触診は「深める」よりも「深まる」くらいが丁度いい【国際事業部 Step.67】

IAIR(国際統合リハビリテーション協会)
国際事業部より

 

ハロー!
IAIR国際事業部 所属の
吉田頌平です。

本日のテーマは、「触診の質」です。

触診というと、ランドマークの見つけ方のような身体の特徴を把握するためだったり、筋や皮膚の硬さをたしかめるためだったり、筋膜と筋へのアプローチを分けて行うためなどで活用されますよね。

この触診というもの、経験年数を重ねていくたびに『奥が深いなぁ〜』と感じさせる技術のひとつだと思いますが、
今回は、アプローチするターゲットを筋膜と筋、関節それぞれに意識を変えていく時に求められる『触診の深さ』についてお伝えいたします。

 

【触診の深さとは】

そもそも『触診の深さ』とはなんでしょう?
バイオメカニクスの分野では「硬さ」が指標とされることが多いです。

有馬(1 の検証によれば、

・押す速度
・押す深さ(文中では押し込む距離と表現)
・押す角度

以上の3つに基づいて、ひとは指先などで触診の深さを感知していることが示唆されています。

どういうことかと言いますと、
たとえば上腕骨・大結節のあたりだと球状の丸みがありますが、背部だと平面に近いなだらかにカーブした形状がありますよね。そして背部の中央には脊柱の棘突起があり、部分的に盛り上がっている感触が得られると思います。

大結節、背部全体、脊柱の棘突起をそれぞれ触るとき、「どこだろうな〜」っといろんな角度から触り分けませんか?

そして、背部全体を触るときと、脊柱の棘突起を触るときでは、触る力加減は大きく変わってくると思います。
特に大結節は、棘上筋や棘下筋など回旋筋腱板が付着し、さらに三角筋中・後部繊維が表層を覆う構造をしています。

筋をいきなりギュッと押されると、痛いですよね?

ですので大結節を触るときには、筋を触っているのか、骨を触っているのか、押す深さを確認しつつ、
筋の痛みが出ないように押す速度を調整して触診する必要がある、ということです。

このように、硬さを指標に組織の表層・深層を触り分けるためには

・押す速度
・押す深さ(文中では押し込む距離と表現)
・押す角度

が重要になります。

【臨床で求められる深さ】

ところで、先ほど大結節を触れるときに「急にギュッと触りにいくと、痛みが発生する」とお伝えしましたね。

普段あまり感じない圧力が筋に加わると、身体は非常事態と認識してその筋を縮めたり、圧力から逃げるような反応を起こします。

「防御性収縮」「逃避反応」というものです。

臨床経験5~30年の歯科医師を対象にした鈴木ら(2 の研究では、
立つ位置を計測器の右側・左側・中央の3つに分け、全員利き手で触診圧計測器を押したときの方が押す速度は一定で、圧力のばらつきも少なかったと報告しています。

つまり臨床現場で利用者さんに対して、痛みを感じないように触診をおこなうために、
利き手で触診して押す速度と押す深さを一定に保つことがまず望ましい、ということです。

そして、鈴木の研究に下記のような記述がありました。

触診時の評価に影響を与える因子には性別、心理状態、筋の緊張状態、筋層や皮膚の厚さ、骨格の発達状態等の患者サイドの因子12-17)と、加圧速度、加圧部位、加圧方向、加圧面積等の術者サイドの因子18-20) があるといわれている.

触診は療法士の技術的な要因と同じように、利用者さんと療法士の関係性が大きく影響する。

ここ、ものすごく大切ですね。

臨床で求められる触診の深さは、深い部位まで触れられる触診技術だけでなく、関係性の深さも必要なんですね。

【まとめ

さて、本日のまとめです!

結論:触診は「深く触ってやろう!」よりも「深めていけるかな?」くらいが丁度いい

自分から触りに行こうとするのではなく、
「あ、今はここまで触りに行けそうかな?」っと利用者さんの反応を見ながら、徐々におこなうくらいにすると、触診の質が変わってきますよ!

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*引用資料

( 1 )  有馬 義貴.生体表面硬さの客観化と硬結.バイオメカニズム学会誌.2016.40(2).p. 85-90.

( 2 )  鈴木 千恵子, 大沼 智之, 清水 公夫 他.手指の触診圧に関する研究-術者の位置が加圧速度に及ぼす影響-.補綴誌.1994.38.p. 1205~1211.

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

IAIR国際事業部

吉田頌平

【著者プロフィール】

2012年4月:作業療法士免許を取得
6月:カナダへ留学

2012年9月〜2013年9月:
カナダのクリニックへ
1年間勤務したのちに帰国

2013年12月〜:
急性期〜生活期の方々を対象に
整形外科の病院・クリニックへ勤務

現在:
IAIR関東支部で
インストラクターを務める傍で

国際事業部を担当しており、
IAIRの国際化を推進しています。

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