身体機能をADL改善につなげる、3つのポイントとは?【身体機能と生活 Vol.4】

身体機能をADL改善につなげる、3つのポイントとは?【身体機能と生活 Vol.4】

▼目次

 

ハロー!吉田です。

【身体機能と生活】をテーマにコラムをお届けしています。
(プロフィールは最下部をご覧ください。)

今回のキーワードは、「ADL改善」です。

機能訓練をくりかえし行ううちに、だんだん生活を見る視点が減ってくることってありませんか?

起居動作、更衣、整容、トイレ動作、入浴などのADLを評価して、
肩の動きがスムーズじゃないな…と分析して、
「よし、肩のROM改善を方針にプログラムをやってみよう!」

と考えてたはずが…

いつの間にか肩ROMの角度を気にするばかりになって、
申し送りシートを作成する頃になって
「しまった…ADLの遂行状況をしばらく評価してなかった…」

私はよく、こんな状況になってました。
つい目の前の肩の動きに、考えが偏っていたんですね。

角度の改善やBarthel Indexスコアの改善など「量的評価」を意識した機能訓練に偏り、私は機能訓練の「質的評価」を見落としていました。
そして、この状況を脳科学的に考えると、ADL改善のための重要な要素がぽっかり抜け落ちてしまってたんです。

今回は、この私の事例をもとに、ADL改善に向けたプログラム立案について再考していきます。

 

機能訓練の基本方針は?


先ほど挙げた私の例でいうと、確かにADLでは肩の動きは大事です。
結帯動作や頭を洗うときのように、ADLでは肩の屈伸・内外転・内外旋を複合的に活用することがほとんどですから。

ですが、機能訓練で重要なのは角度そのものの改善ではありません。

機能訓練からADL改善につなげるためには、以下の3つがポイントになります。

    1. 機能訓練の段階で、痛みを感じずに関節を動かせること
    2. 生活の中で手を使えること
    3. 作業を楽しみながら行えること

関節の機能訓練のポイントは、「痛みなく、気持ちよく動かせることを再認識すること」にあります。痛くないから可動域が拡大していくんです。
生活の中で手を使うことは、肩・肘・手関節・手指を連動して活用することでもあるので、ひとつひとつの関節を痛みなく滑らかに動かせることで実現できます。

動かして痛かったら、動かしたくないですよね?

ここまで見ていくと、「じゃあ3. は別になくてもいいじゃん!」と思いますが
実は身体機能を生活につなげていくためにとっても重要なんです。

3.はホントに見過ごしやすいポイントなので、チェックしてみてくださいね!

 

身体機能を生活に活かすには?


ここでまた私の例に戻りますね。

私は肩の機能訓練に注力していましたが、機能訓練に取り組む時に、
「ちょっとずつできることが増えてきた!」と思えるのと
ただ淡々と肩の機能訓練を続けるだけだと……どちらのほうが続けたいと思いますか?

多くの方の場合、「ちょっとずつできることが増えてきた!」と感じられるほうが続けたくなりませんか?
理由はシンプルに、「楽しいから」。

人は「楽しい!」「気持ちいい!」と思えることを継続できます。
そして「楽しい!」と思えるのは、「なりたい自分の姿」に近づいていることを実感できた時です。

 

リハビリを楽しんでいますか?


利用者さんの主訴を傾聴し、作業療法プログラムを考えると思いますが、聴くことに意味があるわけではなくて
『利用者さん自身が「なりたい自分の姿」を明確にイメージできるか』を確認することに意味があります。

そして、「なりたい自分の姿」に近づいていると実感できる毎回のショートゴール達成があって、作業療法プラグラムがADL改善に活きていくんです。

先に出した私の例では、利用者さんが「なりたい自分の姿」をイメージできる時間が圧倒的に足りてなかったんです。
だからリハビリが楽しくないし、もちろん生活もあまり変わらない。
そうなると、私も残念でしょうがない…
こんな悪循環に陥っていたんですね。

利用者さんの生活が変わらないし、このまま今のリハビリを続けていいのか…と感じた時は、
『利用者さんが楽しんで作業療法プログラムを実践されているか?』を評価してみてはどうでしょうか?

最後までお読みいただきまして、
ありがとうございます。

一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
OT  吉田頌平

 

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《プロフィール》
整形外科分野にて超急性期~生活期・維持期のリハビリを担当しており、『患者さんの生活に寄り添うリハビリテーション』をテーマに活動している。
ポーカーフェイスから『とっつきにくい人』と思われがちなため、「少しでも話しやすい雰囲気を感じてもらえるように」と思いを込めた、オレンジ色のネクタイがトレードマーク。

参考文献

1)  高原 信二 他.日常生活動作における肩関節周囲筋群の筋活動について.第48回日本理学療法学術大会 抄録集.2013.40(2). pp. 48100256-48100256.

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