5年目からわかってきた、肩の動きに囚われていると生活は変わらないと。【身体機能と生活のつながり Vol.2】

▼目次

 

ハロー!吉田です。

【身体機能と生活】をテーマにコラムをお届けしています。
(プロフィールは最下部をご覧ください。)

今回のキーワードは、「脱力」です。

私は6年目になりますが、正直5年目に入るまで
肩がうまく動かせない方の全身の動きと
肩の部分的な動きとをまとめられてなかったと思います。

「確かに姿勢って大事なのはわかるんだけど、
肩にどう影響するんだ??」

「猫背っぽい姿勢だったらインピンジメントを起こすって
理屈ではわかるんだけど、
どこが一番介入しなきゃいけないポイントなんだろう??」

「介入の優先順位が整理できない…」

いつも試行錯誤してました。
本当に悔しかったです。

当時の私は、「肩の介入どうしよう」スパイラルにはまり込んで
実は、一番見なければならない「生活」の部分を含めて
冷静に統合と解釈ができていませんでした。

今回は、当時の私を振り返りながら
キーポイントとなった「脱力」についてお伝えします。

 

当時の私は、何を考えていた??


当時の私の考え方を簡単に説明します。

腕を支える土台となっているのは、体幹と連絡する『鎖骨』と『肩甲骨』。

ここが安定してない状態だと、上腕骨を支える回旋筋腱板が
うまく機能しません。

そして、作業時に肩を挙上すると
肩を内転・内旋させる大胸筋が優位に収縮し、
広背筋や僧帽筋上部も連動して収縮します。

こうなると代償動作でよく見かける、肩をすくめるような姿勢で
肩を動かすことにつながります。

なので、
・大胸筋、広背筋、僧帽筋上部のリリース、リラクゼーション
と合わせて

・肩を動かしやすい状態を意識して、回旋筋腱板の促通
・骨盤の前傾を促通し、姿勢を安定できるように促通

これで動きが変わるはず!!
。。。こんな感じで考えて、機能訓練プログラムを立ててました。

でも、変わんなかったんですよ。
特に、患者さんの生活が。。。

なんでだったんだろう?

 

肩は痛むけど、食事の世話、そば打ち


ちなみに一緒にリハビリをしていた方々は、いずれも回旋筋腱板を損傷し
損傷した筋を縫う関節鏡視下手術を受けられた後でした。
「肩は痛いけど、毎日おじいちゃんの食事の準備や世話(介助)をしなくちゃいけない」
「趣味はそば打ち、年越しそばを打つために毎日そばを切っている」
このような生活を送っていらっしゃる方々でした。

共通していたのは、「肩の動きは度外視して作業を行なっていた」点です。
つまり、代償動作をバリバリ活用して作業を行なっていた、ということ。

適切な筋出力がわからない状況が普通になっていたんです。
どおりで、促通しても動作は変わらなかったワケです。
むしろ、かえって代償動作を強化していたのかも。。。汗

もちろん、各人が大切にされている作業を行うことは大切ですが、
痛みでQOLが低下している現実もありました。

なので、まず痛みなく動く感覚を再認識できるよう
・脱力しながらでも動ける感覚を体験してもらうこと

それから
・痛みがなぜ起こるのか?を、一緒に考えること
・脱力すること、リラックスできる時間が大切であることを認識してもらうこと

この3つを意識して介入できていたらなぁ、と今になって思います。

こうやって見返すと、私自身、肩の動きが変わることに意識を向けすぎて
プログラム立案に力が入りすぎていたなぁ。。。

 

「力抜いて!」では、脱力はできない


とはいえ、患者さんに「力抜いて!」とお願いしても
『力、抜いてるつもりなんだけどな。。。』と戸惑われます。

代償動作に慣れている患者さんの脱力の感覚と
セラピストが触診して感じる脱力の感覚は、
かなり違います。

患者さん自身が脱力できている感覚を認識できるようにするには、
まず「脱力した状態がどんなものか?」を体験する方が効果的です。

なので、いきなり肩に限定して筋のリリース、リラクゼーション、促通を行うプログラムよりも
肩関節と肩と関連する肘、肩甲骨、体幹などが脱力できるように促す方が
結果は違ってくると思いますよ。

5年目になっても『なかなか患者さんの生活が変わんないなぁ。。。』
と感じる時は、プログラムに「患部外から脱力を促す」
加えてみてくださいね。

あ、あと患者さんの生活を見てるかな?っと
少しだけ肩の動きから意識を外してみるのもオススメですよ(๑˃̵ᴗ˂̵)

 

最後までお読みいただきまして、
ありがとうございます。

一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
OT  吉田頌平

 

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《プロフィール》
整形外科分野にて超急性期~生活期・維持期のリハビリを担当しており、『患者さんの生活に寄り添うリハビリテーション』をテーマに活動している。
ポーカーフェイスから『とっつきにくい人』と思われがちなため、「少しでも話しやすい雰囲気を感じてもらえるように」と思いを込めた、オレンジ色のネクタイがトレードマーク。

参考文献

1)  高原 信二 他.日常生活動作における肩関節周囲筋群の筋活動について.第48回日本理学療法学術大会 抄録集.2013.40(2). pp. 48100256-48100256.

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