法士は「相手にとって心地よい触診」を行うことで、オキシトシンの恩恵も受けられるのです。

いえ、むしろ意図的にオキシトシンの分泌もリハビリの介入項目に入れておきたいですね。

 

 

心地よい触診が生み出す効果は?

 

全ての徒手療法は、触診に始まり触診に終わるといっても過言ではありません。

相手にとって心地よい触診を心がければ、様々な効果が期待できるのですが……ざっくり一言で言ってしまえば、「回復に寄与する」です。

A-class講義のなかに、頭部のTGAがあります。

心地よい触刺激で血流の変化をもたらし、副交感神経優位な状態にするアプローチです。

人の心身は「良質な睡眠」をとることで修復されます。

「休めていない状態を休める状態にする」

リハビリで徒手的な介入を行う大きな目的として提案したいものです。

 

 

精神科で体験した変化

不安解消

筆者は精神科で働くなか、徒手的な介入を加えてきました。

患者さんの長期入院による高齢化と認知症発症と廃用化が加わり、身体アプローチを余儀なくされたせいもあるのですが……

心地よい触刺激を中心とした介入を行うことで……

  • 認知面の改善
  • 精神状態の安定化
  • 活動性の向上
  • 不眠の改善

などの変化が起きました。

副産物というか、血流の変化で便秘が改善した方もいました。

細かい解剖の知識ではなく、ざっくりな解剖の知識で十分だったことも、当時は救いでしたね。

心地よい触刺激を加えられるタッチを身につけるだけで、様々な患者さんに応用できましたし、ここまで書いたオキシトシンとセロトニンの学びが、集団療法でも十分効果的だった事に驚きました。

この内容は、もっと沢山の作業療法士さんに伝えたいなぁ。

 

 

まとめ

まとめます。

作業療法士が徒手療法を行うなら、以下の三つのポイントをおさえてやりましょう。

  1. 触れる事でオキシトシンが分泌される。
  2. オキシトシンはセロトニンの分泌を助ける。
  3. 触れるポイントは相手にとっての「心地よさ」

です。

特に精神科の現場では、触れない介入が多くありますが、あえて触れる事で得られるものもあります。

単なる物理的な介助量・介護量の軽減目的なアプローチではなく、心身に作用し、その人の人生に介入できるアプローチであることに気付いていただければ嬉しく思います。

 

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今回のオキシトシンが分泌されるアプローチを個別&集団で行う方法をお伝えします!

精神科OTの為の身体アプローチ入門

 

 

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参考文献

ウェイトブランケットを使用した深部圧力刺激の安全性と治療効果の調査


Saito Makoto

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精神科作業療法に従事する。そのなか、臨床実習指導と院内改善指導に携わり、統合的な視点で医療の質向上をマネジメントする取組みを10年にわたり行ってきた。 IAIRに参加することで、病ではなく人をみる視点を手に入れ、同時に組織も人と同じく、病を抱えていることに気づく。共に育む「共育」をテーマに、療法士一人一人が組織に関わるための多角的な視点を持てるよう、人財育成とマネジメントに関する発信を行っている。
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