こちらの記事でも触れていましたが、私もDr. Jean-Claude GUIMBERTEAUの来日講演セミナーに参加しました。
東京と大阪で650名くらいが参加していた大規模なもので、自らの徒手技術を高めたいという気持ちを持った方達がたくさん参加されていました。
写真や動画の撮影は許可されていませんでしたので、記憶とメモが頼りです。
著書を事前に読んでいたので、ある程度は想像できておりましたが、講義中の動画とDr. Jean-Claude GUIMBERTEAUの解説のおかげで、さらにクリアになりました。
参加して本当に良かったです。
メモを見返してみると、よくわからないコメントとかも残っているのですが、私の感想をここに残します。
筋膜や結合組織という分離した捉え方ではなく「線維ネットワーク」であるという統合された捉え方にシフトせざるを得ない映像をたくさん見ることができました。
講演を聞いて、私が感じたのは、「線維ネットワークは外力への対応の結果としてデザインされていく」のだろうということです。
体を動かせば、組織に伸張や圧縮が加わります。
線維ネットワークは滑走することで、組織の形状や機能を保っているのでしょう。
加重することで骨形成が進んだり、トレーニングすることで筋肥大することも、同じ考えに基づきます。
線維ネットワークが外力に対して順応しモデリングされていくと考えたら、仮に外力が加わらない状況ではそれ相応のモデリングが生じるのではないでしょうか?
例えば、線維の移動や分岐や伸張が起こらない(つまり滑走しない)体が構築されていくのではないでしょうか?
不活動状態が機能低下につながっていくことも納得できます。
我々は生きた体にどのような「外力」が加わっているかを推察することで、線維レベルに多様なアプローチが可能になることでしょう。
ベッド上で臥床状態が続く人が、抗重力姿勢をとることは、組織、線維レベルでどのような外力を加え、線維ネットワークにどのような運動を要求したことになるのかを考えていくと、「リハビリでやることがない」なんてことにはならなそうですね。
(もちろん、病状にもよりますので、医師の指示に従いましょう)
Dr. Jean-Claude GUIMBERTEAUは外科医です。
マイクロスコープで見えるものについて、たくさんの情報を提供してくれました。
では、見えないものは存在しないか?
存在しないとも言い切れません。
生物心理社会学的なアプローチが求められる昨今、(まだ)視覚化できないことの取り扱いも求められます。
科学ということを哲学しながら、この講習会で得たことを活かしたいと思い、ここにシェアしました。
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