運動後に筋肉が「柔らかくなった」と感じ、時間が経つと「元に戻った」と感じる話

リハビリの場面で、徒手的な介入を選択する場面は多いことと思います。

ストレッチ
マッサージ
モビライゼーション
〇〇リリース
〇〇ファシリテーション
etc

アプローチ方法の名前を挙げていこうとすると、もっと多くあるかもしれません。

 

療法士が介入するケースも、セルフエクササイズで行ってもらうケースもあることでしょうが、実際に変化が起きている部分を意識することはとても重要です。

参考記事:徒手療法、運動療法でフォーカスするポイント

 

例えば、「筋肉が硬い」という表現が使われた時、どんな状況をイメージするでしょうか。

炎症後の癒着や、組織の線維化、瘢痕化が強い、CNSの影響など、様々な要因が考えられますが、注目したいことは「組織間の滑走機能の低下」にあります。

 

運動時、隣り合う組織の摩擦を干渉するような役目としても間質腔の存在があります。

細胞レベルまでイメージを広げていくと、細胞間を埋めている「細胞外基質」という存在がります。

 

細胞外基質は

タンパク質
コラーゲン線維
多糖類分子
水分
ヒアルロン酸などのグリコサミノグリカン

などから形成されます。

 

Quantification of hyaluronan in human fasciae: variations with function and anatomical site.

から引用します。

Recently, alterations in fascial gliding-like movement have been invoked as critical in the etiology of myofascial pain. Various methods have been attempted for the relief of this major and debilitating clinical problem. Paramount have been attempts to restore correct gliding between fascial layers and the movement over bone, joint, and muscular structures.

最近、筋膜滑走様運動の変化が筋筋膜痛の病因において重要であるとされてきた。 この主要かつ衰弱させる臨床的問題を軽減するために様々な方法が試みられてきた。 最も重要なことは、筋膜層間の滑走と、骨、関節、および筋肉の構造上の動きを元通りにすることだ。

 

膜組織間の滑走が今後のトピックになっていくと考えられます。

 

The fasciacytes: A new cell devoted to fascial gliding regulation.

から引用します。

Hyaluronan occurs between deep fascia and muscle, facilitating gliding between these two structures, and also within the loose connective tissue of the fascia, guaranteeing the smooth sliding of adjacent fibrous fascial layers. It also promotes the functions of the deep fascia. 

ヒアルロン酸は深筋膜と筋の間で起こり、これら2つの構造の間の滑走を容易にし、また筋膜の緩い結合組織内でも起こり、隣接する線維性筋膜層の滑らかな滑りを保証する。 それはまた深い筋膜の機能を促進する。

 

滑走運動にはヒアルロン酸の存在が決め手になるようです。

 

ヒアルロン酸の性質で特徴的なものとして水分子との親和性が挙げられます。

組織の弾性には水分含有量が報告されています。

 

ストレッチにより結合組織の水分含有量は減少し、時間の経過とともに再び増加していくことが報告されています。
(絞ったスポンジが再び水を吸うように)

水分の移動によって運動に対応していると考えます。

運動後に「柔らかくなった」と感じ、時間が経つと「元に戻った」と感じるのはこういった液体の動きが関係しているかもしれません。

 

 

組織間の滑走には細胞外基質に含まれるヒアルロン酸、水分が重要な役割を担っていると考えられます。

その細胞外基質を構成物を生成する線維芽細胞は機械的刺激(ストレッチなど)に反応します。

 

これらの情報をまとめていくと「じっとしている(動かない)」ことや体内の水分量不足が、問題であるという結論にたどり着きます。

徒手的な関わりによって水分含有量は、一時的には変化は起こります。

しかし、戻ります。

 

いかにして「じっとしている(動かない)」状況を回避するかは、生活パターンや性格まで考慮していくことが重要になりそうです。

 

 

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