リハビリ専門職(PT、OT、ST)同業者の方達とお話していると、
「自分の技術のなさ」とか
「問題に対しての解決手段の少なさ」
を悩みに感じている人が多いようです。
「これから身につけたい技術」が漠然としていると、行動に移せなくて悩んだままになることが多いです。。
決意を決めて研修に参加したとしても、
「身に付けたいこと」
が漠然としたままだと、せっかく研修に参加しても悩みの解決につながらなくなってしまいます。
まずは、
・「悩み」を明確にすること
が大事ですね。
(これが一番難しいのですが・・・)
リハビリの技術は大きく分けて
触れる技術と触れない技術
触れるリハビリと触れないリハビリ
の二つがあります。
職場によってはできるだけ「触れないリハビリ」を勧めるところもあるらしいです。
おそらく、対象者の自立を促すのが狙いなのだと思います。
たしかに、相手によっては触れないリハビリがいいときもあります。
では、触れないリハビリって何するのでしょう?
「実際問題、何していいかわからない」
という話を耳にします。
(そういう方達は、とりあえず先輩のやっていることを真似ていたそうです)
「触れないリハビリ」っていうのは、セラバンドや重錘で「自主トレをたださせている」っていうわけではないですよね。
もちろんセルフエクササイズの指導は重要です。
そこには明確な狙いが必要です。
例えば、活動制限の原因が痛みである場合。
痛みが急性症状である場合は薬剤が効果的でしょうし、安静が必要な場合もあります。
場合によってはリハビリどころじゃないケースもあるでしょう。
痛みを対象にした時は、そういった判断がまず必要になります。
急性症状による痛みではなく、リハビリができそうである場合、
対象者が痛みを感じているモデルを
- 何かの刺激をレセプターが捉えて
- 脳に信号を送って
- 脳が知覚して
- 侵害刺激などのストレスと判断して
- 交感神経系の遠心性の働きが起きて
- 血管収縮や筋収縮などにつながって
- その結果として痛い
と、考えたとしましょう。
この時、
「収縮してしまっている筋」
に対して技術を駆使してもうまくいかないことを経験します。
そんなとき、交感神経系の遠心性のインパルスが出る前の段階に働きかけるほうが有効な場合もあります。
先ほどの3〜4のあたりで脳が情報に対して混乱をしてしまっている可能性が考えられます。
知覚した刺激を統合する段階で、ストレスと判定されないような働きかけが有効な時もあります。
特に慢性疼痛の場合など。
これは、
「リハビリで関わっていない時間の行動をどのように提案するか」
という発想につながっていきます。
私は「触れないリハビリ」ってそういうことだと思っています。
だから触れないリハビリを行おうと思ったら、「相手の生活パターンや思考パターンや生活環境」の情報が必要になってくるのです。
どんな経験をしていて
どんなふうに痛みを理解しているか
をリハビリ職側が理解しないと相手の脳の混乱をときようがないですよね。
触れないリハビリっていうのは、
相手の生活全般をデザインすることですし
そのために相手の生活を知らないといけないし
相手の思考を知らないといけない。
触れないリハビリをやろうとしたら、なかなか高いレベルのコミュニケーション技術が必要になってくるのです。
また、
触れないリハビリを成功させるには
触れるリハビリの精度が高いほうがいい
のも事実です。
触れることで「この人のいうとおりにしてみよう」と相手に思ってもらえれば、リハビリ時間以外の提案が通りやすいです。
結局のところ、臨床での解決手段や技術を増やしたい、という悩みに対しては、悩みの対象を明らかにしたうえで、
勉強して
実践して
コミュニケーションをとっていく
他ないと思います。
魔法のようなやり方はない
世の中にあるアプローチ方法に優劣はない
というのが、現時点での結論です。
地道に積み重ねていくしかないのです。。。
IAIRでは、
- 触れるリハビリ
- 触れないリハビリ
の両方を、段階的に学習していけるカリキュラムを準備しています。
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