歩行

フォアフットロッカー~歩行に必要な機能の理解~

皆さんこんにちは。

藤田智史です。

今回は、いくつかの文献や教科書を参考に

Forefoot Rockerについて見てみたいと思います。

 

Forefoot Rocker (フォアフットロッカー)

ForefootRocker1)より

 

MP関節に回転軸が移ります。

Ankle rockerでの前方回転つくられた力は、回転という力を使っているため

前方へ移動するに従い重心が下がっていくことなります。

重心がこのまま下がっていく状態では反対側の遊脚時間が短くなってしまうことになります。

そのため、股関節を伸展しながら、滞空時間を稼ぐためには
足関節を底屈させMP関節の伸展による立脚時間の延長が必要となるわけです。

これらが不足してしまうと、反対側下肢の負担増加となってしまう恐れがあります。

 

運動方向の変換

足関節の軸は矢状面上に対して1軸であり、足部の向きによって回転する方向が決まってしまう。

これに対してMP関節の矢状面に対する軸は、母指側の軸は斜め内側を向き、小指側は斜め外側を向く。

とされています。2)より

このような構造になっているため、方向の変換が可能になってきます。

(Ankle rockerでは進む方向が足部が向いている方向のみとなってしまい、
とっさに方向を斜め内側や斜め外側に帰る場合には、MP関節の軸が必要になるということです)

→このことができないことも、遊脚期を十分に完了してから接地できないことにつながります。

 

このように立脚を十分に保つことで、反対側の滞空時間を稼ぐことで反対側の踵接地までの時間を
十分に確保して次に起こる衝撃吸収が十分できることにも繋がります。

また、他の筋に比べて下腿三頭筋の筋活動(求心性)は高く、
十分な筋力がないとこういった機能をフル活用できないことにもなってしまいます。

 

 

・蹴り出し脚・踏み出し脚

※4)によると、『蹴り出し脚』『踏み出し脚』という定義がされています。
歩行

蹴り出し脚と踏み出し脚は、個人間の左右相対的な相違で決定している。

その定義は、立脚相で下肢全体の動きが後方への動きが大きいものが蹴り出し脚で、
前方への動きが大きいものが踏み出し脚である。

人間の歩行において左右の蹴り出しが同じ人は一人としていない。
このため、蹴り出し脚と踏み出し脚を区別して観察する必要がある。

4)より

もし、踏み出し脚側に障害がある場合は、

①蹴り出し脚の力が強すぎて、踏み出し脚にかかる負担が強い

②蹴り出し脚の支ええが足りずに、踏み出し脚の接地が早すぎて踵接地の順部が不十分。

③衝撃吸収やアライメントの問題など踏み出し脚側に問題がある。

といった複数の可能性が考えられます。

ですので、Forefoot Rockerがなさそうだがから単純に「強く蹴ってください」
というオーダーを出してしまうと、問題を強めてしまう可能性もありますね。

患側・麻痺側だけでなく、健側や非麻痺側のことも考えていく必要がありますね。

 

最後に

いかがでしょうか?

3つのRocker Functionですが、3つが合わさって正常歩行を構築している
1要素になってきます。

一側の下肢に問題がある場合には、反対側の下肢にも問題や負担がかかる
ということがすでに起こっている可能性も大きいです。

基本的なメカニズムを踏まえたうえで、臨床上では工夫をしていく必要があります。

例えばですが、膝関節拘縮がある場合は重心が上方に上がりにくいため、

もしかしたら踵接地にこだわりすぎずに、別の部分に介入する時間を増やした方が
よい場合などもあるかもしれませんね。

 

 

介入方法をもっと詳しく学びたい?講義は随時開催されます。

 

お読みいただきありがとうございました!

IAIR 藤田 智史

 

参考、引用文献・画像

1)武田功監訳:ペリー 歩行分析一正常歩行と異常歩行 医歯薬出版株式会社 2007年
2)石井 慎一郎 著:動作分析 臨床活用講座―バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践
メジカルビュー社  2013
3)キルステン ゲッツ・ノイマン著: 観察による歩行分析  医学書院  2005年
4)入谷 誠入谷式足底板 ~基礎編~  運動と医学の出版社  2011年


Saito Makoto

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精神科作業療法に従事する。そのなか、臨床実習指導と院内改善指導に携わり、統合的な視点で医療の質向上をマネジメントする取組みを10年にわたり行ってきた。 IAIRに参加することで、病ではなく人をみる視点を手に入れ、同時に組織も人と同じく、病を抱えていることに気づく。共に育む「共育」をテーマに、療法士一人一人が組織に関わるための多角的な視点を持てるよう、人財育成とマネジメントに関する発信を行っている。
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