研修会開催報告と日本の情勢と

先日、国際統合リハビリテーション協会が主催する研修会が福岡で開催されました。

テーマ「S-class Advanceセミナー/IRT検定試験」

福岡では初開催でしたが、それ以上にIAIRとしては初のことがありました。

 

それが…

 

【IAIR研修センター】での開催!!

福岡ではIAIRが運営する研修センターが稼働し始めました。

もちろん研修だけでなく、併設する訪問看護ステーション【こみっと】の準備も着々と進んでいます。

11月から稼働する予定で指定申請、スタッフ雇用、物品準備が進んでおります。

 

「何故訪問看護ステーションを運営することになったのか?」

 

それは、現在の医療業界を取り巻く社会情勢が関係しています。

本日は、日本社会が抱えるこれからの問題と療法士が選択する職域について考えていきましょう。

 

2025年問題

2025年問題については、多くのメディアでも取り沙汰されているように、団塊世代(年間の出生数が200万人を超えたベビーブーム世代)が、75歳以上の後期高齢者に達する事により、介護・医療費などの社会保障費の急増が懸念されている問題のことです。

ちなみに昨年の出生数が92万1,000人で過去最少となる見込みですが、1970年代の半分の出生数と聞くと、その減少具合が分かると思います。

 

「何が問題なのか?」

 

高齢者が増えると言われていますが、正確には【働く世代が少なくなる】ことが問題です。

少ない人口で多くの高齢者を支えないといけないということは、働き盛り世代が納める税金が増えることを意味します。

 

増税とはそういうことです。

 

「増税は国の横暴だ」みたいな意見もあります(勿論いろいろと問題はあるかもしれませんが…)が、これは私たちにも理由があると考えなければいけないでしょう。

人口が減少し始めた日本は、そういった課題を抱えています。

 

医療に特化したリハビリテーションの弊害

これまでのリハビリテーションは、病気になったり障害を持った人の社会復帰や家庭復帰、日常生活の支援を目的に行われてきました。

何か体に悪いことが起こってから対処するのが現代医療です。

検診や予防的な医療の介入は、総医療費の数%というデータがあるくらい、予防や健康増進にはほとんど関わって来ていません。

 

今後もそのままいくのでしょうか?

 

公益社団法人理学療法士協会の会長は、【予防理学療法】という言葉を使われています。

今の社会情勢を考えれば、理学療法士が予防に関わることが必要だと言われています。

 

医療に特化したリハビリテーションだけで良いのでしょうか?

 

予防的アプローチ

予防的なアプローチとは何をすれば良いのか?

大切なことは、多様性に対応できることです。

 

一定の環境下で得られた万人に効果のありそうな治療法(いわゆるエビデンスの高い方法)は、実はそれ以外の環境では上手くいかないことが数多くあります。

例えば、大腿骨頸部骨折のリハビリについての異なる報告を見てみると

「リハビリテーション内容(運動療法)についてのCochrane reviewでは、通常と異なるリハビリテーションが術後成績に有効であるというエビデンスは高くない」

という報告がある一方

「65歳以上の114例に対して術後の患者教育および特別リハビリテーションメニュー(16種のstrength training sessions)を行った結果,骨折後4ヵ月までの医療費の削減効果があった」

という報告もあります。

 

「どっちが正しいの??」となります。

 

同じ疾患であっても、基礎疾患や併発疾患、更に言えば職歴、性別、生活環境が全く違います。

それを見極められるのが現場の我々です。

 

勿論、エビデンスを高めるためにデータを収集し、より効果的なアプローチを行うことには大きな意味があります。

それと同じくらい【目の前の患者さんに適切なリハビリプログラムを考えられる療法士】であることも必要です。

 

「今日はリハビリしたくない…」

 

そんな患者さんはいませんか?そんな時どんな言葉を掛けるでしょうか?

 

臨床教育プログラム

国際統合リハビリテーション協会の臨床教育プログラムは、知識技術を高め、人を見れる療法士を育成するために開発されたものです。

私たちは医学的根拠と人間性の両方が大切だと考えています。

それを学ぶことが出来るのが、IAIR研修センターであり、それを臨床現場で活かせる訪問看護ステーションなのです。

 

これから益々在宅医療の必要性が増してきます。

医療機関でのリハビリテーションは期間短縮を余儀なくされていきます。

退院してからのリハビリ、もしくは医療保険介護保険では十分なリハビリが受けられない人のための保険外リハビリテーションプログラムが、広まりつつあります。

 

「今後もそのままで行くのでしょうか?」

 

多様な視点を持って医療介護、在宅、そして予防に関われる療法士が必要とされています。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

理事 九州地区 理学療法士

福留 良尚

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福留 良尚

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国際統合リハビリテーション協会常任理事 IAIR九州専任講師 理学療法士 コンディショニングサロン仁愛クリニカルルーム代表 3児の父 
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