リハ科のお盆

リハ科のお盆の過ごし方【5年目を過ぎた療法士の君へ】(40)

新人「あ、あの、先輩の担当さんのことなんですけど……」
後輩「お?代行ね。この方はね……」

 

新人「ありがとうございました!」
後輩「そっか~初のお盆出勤だよね」
新人「そうなんです……どの病棟も意外と静かですよね」
後輩「そうだね。お盆にあわせて外泊する方も多いし」
新人「ベテランスタッフがみんな居ませんし」

後輩「プッ!アハハ。気づくよね。やっぱり」
新人「まぁ、なんとなく」

後輩「家族持ち優先でお盆時期は休むからね~」
新人「なんでなんんですか?」
後輩「ほら、それは……お姑さんが怖いから」

新人「??……はあ……」
後輩「まあ、いいよ。リハ室に来る患者さんも少ないし、こういう時は……」

新人「こういう時は?」
後輩「リハ科の大掃除と模様替えだ!」

新人「えぇぇ?」

 

お盆時期ですね。

この時期、患者さん、利用者さん達もお盆です。
むしろお盆優先なのではありませんか?

あまり関係ない現場もあるでしょうね。
そういった現場の方は、ぜひお盆時期の様子を教えてください。

 

今回は「リハ科のお盆の過ごし方」その一例を紹介します。

 

1年目:新人視点「先輩の代行にドキドキ」

リハ代行

自分の担当患者さんも外泊でいないとはいえ、先輩の代行で数日はいつもと違う方たちとリハビリを。

先輩は「いつもしている事以外は好きにしていいよ」と言いますが、その意図を汲めるようになるまで時間がかかったのではないでしょうか?

「いつもしている事以外は(あなたの視点で)好きにしていいよ」の裏には、「先輩以外の視点で評価して介入し、報告して欲しい」との意図が隠れていますよね。

でも、実は先輩と同じペースで「いつもしている事」が終わらず、時間中他に気が回らない事もしばしば。

「他の方の担当さんは持ちたくない」とトラウマにしないでくださいね。

まだまだ伸び代があるって事なんですから。

先輩に報告するタイミングで、ぜひコツを聞き出しましょう!

 

7年目:後輩視点「先輩(オニ)の居ぬ間に……」

リハ室

大掃除と模様替え。実際にやろうとしても意見をまとめる間にタイミングを逃してしまいます。

大掃除は患者さんが少ない

  • 「ゴールデンウィーク」
  • 「お盆」
  • 「年末」

がチャンス。

この期を逃すと、もう半年片付けもできないままリハ科がゴチャついてきます。

……作業療法室だけだろ!と言う意見は聞きません!

それに、模様替えは掃除の後じゃなければできません。

加えて、船頭は少ない方がゴール(理想像)に早く到達します。

模様替えのコンセプトを説明すれ分かりますし、大きく変わったものを改めて変えるほどのエネルギーはありません。

数年やれば、お盆時期の人に任せる雰囲気が出来上がりますよ。

 

13年目:先輩視点「休みを押し付けられた」

渋滞

本当はお盆時期をずらして平日連休を取りたかった先輩。

でも、今回はなぜか調整つかず、休みたくもないタイミングで休むことに。

お盆時期の午後余裕のできるタイミングで勉強やゆっくりリハ計画の練り直しをしたかったところ。

本当なら通常営業のなかでその時間が持てればいいのだけど、点数点数、コストコスト。

ギリギリまで単位を詰められてしまうと何もできない日もしばしば。

と言っても、休んでしまったものは仕方ない……けど、民族大移動の時期に外出なんてしたくもない。

結局、自宅と近くのコンビニ、お盆料金じゃない飲み屋で軽く……

……人が少ないタイミングで旅行したいわ!

 

20年目:科長視点「帰省はしんどい」

親戚

後輩くんが言っていたように、既婚者や家長、主婦(夫)兼業の方は、この時期大変です。

仕事以上に能力を発揮し、実家行脚、墓参り、子供と夏の思い出などなど。

自分の両親は理解があっても、田舎の親戚やご近所の遠慮のない言葉の数々は、後々ボディーブローのように効いてきます。

行っても地獄、行かなくても地獄……年々そのような田舎も少なくなっているのでしょうが、まだまだ続きそうです。

 

エピソードから読み解くリハビリテーション

マルチファクター

悲喜交々なリハ科の面々ですね。
今回紹介しているエピソードはどこかで誰かのあるあるな状況でしょう。

実はそこにこそ、リハビリテーションを一歩進めるカギが存在します。

 

IAIRのHand’sOffアプローチでは「BPSモデル」をお伝えします。

国際障害分類初版(ICIDH)から国際生活機能分類(ICF)に移行してきたように、ひとをみるには……

  • 「生物的(Bio)」
  • 「心理的(Psycho)」
  • 「社会的(Social)」

なそれぞれの側面をみていく時代になりました。

経験年数30年台の作業療法士らが以前話していたことに、

  • 「若手の生活感の無さ」

について不安視していた事を思い出します。

世代の異なるひとと共に生活した経験が少ない分、「生物的知識」に寄りがちで、社会の体験が少なく、生活を共有しながら想像することが出来ないのでは?と言うのです。

 

さて、ここまで読んでくれたあなはどうでしょう?

今回のエピソードでは、それぞれの視点で……特に心理的、社会的側面に触れています。

日々積み重ねられる物語(り)のなかで埋もれがちですが、それぞれ何かを思い、誰かと関わりながら生活しています。

医療者は文学を通じて人との関係性、その解釈に深みを増すことができる(マウラ・スピーゲル:ナラティブ・メディスンの原理と実践)と言います。

自身で直接体験し得ないことは、誰か、または何かを通じて学び、実践の足がかりとなるのでしょうね。

それらに想いを馳せ、一瞬でもいい……考える時間を持てたら幸せなことです。

IAIR齋藤
IAIR 作業療法士 齋藤 信

IAIR認定講座9月より開講!

今回紹介した内容……「生物的(Bio)」「心理的(Psycho)」「社会的(Social)」のうち、9月からは「生物的(Bio)」に関わるアプローチ法が学べる講義……B-classコースが始まります!
もちろん「心理的(Psycho)」「社会的(Social)」な部分も講義の中で触れ、実践の場を作っております。

ICFに基づいたリハビリテーションを構築したいなら、9月から体系立てられたB-classコースで一貫教育を受けてみませんか?

B-classの紹介はこちら >>> https://iairjapan.jp/iair-course-info

 

「心理的(Psycho)」「社会的(Social)」な内容はA-classコースで準備しています。

B-classの「生物的(Bio)」視点からの「心理的(Psycho)」「社会的(Social)」アプローチは、ひとをみることのできる療法士必須の学びが得られるでしょう。

A-classの紹介はこちら >>> https://iairjapan.jp/a-class-license

 

 


Saito Makoto

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精神科作業療法に従事する。そのなか、臨床実習指導と院内改善指導に携わり、統合的な視点で医療の質向上をマネジメントする取組みを10年にわたり行ってきた。 IAIRに参加することで、病ではなく人をみる視点を手に入れ、同時に組織も人と同じく、病を抱えていることに気づく。共に育む「共育」をテーマに、療法士一人一人が組織に関わるための多角的な視点を持てるよう、人財育成とマネジメントに関する発信を行っている。
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