OTの行う徒手療法は作業面接

OTの行う徒手療法は作業面接?!【作業療法とは?】(02)

前回から始まった新シリーズ「作業療法とは?」

書くにあたって作業療法を見直そうと、作業療法治療学2精神障害(改訂第3版)1)を読み直してました。

すると……

「作業面接」が目にとまったじゃないですか!

ん……んんん?

これって……作業を介してご本人から言語・非言語な情報を引き出す、作業療法士が作業療法士たる介入法なのですが……

もしかして「徒手療法」「作業(作業活動)」ってことで、いいよね?

と……言うことで、そう考えるようになった「作業面接」についてお話しします。

 

今回のポイント

  1. 広義の作業活動では、徒手療法は作業。作業活動の道具の一つ。
  2. 媒介とするものが何であれ、作業療法士が目的を持って行おう。
  3. 前提条件は落とさず、「評価」・「治療」・「関係性の構築」をする。

 

身障系OTさん、PTさん、STさんへ
徒手療法の効果が上がるコツがここにあるかも……
是非最後まで読んでみてください。

 

 

作業面接ってそもそも何?

リハビリ専門職

作業面接とは「作業の持つ構造の各種要素と被面接者との相互作用(interaction)を利用した面接」2)と定義されています。

相談面接やカウンセリングでは言葉を主体としたコミュニケーションですが、作業面接ではそれらに加えて作業を介した相互作用や非言語的な反応、コミュニケーションを期待しています。

うん、つまり……って定義をさらに分かりやすくなんてできるか~い!

 

 

作業面接で得られる情報例

情報共有

ザックリ言うなら「何かをする行為を間に噛ませることで、言葉以外のやりとりも含めた情報や他の効果も期待できる面接方法」です。

うわ……平易な言葉に変えたら長文になった……

ひとまず、この作業面接をする過程で得られる情報はこれらです。

  • 理解力
  • 状況認知(現実検討)
  • 計画性と予測性
  • 材料や道具の扱い方
  • 対処技能
  • 刺激の受けやすさ(被影響性)

結構具体的な情報が得られますよね。

なので、それをネタに話題を広げて本当の目的を見つけられるんですね。

 

 

作業を媒介にすると得られる情報の価値

理解

PTさんやSTさんにしてみれば「作業を媒介にする」って意味が分かりませんよね。

言葉を用いた面接では、言語コミュニケーション中心のため、悩み事や困りごとなど、過去情報をご本人が解釈し、思い込んでいるものを伝えてきます。

ですが、作業を間に噛ませることで、「今このとき」のその方の行動を「関与しながら観察」する事ができます。

そこが一番大きな価値なんです。

ご本人の悩みを言葉で聞いてから一方的に施術をすると、ご本人から得られる情報が半減するってことですね。

 

 

作業面接の目的はそもそも何?

作業面接に限らず、面接の目的は……

  • 「評価」
  • 「治療・援助」
  • 「関係づくり」

です。

「関係づくり」を一貫した土台とし、「評価」と「治療・援助」が切れ間なく繰り返されていく過程が「作業面接」です。

 

 

作業面接の利点・欠点

メリットデメリット

作業療法治療学2精神障害(改訂第3版)では、

「言葉と、言葉に付随する非言語的なメッセージと、実際の行動とが、意味のある経験として統合されていく過程を提供すること」

が作業面接の大きな利点であると言っています。

逆に、この過程が不十分であったり、欠如してしまうと、「作業をしている・いろいろやっている」だけの経験に陥りやすいとも言っています。

何でもそうですが……前提条件を揃えると言えばいいのかな?……取り決め、合意、確認、振り返りの重要性をひしひしと感じますね。

 

 

じゃあ、改めて作業(作業活動)って何?

リハビリ

さあ、ただの面接ではなく、作業面接の過程がリハビリテーションそのもの……と何となく気づいてきましたか?

では、前回の復習です。

作業(作業活動)って……何でしたっけ?

すぐに出てこない人は、

「作業(作業活動)とは:作業療法士が対象に対して行う治療、指導、援助のひとつで、人(患者、利用者等)がある目的(課題)に向かって対象(環境)に対して働きかけることを通して、人が本来持っている特性を活かすことにより、成果(身体的・精神的・社会的・経済的)を生み出すプロセスである。」(基礎作業学)

です。

他の解釈は前回の「アクティビティって言うけど、それ何?」参照です。

 

 

ポイントはコミュニケーション?

コミュニケーション

作業(作業活動)の定義も振り返ったところで……

作業面接って、なかなか面白いですね。

IAIRでお伝えしているハンズオフアプローチと共通する部分が盛り沢山。

特に「本人をとりまく心理社会的背景について理解することで、ご本人の本当のニーズを引き出すこと」がカギとなる部分はそれです。

ちなみに、ご本人の課題を明確にするためにも、

  • 1.表現される訴え
  • 2.悩み・困っていること
  • 3.必要(不可欠)なこと
  • 4.要求

を区別しながら捉えることが大切とも言われています。

 

とすると……どこまで行っても、コミュニケーションですね。

IAIRでは昔から「触診とはコミュニケーション」と言い続けています。

当たり前のようで忘れがちです。

この機会にしっかり身につけていきたいところです。

 

 

広義では徒手介入も作業活動であり作業面接

脳科学作業療法

さて、冒頭で言ってた話に戻ります。

もう、広義の作業活動では、徒手療法は作業です。

作業活動の道具の一つです。

作業面接の目的や過程を見ても、媒介とするものが何であれ、作業療法士が目的を持って行えばOK!

ただ、前提条件は落とさず、しっかり「評価」・「治療」・「関係性の構築」をしていきましょう!

 

 

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筆者齋藤の考えていること

 

参考文献


Saito Makoto

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精神科作業療法に従事する。そのなか、臨床実習指導と院内改善指導に携わり、統合的な視点で医療の質向上をマネジメントする取組みを10年にわたり行ってきた。 IAIRに参加することで、病ではなく人をみる視点を手に入れ、同時に組織も人と同じく、病を抱えていることに気づく。共に育む「共育」をテーマに、療法士一人一人が組織に関わるための多角的な視点を持てるよう、人財育成とマネジメントに関する発信を行っている。
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