・ぎっくり腰などの急性腰痛の方に
A「痛みが強いでの家で安静にしてください」
と指示した場合と
B「痛みはあって辛いかもしれませんが、
可能な範囲でいつも通りの活動を維持してください」
と指示した場合
一年後のぎっくり腰の再発率は、
どちらが高いでしょうか?
・
・
・
やはり、痛みが強い時は、安静か?
・
・
・
動いた方がいいのか?
・
・
・
患者さんの価値観やその時の病態を把握した上で
活動に対するアドバスは、患者さんの予後に
大きな影響を及ぼします!
・
・
答えは、
A「痛みが強いでの家で安静にしてください」
です。
安静を指示した場合は、
活動を維持するように指示された群よりも
一年後のぎっくり腰の再発率は、
なんと!
【3.6倍のリスク】がある
という報告があります。
いかがでしょうか?
慢性腰痛を生まないために
医療従事者からの説明って
改めて大切ですよね。
◇医療従事者からの画像所見の説明も、慢性腰痛を生む可能性がある!
安静か活動かという以外には、
・「画像所見の説明」も
慢性腰痛を生む可能性があると
されています。
すでに、ご存じだとは思いますが、
画像所見と症状は、必ずしも関連がある
わけではないといわれています。
画像上の異常所見を強調して説明すると
「恐怖回避思考・行動」を助長して
活動性が低下し不活発となり、
気分も落ち込み抑うつとなり、
さらには、
仕事に支障をきたすこともあります。
◇ゆがんだ認知である破局的思考が原因
この「恐怖回避思考・行動」を生んでいるのは、
歪んだ認知である「破局的思考」とされています。
破局的思考は、
痛みを感じたときに、
過度に否定的に捉える認知・思考です。
この破局的思考は、
痛みに対する認知的要因の中でも
特に重要なものであり
対象の方が、
この思考パターンにどの程度
当てはまっているかを
把握しておくことは、
慢性腰痛のアプローチ法を
選択する際にも大変重要な
こととされています。
◇破局的思考を評価する
破局的思考の評価は、
痛みを感じているときの
本人の考えや感情を確認するもので、
13項目から構成されています。
各項目について
0から4の5段階で
0:全くあてはまらない
1:あまりあてはまらない
2:どちらともいえない
3:少しあてはまる
4:非常にあてはまる
を解答していきます。
ここでは、はじめの5問を紹介します。
=============
1.痛みが消えるかどうが、ずっときにしている
・
・
2.もう何もできないと感じる
・
・
3.痛みはひどく、けっしてよくならないと思う
・
・
4.痛みを恐ろしく、痛みに圧倒されると思う
・
・
5.これ以上耐えられないと感じる
・
・
=============
*破局的思考尺度は、についてさらに詳細に知りたい方は、
こちらの論文も参考になります。
◇破局的思考への介入のポイント
破局的思考が強いと
軽度の痛みであっても、
大きな悲劇だととらえてしまい、
できる能力を持っていても
過度の恐怖からその動作や
活動を避けてしまい
恐怖回避思考・行動のパターンに
陥っていることが多いと感じています。
・
・
そのようなケースへの対応例として
大切なことを、二つ紹介します。
まずは、
1.正しい知識を教育
その代表として、
重篤な問題がなければ、
安静よりも活動を維持すること
2.段階的にチャレンジ
恐怖を抱いている動作は
避けているとより恐怖が
強くなっていきます。
これも、
重篤な問題が無い場合以外は、
段階的にその動作にチャレンジしていく
ことが解決の近道でしょう。
どのような、ステップを設定するか、
療法士としての知恵を発揮したい場面ですね。
◇まとめ
長引く痛みを生む
恐怖回避思考・行動の始まりには、
痛みに対する「破局的思考」が関与しており
その思考は、「医療従事者からの説明」が
きっかけになっていることもありました。
・不必要な痛みを生まない
・不必要な破局的思考を生まない ために
情報を提供する側は、
一つ一つの情報を
より一層丁寧にそして慎重に
提供していきたいですね。
是非すべての人々の“ハッピー”のために。
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参考文献:松平浩・竹下克志「そうだったのか!腰痛診療」南江堂
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