身体のセンターラインに対するアプローチ

「センターライン」と聞いてもピンとくる人は少ないかもしれません。

体の真ん中のラインと表現すれば分かりやすいでしょうか。

  • 骨盤
  • 脊柱
  • 頸部
  • 頭部

これら体の中心に存在する部分は、身体機能において非常に重要な部分です。

聞いたことあるかもしれませんが、内臓も体の中心にあるものほど生命活動の上で欠かせないものです。

 

◆身体の中心にある臓器

例えば、脳や心臓は体の中心にあって、しかも頭蓋骨や肋骨に守られています。これらが機能しなくなれば、人は死にます。

肺や胃、腎臓、肝臓といった臓器は、片方取ったり一部摘出しても死ぬことはありませんが、脳や心臓はそうはいかない臓器です。

だからこそ、体のど真ん中にあって、しかも強固な骨に守られているわけです。

 

骨格や筋組織においても、センターラインに存在するものは非常に重要です。

これらに異常があると、疼痛や動作におけるバランス自律神経系への関与も出てきますが、リハビリの臨床場面においては、まだまだ軽視されている印象があります。

大本であるセンターラインにはアプローチせず、症状がある末梢(肩や膝、腰の表層など)に時間を使っているように感じます。

本日は、疼痛、バランス、自律神経の観点からセンターラインとの関係性を考えていきます。

 

◆疼痛との関係性

疼痛において、神経系の疾患や炎症症状を抜いて最も多いのが、運動器系の疼痛です。

しかも、圧倒的に多いのが3カ月以上続く慢性痛で、人口の15%以上が日常的に痛みを抱えており、その経済損失は1兆9,000億円以上¹⁾と言われています。

 

症状として多いのが、肩、腰、膝の痛みで、これらはセンターラインに存在する骨盤や脊柱との関係性が強いです。

骨盤脊柱周辺には、ローカルマッスルという姿勢制御・運動制御を司る、人が活動する上で常に機能していないといけない筋肉が数多く付着しています。

  • 腹横筋
  • 多裂筋
  • 骨盤底筋
  • 横隔膜
  • 腹斜筋
  • 大腰筋

これらの筋肉は、姿勢を安定させ、動作をスムーズに遂行するために常に働いていなければならない筋肉です。センターラインにおける機能障害は、これらの筋肉の働きを阻害します。

つまり、姿勢制御・運動制御機能が働きにくくなるということです。

そうなると、膝や腰、肩といったグローバルマッスル(人体の表層に存在する筋肉)が過剰に働き始め(過緊張)、筋肉は代謝不全が起こり痛みを伴うことになります。

 

◆バランスの評価

姿勢制御・運動制御が働かなくなる=バランスの問題に直結してきます。麻痺や脳の問題を抜きにしてバランスに異常がある人の多くは、先程のローカルマッスルの機能不全を端に発しているケースが往々にしてあります。

ローカルマッスルの機能を見る上で簡便な評価法があります。

姿勢:静的立位

課題:片脚立位

この課題を行う際に、セラピストは後方から支持側のPSIS(上後腸骨棘)を触診してください。ローカルマッスルが適切に機能していれば、PSISは下方へ変位します。

身体の重量を片側で制御する際には、通常よりも筋肉の働きが必要になり、ローカルマッスルが収縮することで骨盤が後傾します。それによってPSISが下方に動くように感じられるのです。

反対に、ローカルマッスルの機能不全の場合には、上方へ変位したり、側方へスライドするような動きをします。この場合は機能不全を疑っていくと良いと思います。

 

◆自律神経との関係性

自律神経は、心身を興奮させる交感神経と、反対にリラックスさせる副交感神経で説明されることが多いです。

これらのバランスが日夜変動しながら、一定のリズムで機能している(ホメオスタシス)からこそ、人は生活することが可能で、どちらかに偏ってしまったり、またどちらかが働かない状況になると、不調になったり病気を引き起こしたりします。

交感神経は胸髄腰髄から全身の臓器に伸びているのに比べ、副交感神経は延髄と仙髄から伸びています。

どちらも脳から脊髄を下降して信号が伝達されますので、センターラインとの関係性が深いのが想像出来るはずです。

 

反対に、臓器に異常が起こる(食べ過ぎ飲み過ぎ炎症潰瘍腫瘍など)と、内臓体性反射と言ってそのレベルの脊椎周辺や筋肉に異常信号を送ることもあります。

筋肉の問題は、内臓の状態からも影響しているので、根本的な問題が臓器である場合には、徒手的なアプローチ(Hands on approach)だけでなく、相応の手段(Hands off approach)も必要になってきます。

 

◆センターラインへのアプローチ

骨盤脊柱頸部へのアプローチを体系的に学ぶことが重要です。

方法は数多く存在しますが、全ての問題を繋げていくためには、統一された手法であることが望ましいと考えています。

 

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最後までお読みいただきありがとうございます。

 

◆参考

1)https://pmc.carenet.com/?pmid=26076135

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

理事 九州地区 理学療法士

福留 良尚

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福留 良尚

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国際統合リハビリテーション協会常任理事 IAIR九州専任講師 理学療法士 コンディショニングサロン仁愛クリニカルルーム代表 3児の父 
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