人生会議について理学療法士の視点

先日から芸人小藪さん起用の『人生会議』ポスター、批判受け発送中止というニュースが流れています。

このポスター各方面から抗議があり、発送1日前に中止になっています。

なかなか刺激的なポスターで、小藪さんの表情もさることながら内容もインパクトがあります。

 

人生会議とは?

人生会議とは

自らが希望する医療・ケアを受けるために、大切にしていることや望んでいること、どこで、どのような医療・ケアを望むかを自分自身で前もって考え、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有すること(厚生労働省ホームページより)

とあります。

 

我々リハビリ職種も、疾病や障害からの改善を目標に介入とする人もいれば、通所や在宅などその人の生活に沿ってリハビリを行う場合もあります。

そこでは改善というより、如何にその人の生活が楽に長く続けられるかに焦点があてられるでしょう。

中にはがんを有していたり、ALSや脊髄小脳変性症などの難病、肺気腫などの進行性疾患の人もいるはずです。

 

自分が担当する患者利用者が、どのような医療介護終末期を望んでいるか知っているでしょうか?

 

これからそういった患者利用者増えていきます。

どのように関わっていくべきなのかを考える機会が必要です。

 

死についての捉え方

医療の発達によって、死はネガティブなものと捉えられるようになりました。

自分が死の淵に立ったとしたら、出来れば最善の医療を受けて少しでも長く生きられるように善処してほしいと願うのが本心だと、私も思います。

 

「死」とは本能的に恐怖を覚えるものです。

特に医療従事者の方がその傾向にあるような気がします。

 

死とは生の一部であり、人生の中の一つの、しかし最後のイベント。

これに対してネガティブなイメージや恐怖感を持ってそれを待っている、例えば終末期の人の心情は、果たして「幸せ」を感じることが出来るでしょうか?

 

PPKとNNK

今医療は、三次予防だけでなく二次、一次予防に力を入れる動きがすすめられています。

二次予防は発症を防ぐ予防、一次予防は健康増進のための一般向け予防。

 

私たちリハビリ職種は、現時点では三次予防(重症化・再発予防)にしか関われていません。

 

一次予防に携わっている療法士が増えている実情もあります。

 

この一次予防に関わることで、健康的で最後まで自分の足で歩いて生活できるPPK(ピンピンコロリ)を目指そうという動きが出ています。

反対にNNKはお分かりになりますか?

 

NNK=ネンネンコロリ

 

寝たきりになって亡くなっていくことをNNKと表現しています。

どちらを患者利用者は望んでいるか一目瞭然でしょう。

必ずしも予防が寝たきりを防ぐというわけではありませんが、そこに貢献しようと動いているのは本当に一握りの医療従事者なのです。

 

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)

人生会議とは、日本でこの考え方を普及させるために作られた言葉で、このACPが元々の言葉です。

人生会議の説明と少し違うのは、ACPは何も終末期だけに限ったことではなく、今現在の私たちにも必要なものだと言われています。

 

しかし、20~30代は遊びや仕事に忙しく、50~60代は仕事をバリバリしながら親の介護をしたり、死について考えている余裕はないのではないでしょうか?

反対に70~80代は、自分の子に介護をしてもらうことへの抵抗感や、医療費の負担を気にしている人も少なくないようです。

 

どの世代も「死」について本質的に向き合えていないのが正直なところでしょう。

 

理学療法士として死と向き合う

重症化した肺炎患者に日に何度も呼吸リハで介入し排痰を行ったことがありました。

私たちのケアも虚しく、その人は亡くなりました。

 

「少しでも楽に息が出来れば」

「少しでも心臓の負担を減らせれば」

「少しでも長く生きられれば」

 

そんな風に終末期の患者の意思とは関係なく医療行為が行われるのが病院や救急車の中です。

勿論それが必要なケースの方が圧倒的に多いのは理解しています。

しかし、これから高齢者が増え、亡くなる人も増えていく中で、本当にその人が望んでいる最後に医療が貢献するためは、本人の意思を聞いておく必要があると思います。

 

日本人の半数以上が自宅で最期を迎えたいと考えているのに実情は病院で亡くなる人が8割です。

 

それは家族や身内だけでなく、その人に関わる医療従事者、いろいろな専門職種が交わって最適な医療を提案し、本人が納得することです。

地域包括ケアシステムの役割はそういうところにあるのだと、私は考えています。

 

まとまりのない文章でしたが、最後まで読んで頂きありがとうございます。

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

理事 理学療法士 福留良尚

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福留 良尚

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国際統合リハビリテーション協会常任理事 IAIR九州専任講師 理学療法士 コンディショニングサロン仁愛クリニカルルーム代表 3児の父 
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