トラブル発生

トラブル発生!その時どうする?【5年目を過ぎた療法士の君へ】(33)

先輩「今日は平和な1日だった~じゃ!オツカレ!」
後輩「ですね~今日はこれからナイトセミナー行くんで僕もあがります」

Pi、PiPiPiPiPiPiPiPi!

先輩・後輩(うわ……やな予感)

新人「……はい、リハ科新人です!」
先輩・後輩「……ゴクリ……」

新人「はい、はい……、はい?」

先輩・後輩(……あぁ予定変更だな)

新人「先輩!2病棟の患者さんが売店に行ったきり戻ってないそうです!病棟から捜索協力依頼です!」
先輩・後輩「行くよ!担当はどこ!?」

 

臨床にいる限りトラブル……というより、イレギュラーな事は起きるもの。
夕方、何事もなく業務が終われば安堵の声を漏らしたものです。

ですが、平穏は帰りがけに訪れることだってあるのです。

齋藤は実習中から精神科の病院をいくつか巡っていますが、所謂「患者さんの無断自主退院」は定期的に起きてました。

任意入院なので強制はできないものの、管理保護責任はあります。
よく携帯片手に町内を走り周ったものです。

 

とはいえ、今回のエピソードと全く同じ出来事があなたの現場で起こるとは限りません。
トラブル発生時、と少しだけ抽象度を上げ、そんな時にどうするべきか「6つの視点」を紹介します。

あなたは普段、どの対応をしていますか?

 

視点1:静観して待つ!

静観

闇雲に行動してもどうにもなりません。

すぐに動き出さず、状況を整理してから行動しましょう。

でなければ、的外れな対応をしてしまいますよ。

今回の状況で言うなら、担当地区や連絡手段も詰めずに動き出してしまうと、後で収集がつかなくなります。

 

視点2:打開策に打って出る!

打開策

既に根本的な対応策があるのであれば、それを実行してしまいましょう。

ですが、欲を出してやり過ぎてしまっても良いことはありません。

まずはトラブルの解決をし、現状維持しつつ周辺の状況を見極めましょう。

今回の状況で言うなら、解決した後、出しゃばって対策案を押し付けるなどをせずにいましょう。

 

視点3:裏方に回る!

裏方

全員が動き出してしまうと、統括する者もなく、バラバラに結果を求めてしまいます。

役割分担をして、裏方に回る人をつけましょう。

今回の例で言うなら、一人はリハ科の電話番をして、病棟からの連絡をリハ科スタッフに回す情報統括役が鍵になります。

 

視点4:内々に進める!

内々

大きく動くのではなく、小さく動くことです。

全員で行うのではなく、パフォーマンスの高まるメンバーで集中して行う手立てを講じることです。

もちろん、お互いを尊重しあえるメンバーで行うことが重要です。

今回の例で言うなら、新人さんは土地勘がまだ無いでしょうから、電話番に回すなどです。

 

視点5:土台固めをする!

土台

既に事が収まり始めているなら未来に視点を向けるべきタイミングかもしれません。

トラブルの元になった状況や、問題点、根本的な原因を共有し、次に活かすもよし。

事態が収束し始めたなら、チームビルド(仲間同士の連携を強める為の手立て)を目的に、それぞれの課題を出すなどもいいでしょう。

今回の例で言うなら、リハ科に置き換えて、脱走……もとい自主退院をさせてしまいそうな状況の確認を検討し合うのもいいでしょう。

 

視点6:覚悟して臨む!

覚悟

正直言って、起こるべくして起きた時の対応です。

目の前の出来事は、すべてこれまでの積み重ねで発生しました。

今は過去を嘆いてフリーズするより、覚悟して目の前のあれこれに臨みましょう。

今回の例で言うなら、とにかく必死に発見し、病院に無事連れ帰る事。
そのうえで、これまで杜撰にしていた全てを見直し、目的も再確認です。

 

まとめ

今回はトラブル発生時にどのように対応するのか、6つの視点を紹介しました。

それぞれ大事な行動ですが、本当の価値は「あなたの真価が試される」ということ。

「苦しみほど人を育てるものはない」

と、昔の偉い人が言ってました。

あなたが普段、どの対応をしているかに気づいたら、別な手立てを学んでみる事をお勧めします。

大変な時ほど、辛抱強く内面を充実させる行動がカギになりますよ。

IAIR 齋藤 信

追伸

今回のようなトラブルを未然に防ぐためにも、周囲の状況をよくよくみることが大事です。

そんな多因子(マルチファクター)を分析し、リハビリに活かす方法が学べるチャンスがあります。

https://iairjapan.jp/iair-hands-off


齋藤 信

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精神科作業療法に従事する。そのなか、臨床実習指導と院内改善指導に携わり、統合的な視点で医療の質向上をマネジメントする取組みを10年にわたり行ってきた。 IAIRに参加することで、病ではなく人をみる視点を手に入れ、同時に組織も人と同じく、病を抱えていることに気づく。共に育む「共育」をテーマに、療法士一人一人が組織に関わるための多角的な視点を持てるよう、人財育成とマネジメントに関する発信を行っている。
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