ストレッチ

本当にストレッチは効果的なのか?体を柔らかくするために必要なこと。

ストレッチは次のような悩みを解決する手段として選ばれます。

関節の痛み
筋の痛み
関節の可動域制限
ダイエット
姿勢の改善

 

ストレッチの効果を感じられない指導者に向けて

  • ストレッチで起きていること
  • ストレッチの効果を高める方法

について書きました。

 

 

ストレッチの目的

ストレッチの目的の大部分は「筋肉を柔らかくする」が挙がるのではないでしょうか?

筋肉が柔らかいということは、関節可動域を広く使えることにつながります。

 

痛みなく関節可動域を動かせれば、ADLの制限を減らすことができそうですね。

そういった症状の緩和を目的したもの以外に、転倒予防やスポーツ時の怪我予防としても行われます。

 

その他にも、血流の改善、疲労の改善、痛みの軽減など、様々な目的のためにストレッチは行われています。

 

ストレッチの効果

ストレッチの効果

ヨガやピラティスのように、リラックス効果を促すやり方もあります。

ゆっくりと時間をかけ、深い呼吸とともに行うことで自律神経の活動に働きかけ心拍数の低下などが起こります。

ストレッチによる柔軟性の向上は、筋の伸長反射など中枢神経を介した変化と、局所の組織学的な変化によって起こると言われます。

 

息を止めて、歯を食いしばりながら行うストレッチは、リラックスには繋がらないということですね。

「頑張る」ストレッチは効果が薄いというふうに理解しました・・・

 

ストレッチしている時の筋組織について科学的な根拠もたくさん報告されているので、その部分を詳しく見ていきましょう。

 

リハビリや予防としても行われる

リハビリや予防としても使われる

リハビリの場面で、症状の改善のために徒手的な介入を選択する場面は多いことと思います。

ストレッチ
マッサージ
モビライゼーション
〇〇リリース
〇〇ファシリテーション
etc

アプローチ方法の名前を挙げていこうとすると、もっと多くあるかもしれません。

 

療法士がリハビリで行うストレッチでも、セルフエクササイズで行ってもらうストレッチでもも共通して言える重要なことは、実際に変化が起きている部分を意識することです。

参考記事:徒手療法、運動療法でフォーカスするポイント

 

筋肉が硬いとはどういうこと?

例えば、「筋肉が硬い」という表現が使われた時、どんな状況をイメージするでしょうか。

炎症後の癒着や、組織の線維化、瘢痕化が強い、CNSの影響など、様々な要因が考えられますが、注目したいことは「組織間の滑走機能の低下」にあります。

 

運動時、隣り合う組織の摩擦を干渉するような役目として、間質腔の存在があります。

さらに細胞レベルまでイメージを広げていくと、細胞間を埋めている「細胞外基質」という存在がります。

 

細胞外基質は

タンパク質
コラーゲン線維
多糖類分子
水分
ヒアルロン酸などのグリコサミノグリカン

などから形成されます。

 

 

Quantification of hyaluronan in human fasciae: variations with function and anatomical site.

から引用します。

Recently, alterations in fascial gliding-like movement have been invoked as critical in the etiology of myofascial pain. Various methods have been attempted for the relief of this major and debilitating clinical problem. Paramount have been attempts to restore correct gliding between fascial layers and the movement over bone, joint, and muscular structures.

最近、筋膜滑走様運動の変化が筋筋膜痛の病因において重要であるとされてきた。 この主要かつ衰弱させる臨床的問題を軽減するために様々な方法が試みられてきた。 最も重要なことは、筋膜層間の滑走と、骨、関節、および筋肉の構造上の動きを元通りにすることだ。

 

膜組織間の滑走が今後のトピックになっていくと考えられます。

 

The fasciacytes: A new cell devoted to fascial gliding regulation.

から引用します。

Hyaluronan occurs between deep fascia and muscle, facilitating gliding between these two structures, and also within the loose connective tissue of the fascia, guaranteeing the smooth sliding of adjacent fibrous fascial layers. It also promotes the functions of the deep fascia. 

ヒアルロン酸は深筋膜と筋の間で起こり、これら2つの構造の間の滑走を容易にし、また筋膜の緩い結合組織内でも起こり、隣接する線維性筋膜層の滑らかな滑りを保証する。 それはまた深い筋膜の機能を促進する。

 

滑走運動にはヒアルロン酸の存在が決め手になるようです。

筋肉が硬いというのは、この組織間の滑走が得られない状態になっていると考えることができますね。

 

そして、滑走が得られていない硬い筋肉のまま、無理なストレッチを行ったら・・・

「損傷」ですね。

ストレッチを頑張りすぎると、翌日に痛みがあったりするのは、軽度の損傷が起きているのかもしれません。

 

 

組織間の滑走が乏しい時は、ヒアルロン酸が乏しいとも言えそうです。

 

以上のことから、柔らかい筋肉というのは、「ヒアルロン酸が豊富で、運動時に組織の間で滑走が起きている」と考えます。

 

 

ストレッチが筋肉を柔らかくする?

「柔らかい筋肉」の条件が見えてきました。

どうやって、その状態にするかが次のポイントです。

 

ヒアルロン酸が豊富であることが条件の一つでした。

ヒアルロン酸の性質で特徴的なものとして水分子との親和性が挙げられます。

組織の弾性には水分含有量の影響が報告されています。

 

ストレッチにより結合組織の水分含有量は減少し、時間の経過とともに再び増加していくのだそうです。
(絞ったスポンジが再び水を吸うように)

水分の移動によって運動に対応していると考えます。

運動後に「柔らかくなった」と感じ、時間が経つと「元に戻った」と感じるのはこういった液体の動きが関係しているかもしれません。

 

 

組織間の滑走には細胞外基質に含まれるヒアルロン酸、水分が重要な役割を担っていると、先ほど予測しました。

その細胞外基質の構成物を生成する「線維芽細胞」は機械的刺激(ストレッチなど)に反応します。

 

これらの情報をまとめていくと「ストレッチのように機械的な刺激が組織の線維芽細胞に加わることで、ヒアルロン酸などの細胞外基質が増えることが予想できます。

そこに水分を届けることができれば、組織間の滑走が容易になる条件が整います。

 

ストレッチを効果的に行うために

ストレッチを効果的に行うために

つまり、「じっとしている(動かない)」ことや「体内の水分量不足」は、問題であるという結論にたどり着きます。

ストレッチや徒手的な関わりによって水分含有量は、一時的に変化は起こります。

しかし、戻ります。

 

ストレッチによって効果を得るには、水分摂取も忘れないことです。

そして、その効果を維持させるには、軽いストレッチで構わないから頻度を増やすことです。

 

いかにして「じっとしている(動かない)」状況を回避するかは、生活パターンや性格まで考慮していくことが重要になりそうです。

関連記事:組織滑走法

 

この記事のまとめ

健康管理的にもリハビリの場面でも行われることが多いストレッチについてまとめ、効果的な方法について書きました。

ポイントをまとめます。

・ストレッチは筋肉を柔らかくすることを目的に行われることが多い。

・ストレッチは自律神経活動によりリラクゼーション効果も期待できる。

・硬い筋肉は運動時の組織滑走が乏しい。

・組織滑走の乏しい原因としてヒアルロン酸などの細胞外基質が関係する。

・ストレッチは細胞外基質の元になる線維芽細胞に刺激を加える狙いがある。

・ストレッチとともに水分摂取が重要。

・軽いストレッチでいいので高頻度に行う。

 

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