姿勢の変化に対応できるよう「感覚入力」を改善するには?【国際事業部 Step.71】

IAIR(国際統合リハビリテーション協会)
国際事業部より

 

ハロー!
IAIR国際事業部 所属の
吉田頌平です。

本日のテーマは、「姿勢の変化」です。

姿勢を評価するうえで、まずアライメントや安定感を見ることが多いと思います。

座位であれば骨盤と肩甲帯のアライメント、
立位であれば下肢と骨盤のアライメント、
動作時であれば、頭部と骨盤のアライメントなど…

姿勢を保つためには、空間・周囲にあるものなどを手がかりに
視覚などの感覚を活用することが重要ですよね。

今回は、姿勢を保つために重要な感覚とはどんなもので、
活性化するために必要な2つのポイントをお伝えします。

 

【姿勢の変化に必要なことは?】

まず感覚とは、どんなものがあるのでしょうか?
後藤は、以下のようにまとめています。


引用元:文献(1)   表1(1)

このうち、姿勢の変化に関わる主な感覚は、
体性感覚・特殊感覚(視覚・平衡覚)です。

たとえば寝返りを行う際には、
視線で動く方向を確認し、頚椎から肩甲帯が連動して
適切な身体位置へ誘導していきますよね。

後藤は、姿勢の変化に感覚がどのように活用されるのか、以下のように述べています。

体性感覚は、皮膚の受容器をとおして外界からの情報を入手し対象の認識をおこなうと共に、筋・腱・関節・靭帯などの受容器をとおし て身体の位置や身体そのものを理解し、円滑な動作へと導く。(文献(1) P.6 より引用)

感覚が働くため、スムーズな動作が可能となる、ということですね。
そのためには、皮膚や関節周囲にある受容器から、外界との関わりを認識・理解することが大切とのことです。

では、皮膚や関節周囲にある効果器から、適切に感覚入力を行うには
どんなことが必要なのでしょうか?

 

【感覚入力を適切に行うには?】

姿勢の変化に関わる体性感覚は、4つの感覚受容器によってコントロールされていると言われています。
そして各受容器には、対応する刺激があり、「適刺激」と呼ばれます。

引用元:文献(1)  表1(2)

臨床でよく注目する触覚・圧覚・痛覚は、機械受容器・温度受容器に分類されます。

各受容器があるのは、主に以下の通りです。
・機械受容器→毛根部、皮膚、筋腱
・温度受容器→皮膚
・化学受容器→各細胞内
・侵害受容器→各組織内

引用元:文献(2)    Fig.5

臨床場面でふだん触れることが多い骨格筋でも、表皮〜骨格筋の深部・筋原繊維という複数の層構造があります。
そして層ごとに体性感覚を感知する受容器がそれぞれ含まれています。

では、触覚へ適切な感覚入力を行うためには、どんな条件が必要なのでしょうか?
実は最近、以下のような報告がありました。

『表皮幹細胞から分泌されるEGFL6タンパク質が、触覚受容器の構造と触覚機能に重要な役割を果たしていることが明らかとなりました。哺乳類の触覚受容器で機能する細胞外マトリックスの発見は、本研究が初めてです。』(引用元:文献3より)

マウスによる動物実験段階ですが、触覚への適刺激を感知するには、神経組織だけでなく神経終末を覆う表皮幹細胞からEGFL6タンパク質が分泌されることも重要である、と述べられています。

つまり、たんぱく質がしっかり分泌できる身体状態にあることも、触覚で適切に刺激を感じ取り、姿勢に変化に対応する重要な要因と言えます。

【まとめ

さて、本日のまとめです!

結論:姿勢変化には末梢からの適切な感覚入力を感知することが大事!
さらに、触覚が適切に機能するには表皮中でのタンパク質の分泌が重要!

表皮中でタンパク質が分泌されるには、まず組織再生(リモデリング)を行える環境が必要です。
そのためには、各組織が円滑にすべり動き、局所へ血液が循環することが重要となります。

引用元:文献(2)    Fig.5

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*参考・引用資料

( 1 )  後藤 淳.感覚入力における姿勢変化.J. Kansai Phys. Ther. 2010. 10. 5–14.
( 2 )  Carla Stecco, Robert Stern, Andrea Porzionato etc.Hyaluronan within fascia in the etiology of myofascial pain. Anatomia Clinica.2011. 33(10).891-6·

( 3 ) 理化学研究所, 新潟医療福祉大学.皮膚で触覚が生まれる仕組みの一端を解明-表皮幹細胞が感覚神経をコントロールしている-.2018年11月28日.

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

IAIR国際事業部

吉田頌平

【著者プロフィール】

2012年4月:作業療法士免許を取得
6月:カナダへ留学

2012年9月〜2013年9月:
カナダのクリニックへ
1年間勤務したのちに帰国

2013年12月〜:
急性期〜生活期の方々を対象に
整形外科の病院・クリニックへ勤務

現在:
IAIR関東支部で
インストラクターを務める傍で

国際事業部を担当しており、
IAIRの国際化を推進しています。


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