間違い

間違いはなくならない。でも消すことはできる!【5年目を過ぎた療法士の君へ】(23)

先輩「いやいや、絶対クアドからアプローチした方がいいって!」

後輩「いや、でも、人体の構造から考えるとハムからの方が……」

先輩「はぁ? オマエ何言ってんの? この本や文献じゃクアドって言ってんだろ!」

後輩「あの、でも、それはそもそも対象が違ってて、その……」

先輩「んだよ、もういいよ! この人にはクアドからやればいいんだよ!」

後輩「……(チッ)」

先輩「……(イラッ)」

 

いやぁ……ち~と重い空気なやり取りですね。

この二人、一体どこですれ違っているのでしょう?

どちらも正しいことを言っているように思えますし、どちらも間違っている気もします。

ということで、今日は「間違い」をテーマにしてお話しましょう。

 

◆ 彼らは何でモメていたのか?

対立

正直、彼らのようなやりとりを経験したことがあります!

という方、手を挙げて!とセミナーではやりたくなりますね。

みなさんが無言でうなずいている姿が見えそうです。

そのくらいに、療法士間のやり取りは、それぞれ「正しい」と信じていることのぶつけ合いになっています。

実はそこにこそ、モメている原因があったのです。

 

◆ 世の中のほとんどは、どっちも正しい?

正しい

社会人経験(他の企業で働いた経験)のある療法士や、施設長、センター長を任されている人にとっては常識であり、日常になっている事実があります。

世の中、自分が正しくて、相手も正しいことがよくある。その時、自分が正しくて相手が間違っているという考え方を捨てられるかどうかが、成功や成長の鍵である

コレです。

ストレートに医療業界に入ってきた療法士の皆さんが陥るワナかもしれませんね。

 

◆ 三つの視点で紐解く

視点

相手も正しくて、自分も正しい、そんな時にお互い違っているのは、判断基準です。

具体的にすると、

  • 「見ているものが違う」
  • 「価値基準が違う」
  • 「両方違う」

の三つです。それぞれ先の先輩後輩のやりとりを見てみましょう。

 

「見ているものが違う」

この二人、「クアド」と「ハム」をみてますね。
しかもその理由が、「書籍・論文」の先輩。「解剖学・論文」の後輩。
加えて、論文は共通していますが、先輩は疾病視点で、後輩は予防視点かもしれません。
論文を見るときに、母集団が何かを気をつけないと、そもそも論点がずれていまいますからね。などなど。

「価値基準が違う」

おそらく先輩の価値基準は「療法士の先人の積み重ねた知識や研究」で、後輩くんは「人体構造から見たアプローチや生活への適応」なのかもしれませんね。

「両方違う」

ということで、見てるものも、価値基準も両方違う二人。
はてさて、一体どうしたものやら。

 

◆ 大きな原因と二人にかけるべき言葉

すり合わせ

この二人、最後は物別れですね。

先輩が威圧的、高圧的に見える書き方をしましたが、今回そもそもどんな患者さんかを書いていません。

先輩の言葉が足りないだけで、患者さんにとっては先輩が正しい、という正解のないディスカッションが延々と続くネタです。

ですが、このあたりで今回のテーマに立ち戻って終わりにしましょう。

 

テーマは「間違い」でしたね。

では「間違い」とは何か?

ある人が言っていた言葉がなかなか的を射手たので紹介します。

「”間違い”とは、相手の正解と、自分の正解の”間が違う”だけ」

なるほど!

確かに「どちらも正しい」の視点から言えば、そうですよね?
あなたもそう思いませんか?

 

この視点があれば、次のステップに進めたんですよね。

この二人、最後は物別れしましたが、

「すりあわせることを諦めない」

でいれば、お互いの視点と価値観の違いを共有し、目的に立ち戻ってリハビリを行えたのかもしれませんね。

 

◆ まとめ

ということで、今回は「間違い」をテーマに、

  1. 「”間違い”とは、相手の正解と、自分の正解の”間が違う”だけ」
  2. 「すりあわせることを諦めない」

の二つを紹介しました。

価値観や生活観の多様化した現代、生活を維持向上を目的としたリハビリテーションでは、一つに固執する思考が大敵かもしれません。

複数の要因が複雑に絡み合っている……マルチファクターを考えることが大事いなってきますね。

IAIR理事齋藤信
齋藤 信

追伸

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齋藤 信

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精神科作業療法に従事する。そのなか、臨床実習指導と院内改善指導に携わり、統合的な視点で医療の質向上をマネジメントする取組みを10年にわたり行ってきた。 IAIRに参加することで、病ではなく人をみる視点を手に入れ、同時に組織も人と同じく、病を抱えていることに気づく。共に育む「共育」をテーマに、療法士一人一人が組織に関わるための多角的な視点を持てるよう、人財育成とマネジメントに関する発信を行っている。
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