リハビリ職の未来年表

近い将来、僕たちはリハビリをしていられるのか?【5年目を過ぎた療法士の君へ】(08)

あなたは、24万部売れた「未来の年表」と言う本を読みましたか?

「人口減少日本でこれから起きること」の副題通り、人口減少は今の日本の課題ですね。

 

この本に限らず、そこかしこで話題になっています。

せっかくですので、この課題について考えてみませんか?

 

未来年表を引用する!

本の中身を詳しく解説はしません。

各自で読みましょう。

ですが、そこで提示されている人口減少カレンダーを引用させていただきます。

  • 2016年:出生数は100万人を切った。
  • 2017年:「おばあちゃん大国」に変化。
  • 2018年:国立大学が倒産の危機へ。
  • 2019年:IT技術者が不足し始め、技術大国の地位ゆらぐ。
  • 2020年:女性の2人に1人が50歳以上に。
  • 2021年:介護離職が大量発生する。
  • 2022年:「ひとり暮らし社会」が本格化する。
  • 2023年:企業の人件費がピークを迎え、経営を苦しめる。
  • 2024年:3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国」へ。
  • 2025年:ついに東京都も人口減少。
  • 2026年:認知症患者が700万人規模に。
  • 2027年:輸血用血液が不足する。
  • 2030年:百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える。
  • 2033年:全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる。
  • 2035年:「未婚大国」が誕生する。
  • 2039年:深刻な火葬場不足に陥る。
  • 2040年:自治体の半数が消滅の危機に。
  • 2042年:高齢者人口が約4000万人とピークに。
  • 2045年:東京都の3人に1人が高齢者に。
  • 2050年:政界的な食料争奪戦に巻き込まれる。
  • 2065年~:外国人が無人の国土を占拠する。

と、なかなか大変な年表ですね。

ですが、まだまだ20代~30代前半?のあなたにとって、現実感があまりないのかもしれません。

そこで、新たにこんな表を作ってみました。

 

臨床5年目になるあなたの未来年表

未来年表

さて、いががでしょう?

モデルとして、今年27歳、29歳、35歳の方達の年齢や経験年数の推移も載せてみました。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の部分は、まあ、齋藤の独断と偏見です。

 

これまで具体的に考えたことがなかった方には、愕然とする表かもしれませんね。

 

この表からすると、今5年目の皆さんが13年目……ベテランになる頃には、認知症患者が700万人。
リハビリのメインは認知症の方になりそうですね。

 

リハ職人口が35万人まで増えても一人につき20人の認知症患者を担当する計算ですね。
まあ、この数字はアテにはなりませんが。

 

もっと夢のある未来はないのか?

さてさて、あまりにガッカリな年表でしたね。

そこでまた別な本を引っ張り出してみました。「驚愕!日本の未来年表」という本です。

医療面での技術革新について少しだけ触れられていました。

それを載せてみたのですが……むむむ。

未来年表

随所にロボットやドローンの活用がみられますね。

人口が減少する分、落合陽一氏らも「ロボットによる労働力の確保が始まる」と話していました。

 

僕が面白いと思ったのは、2025年周辺で起こる「スマホ通院者が実際の病院来院者数を超える」という話。

先日、日経新聞で北海道内の有料老人ホームにてリハビリ成果をウェアラブル端末で計測し、意欲の向上につなげる取り組みについて紹介されてました。

ウェアラブル端末で健康管理を各人がしていく時代は目前なのかもしれませんね。

 

正直未来の事はわからない!

さてさて、話題になるかと表を作ってみたものの、悩ましいですね。

これを元に「じゃあ、こうすればいいんだよ!」という提案もどうなんでしょうね。

実際にその時にならないとワカラナイ現実がたくさん出てくる事でしょう。

でも、だからといって思考停止するのだけはNGです。

一つ一つ、関連付け、想定していく。

  • 臨床10年目。人件費がピークになり、経営悪化が始まるなら、税収が落ち込むかもしれない。
  • 税収が落ち込めば、5年目の今の診療報酬は維持されるのか?
  • 維持されなくなった時、成果として認められないリハの減算はより加速するのでは?
  • 成果主義になった時、その評価はどうやってやる?退院数や介護量の減少がそれか?
  • そもそも、院内で行うリハはもっと削減されるのでは?
  • 維持期のリハは病院内から消えるのでは?

などなど……

予想というより妄想ですね。

 

とはいえ、妄想した後、どう行動するかが大事ですね。

 

先の見えない今、何をするか?

だったら先の見えない今、どう行動するかが課題になりますね。

そこで提案したいのは症例検討です。

(おっと、いきなり嫌な顔をしないでください)

 

IAIR認定講座の2日間構成の講義では、2日目に症例検討を入れたりします。

というのも、技術を学んだ後、どんな方に使って、どんな変化があったのか、その方の生活はどのように変化したのか、などを共有するためなのですが……

 

「思考体力をつけていく」ことも目的です。

いまだに現場では「研究するなら職場をやめろ」とか「俺の考えに染まらないならこっちにも考えがある」的なことを言われるそうです。

それが原因で、職場内で右倣え、郷に入っては郷に従え、黒いカラスも白くなる、と強制シャットダウン、強制思考停止になりやすくなっては、この先自分で考えてリハビリを組み立てていける……人生を相手と一緒にデザインできる療法士でいられなくなります。

なので……考えることを諦めないでくださいね。

考えることを諦めない人……思考体力のある人が、これからのリハビリ業界で生き残っていく人でしょうから。

副会長齋藤信
IAIR副会長 齋藤 信

追伸:症例検討つきの講義を開講中!

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触診講座>>> https://iairjapan.jp/touch

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齋藤 信

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精神科作業療法に従事する。そのなか、臨床実習指導と院内改善指導に携わり、統合的な視点で医療の質向上をマネジメントする取組みを10年にわたり行ってきた。 IAIRに参加することで、病ではなく人をみる視点を手に入れ、同時に組織も人と同じく、病を抱えていることに気づく。共に育む「共育」をテーマに、療法士一人一人が組織に関わるための多角的な視点を持てるよう、人財育成とマネジメントに関する発信を行っている。
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