経験年数相応の行動が求められる?【5年目を過ぎた療法士の君へ】(13)

療法士30万人時代を間近に迎えるなか、臨床現場の教育に変化が求められています。

ですが、現場中心の療法士には、教育の為の教育を受けることに難色を示す方もいます。

日々の臨床に追われるなか、後続を育てることに積極的になれない方もいるようです。

経験年数に応じて役割が変わってくるものと思っていましたが、必ずしもそうではないようです。

さて、一体なぜなのでしょう?

今回は「経験年数相応の行動」をテーマに話をしていきます。

 

今回のポイント

  • 臨床経験は量(年数)より質(何をしてきたか)。
  • インターネットにより、他の療法士の経験を追体験できる。
  • 悩みを解決する経験を伝えることがこれからの教育。

 

そもそも経験年数相応って何?

経験年数

いきなりですが、経験年数早々って、一体なんでしょう?

最近になってようやく腑に落ちたのは、経験年数ってあまり関係ないってことです。

かつて母校で卒業生講演のようなことをしたことがあります。その際も「経験年数なんて関係ない」発言をしましたが、教官に即「経験は大事です」と、まとめ直された記憶があります。

たしかに「経験の質」は大事ですが、「経験年数」で区切る価値はどれだけあるのでしょう?

経験年数が高ければ凄い!はインターネットのなかった時代の話ではないでしょうか?

学会に直接行くこと、研修会に行くことにのみ価値が置かれた時代は、情報がそこでしか手に入らなかったからではないでしょうか?

であれば「経験年数=経験の質」が成り立っていたのかもしれません。

 

臨床経験に価値はないのか?

経験

「経験年数に価値はない」と断じてしまうと、関係各所からまた怒られてしまいそうですね。

当時の教官が言っていた通り「経験は大事」です。先に言った通り「経験の質」が鍵となります。

現場から離れ、このように文章で様々なことを紹介するようになった今だからこそ、臨床「経験の質」を考えてしまします。当時からジャーナルに触れ、学会に積極的に参加することで、当時の行動に当時の学術的側面や背景で補強できたのだろうと思います。もっとも、そうしていたらこの場であなたにこのようなことをお伝えしていなかったでしょうが。

後悔で言っているのではなく、あくまで「そのような選択肢もあった」ことと「経験年数が浅い時期の経験で未来が変わる」という話です。臨床寄りの経験を重ねるのか、組織経営などの経験を重ねるかで、僕の今は別な色を見せていただろうというだけの話。それもまた臨床経験であり、重点をどこに傾けたのか、というだけです。

今や、このような過去の話をインターネット上で知ることができる時代。誰かの経験が、あなたや未来の療法士の選択肢につながることでしょう。

 

改めて、経験年数相応とは?その行動とは?

手を挿し伸べる

教育の話から始まっていながら、経験年数の話をしてきたのには理由があります。

経験年数を重ねていながら、後続の教育に力をかけられない人にはある傾向があるのではないかと考えたからです。

古い社会心理学実験ですが、1973年プリンストン大学のバトソンとダーリーは、知識があるかどうかで人助けをする可能性に差はでなかったが、より急いでいる者は手を差し伸べることが著しく少なかったそうです。

また、エモリー大学の神経科学者バーケットの研究に基づくと、ストレスや苦痛を経験している人に共感すると、その共感そのものが苦痛になり、共感を避ける傾向にあるそうです。

どうやら、いまだに「臨床実習」とグーグル検索をすると、「臨床実習 辛い」が上がって来ます。

過去の辛い経験をそれぞれしており、かつ目の前にいる後続の療法士や療法士の卵が悩む姿を見てしまう。だからこそ共感することを避けてしまうのかもしれませんね。

では、どうするか、ですよね。

経験年数を重ねたということは、過去のあなたの辛い経験は、パズルのピースのたった一つでしかありません。

それを踏まえて、目の前の後輩や学生さん、次代の療法士に辛い経験をさせず、悩みが解決に向かうよう、支援していくことが鍵だと考えます。

それを言語化し、表現することこそが「経験の質」を表すことではないでしょうか。

これは経験を重ねたあなただからできることです。

 

ざっくりまとめると

ざっくりまとめると、

  • 臨床経験は量(年数)より質(何をしてきたか)。
  • インターネットにより、他の療法士の経験を追体験できる。
  • 悩みを解決する経験を伝えることがこれからの教育。

これら3つになります。

少々共感に対してネガティブな部分を切り取って話してしまった気もします。

ですが、あなたのこれからの臨床経験の質を変えるきっかけとなれば幸いです。

副会長齋藤信
IAIR 齋藤 信

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齋藤 信

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精神科作業療法に従事する。そのなか、臨床実習指導と院内改善指導に携わり、統合的な視点で医療の質向上をマネジメントする取組みを10年にわたり行ってきた。 IAIRに参加することで、病ではなく人をみる視点を手に入れ、同時に組織も人と同じく、病を抱えていることに気づく。共に育む「共育」をテーマに、療法士一人一人が組織に関わるための多角的な視点を持てるよう、人財育成とマネジメントに関する発信を行っている。
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