予防理学療法に携わるには?

最近「予防理学療法」という言葉が再燃している(と感じる)。

あるメディアで発信された以下の記事が起因している(と予想)。

 

「- 予防理学療法への挑戦 ― 株式会社P3 中村尚人氏 インタビュー」

ご覧になりたい方は動画URL(https://youtu.be/-ZCaf-tFTeM)ご参照ください。

私も最後まで拝見し、氏の想いに共感する部分がありました。

 

予防理学療法とは

日本予防理学療法学会では、予防理学療法学を次のように定義しています。

国民がいつまでも「参加」し続けられるために、障がいを引き起こす恐れのある疾病や老年症候群の発症予防・再発予防を含む身体活動について研究する学問

 

また、日本理学療法士協会会長の半田一登氏は以下のように言われています。

高齢社会の到来とともにその「運動療法」を健康づくり・転倒予防・介護予防、そして健康寿命延伸に使うことを求められています。(中略)これらの一連のやり方を「運動療法」ということができます。この運動療法を使いこなし、様々な予防や治療にあたるのが理学療法士です。(2019年8月)

 

予防理学療法の対象領域

一般的に理学療法は、疾病や障害を持つ人へ社会復帰や機能改善を目的に行われ、その中には重度化予防すなわち三次予防を対象領域として含みます。

予防理学療法には、リスクが高い人の早期発見・早期治療を行い発症予防する二次予防、そして一般の方への一次予防といった領域が入ってきます。

(参照:予防理学療法学とは?日本予防理学療法学会 西川 正一郎)

 

私自身、2014年から起業して一次予防の領域に従事しました。

クライアントは、病院に行くほどではないが日常生活の中で不快に感じていたり、痛みを有しながら仕事をしている人がほとんどでした。

その不快感や痛みは、病院や介護施設にいらっしゃる人と同じくらいその人の生活に支障をきたしていることもありました。

 

何故予防が必要なのか?

厚生労働省が取りまとめた「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部のとりまとめについて(令和元年6月12日)」では、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現に向けて以下の課題を取り上げています。

  • 多様な就労・社会参加の環境整備
  • 健康寿命の延伸
  • 医療・福祉サービスの改革による生産性の向上
  • 給付と負担の見直し等による社会保障の持続可能性の確保

この目標が上がる理由は明確で、現役世代(働き盛り世代)が減少するからです。

高齢化がトピックに上がりますが、それ以上に問題なのは少子化であり、その対策が急務です。

 

より少ない担い手で社会保障を充実させるためには、三次予防だけでなく、二次一次の予防分野の活性化が必要となります。

そこに我々療法士の技術が必要となっているのは、前述の日本予防理学療法学会での提言や半田一登氏の言葉からも分かるでしょう。

 

予防理学療法に従事するためには?

では一次予防の領域に従事するためにはどうすれば良いか?

  1. 職場を変える
  2. 起業する
  3. 病院(施設)に部署を作る

 

職場を変える

これは、例えば「メディカルフィットネスセンター」で検索してみると、理学療法士を募集しているところは結構出てきます。

そこでは一次予防で利用者が来られるので、療法士の視点からアドバイスをしたり、実際のトレーニング場面でサポートすることが出来ます。

 

起業する

自分でその事業を行うことも、もちろん可能です。

「リハビリ職には開業権がない」という話は、正確に言えば「理学療法」という種類のサービスを提供することは出来ないというだけで、例えば「予防的マッサージ」「ストレッチ専門」「トレーニングルーム」など、いろいろな方法があります。

 

私は「コンディショニング」を提供する店舗でしたので、徒手アプローチをしながら、生活管理やセルフケア指導を行っていました。

ただ、起業はかなり敷居が高いのは承知しているでしょう。

起業して1年生存率が7割、3年で半分と言われていますから、生半可ではないのは分かると思います。

 

病院(施設)に部署を作る

これは先程のメディカルフィットネスが医療法人内にあったりするように、今までやっていなかった部署を作り、そこで保険を使わないサービスを提供していく方法です。

起業に比べると敷居は下がりますが、経営陣が納得するプレゼンを出来なければなりません。

IAIRと業務提携している株式会社はなひろ様では、自費訪問リハビリサービスを提供しています>>>https://iairjapan.jp/archives/33940

 

共通点について

予防理学療法に従事する方法のいくつかをお伝えしましたが、そのために必要な共通点があります。

  • 身体の構造機能生理を知っている
  • 即自的な変化を体感させられる
  • 説明が出来る

つまり「知識と技術がある」ということ。

当たり前のことですが、これが無い状態では難しいでしょうし、クライアントにとっては「騙された!」と感じることもあるかもしれません。

IAIRでは、知識と技術、そして考え方をお伝えしています。

 

100万人に1人の人材

教育改革実践家の藤原和博氏が言われる「100万人に1人の人材」は知っていますか?

3つの分野それぞれにおいてスペシャリスト(100人に1人の人材)になれば、100万人に一人の人材になれるという考え方です。

 

100×100×100=100万分の1人

 

1つの分野で100人に1人の人材になる時、大切なのは先ず「量」だと言われています。

量をこなさなければ、到達出来ない領域が存在します。

それは勉強や本を読んで身に付くものではなく、その状況に身を置いて体感することで初めて「気づく」領域です。

 

「10,000時間を費やしなさい」と藤原氏は言われています。

 

臨床経験で言えばおよそ10年、その領域に没頭して学ぶことで100人に1人の療法士になることは可能ですが、そこから次の領域を探さない人が多いのは、日本の終身雇用制の考え方が足を引っ張っています。

長く勤めることを良しとした時代においては、新しいキャリアはマイナスに捉えられていましたが、これだけ多様性のある社会に変化してきた日本で「いろんなことにチャレンジしないのは面白くない」と思いませんか?

 

IAIRは起業を促してはいませんが、多様性や可能性を追求することは大切なことだと考えています。

自分はどんな人材でしょうか?どんな人にこれから貢献していきたいでしょうか?

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

理事 理学療法士 福留良尚

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福留 良尚

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国際統合リハビリテーション協会常任理事 IAIR九州専任講師 理学療法士 コンディショニングサロン仁愛クリニカルルーム代表 3児の父 
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