徒手療法、運動療法でフォーカスするポイント

リハビリ職者が、担当する患者、利用者に対して行う「徒手療法」や「運動療法」。

どのようにして効果が出るのか?

その機序について考えました。

 

 

間質腔、結合組織

1年前の記事になりますが、Newsweek日本語版にこのような記事が掲載されています。

ヒトの器官で最大の器官が新たに発見される

(2018年3月29日)

 

元の論文は、ニューヨーク大学医学部を中心にした研究論文

Structure and Distribution of an Unrecognized Interstitium in Human Tissues

(Scientific Reportsvolume 8, Article number: 4947 (2018) )

 

です。

 

最大の器官が新たに発見される、とのことですが、それは「間質腔」のことを指しています。

間質腔の説明として、Newsweekでは以下のように掲載しています。

体重のおよそ20%に相当する体液で満たされた間質は、強度の高いコラーゲンと柔軟性のあるエラスチンという2種類のタンパク質による網目構造で支えられており、臓器や筋肉、血管が日常的に機能するように組織を守る”衝撃緩衝材”のような役割を担っている。

 

結合組織の成分として説明されることが多い「コラーゲン」と「エラスチン」。

 

筋膜リリースの解説部分でも見かける単語です。

こういった結合組織が立体的な格子構造を形成し、その空間を体液が満たして緩衝作用を果たしているということが説明されています。

 

 

これまでの解剖学からすると、「え?」という感覚かもしれません。

それは過去の解析技術、解析方法、撮影機材の性能に限界があったからです。

テクノロジーの進化によってわかってきたことがあれば、過去のことはアップデートされる。

それが「科学」のよいところですね。

 

 

間質液

結合組織で作られた空間を満たしている体液は間質液と呼ばれます。

間質液とは血漿成分に近い成分であると言われます。

ただし、部位によって細胞で行われる代謝活動が異なるため、体内のどの間質液も同様の成分ではありませんし、血漿成分と同じでもありません。

 

参考までに、血漿成分についておさらいしましょう。

【血漿成分】
・有機化合物
タンパク質(アルブミン、フィブリノゲンなど)
糖質(グルコースなど)
脂質(コレステロール、トリグリセリドなど)
その他(クレアチニン、ビリルビンなど)
・無機イオン(Na+、K+、Mg2+、Ca2+ など)
・水分(血漿の約90%)

 

どうでしょう?

細胞に必要な成分が多いですね。

間質液が各細胞の周囲を満たすことは、緩衝作用だけでなく代謝活動や免疫機能を下支えすることにつながりそうです。

 

 

 

徒手療法による効果

徒手療法や運動療法がいったいどのような効果を導いているのでしょうか?

 

筋組織を伸張させることで何かが変わる?

神経組織を滑走させることで何が動く?

筋収縮を円滑にするには何が変化すれば良い?

 

そういったことの鍵を握るのは、間質液の循環にありそうです。

栄養を含んだ血漿成分が細胞周囲を満たすことでエネルギーの生産や組織の修復が起きています。

 

徒手療法や運動療法は、間質液の循環を起こせた時に「効果につながる」と考えられそうです。

IAIRコンセプトであるTGAが根拠の一つにしていることです。

徒手アプローチで実際に操れるのは皮膚です。

そのほかの組織は運動や角度変化などを組み合わせて間接的に介入していくことになります。

 

「よくなったからいいじゃん」

と思う人もいるかもしれません。

 

患者さんはそれで構いません。

しかし、リハビリ職者は「なぜよくなったか」を学んでいかない限り、行なっていることが学問になっていきません。

学問にならないとおそらく後世に残りません。

 

それは、人々にとって不利益だと私は思います。

 

テクノロジーの進化でこれまでわからなかったことが視覚化できるようになってきました。

自分が行なったリハビリが、どういう風に相手の改善をもたらしたのか、掘り下げてみましょう!

 

 

 

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IAIRは科学を大切にはしていますが「感じる」ことも重要視しています。

現時点では、個々に対しての最適な介入は一般化されないからです。

一人一人への最適な介入のためには「感じる」ことが重要です。

それは実際に触れることでお伝えしています。

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