触診アップデート「基礎と熟達」

From.IAIR 福留良尚

 

 

患者さんを触診するにあたって最も大切なことは、相手(の組織)を感じられるかに尽きます。

 

骨の位置、筋肉の固さや張り、関節を動かした際の抵抗感。

 

「直接触れない」からこそ、我々療法士にとって触診は重要なスキルです。

 

 

 

特にROMの制限因子を把握するためには、角度だけでなくその抵抗感も把握しなければなりません。

 

何がその制限因子なのかを見極めるスキルが必要となります。

 

(参考記事:ROMの「エンドフィール(End feel)」をリハビリに活かす方法。

 

本日は、触診をするにあたって知っておくべき知識について。

 

 

 

解剖学はやはり基本

 

養成校時代に「解剖・運動・生理学は基本」と言われたと思います。

 

確かにそうなんですが、臨床に出て間もない頃は、とにかくリハビリの「型」を覚えるのに必死でした。

 

つまり、20分(40分または60分)の中でどのような流れでリハビリを組み立てれば良いかを模索しながら行うわけです。

 

 

 

余談になりますが、どのような仕事においてもこの「型」は必要です。

 

「型」を学ぶことで、次の段階の「自分の型」が作れるようになると言われています。

 

武道の世界では「守破離」という言葉で、修行の段階を表現しており、「守」で型を学び、「破」で自分の型を探し、「離」で独り立ちすることを意味します。

 

 

 

型を作ることは、リハビリテーションを円滑に提供するために必要なスキルです。

 

しかし、それを先行させる余り「相手を感じる」ということを忘れがちになります。

 

ちょっとひどい例でいえば、力任せにストレッチしたり、無理矢理な介助で歩行をさせたりして、相手の能力を引き出せないケース。

 

 

 

そうならないために「今自分が触れているのは〇〇だ」と意識出来ることが大切です。

 

そこで解剖学の知識が活きてきます。

 

「〇〇に触れる」ということが重要なのではなく、アプローチを行っている時にどの組織を意識しているかを自分が分かることが大切なのです。

 

 

 

運動学は臨床と繋がると面白い

 

関節運動には、滑り運動と転がり運動があります。

 

「凹凸の法則」と言われるもので、関節運動と同方向に転がりが起き、その反対には関節面を滑るというのが原理です。

 

この動きが阻害される因子が、関節の遊びが無くなってしまった状態。

 

 

つまり、関節包による制限のことを指します。

 

 

関節包とは、関節を覆う膜状の袋をイメージしてください。

 

この袋が掃除機で空気を吸われて、ピタッとくっついてしまったら?

 

中の骨は動くことが出来なくなります。

 

 

 

関節包の制限によって包内運動が出来なくなった状態が、運動学的な問題です。

 

関節の中で滑り転がり運動をするスペースがない状態という訳です。

 

 

 

直接触れないとは?

 

最初に戻りますが「直接触れない」とはどういうことでしょうか?

 

例えばROM-EXをしている時、動かしているのは骨だと思いますが、実際触れているのは皮膚です。

 

皮膚の上から骨を触っていますし、もっと言えば筋肉の張りやEnd feelも皮膚の上から感じているでしょう。

 

 

 

更に考えて欲しいのは、皮膚の下には皮下組織と言われる脂肪の層があります。

 

骨や筋肉はそれぞれを覆う軟部組織の膜に覆われています。

 

骨の周辺には血管や神経も通っています。

 

 

 

何気なく触れている患者さんの体は、何層にも渡って組織が重なっています。

 

 

養成校で学ぶことは、骨のランドマーク、筋の起始停止、せいぜいEnd feelまでです。

 

それも臨床に出て少しずつ整合性が取れていくレベルですから、膜とか神経と言われてもピンとは来ないでしょう。

 

ですが、事実として触っているんですよね。

 

 

 

ヒトの触診のスキルは機械にも負けない

 

かの有名なロールス・ロイス(英国の高級車で価格は4000万円を超える)の作業には、機械ではなくヒトの皮膚感覚を頼りに行う部分があるそうです。

 

やすり掛けや磨きと言った作業は、そのミクロサイズの凸凹を識別するために機械ではなくヒトが行っているのです。

 

4000万円以上の車を、最後はヒトの手を頼りに磨き上げていくと考えれば、その職人さんたちがどれだけ繊細で熟達した感覚を持っているかは想像に難くないでしょう。

 

 

 

我々療法士もその触診技術を持つことは、同じヒトなので可能なはずです。

 

そのためには解剖学的な知識と、運動学的な判断指標を持っているか、そして毎日それを意識しながら一人一人のリハビリテーションに従事しているかだと思います。

 

 

触診セミナーはTune upセミナーと

併せて受講することを強くお勧めしています。

 

 

相手の繊細な情報をキャッチする=触診

相手に繊細な情報を伝える=Tune up

 

療法士としてのステップアップに必要な研修会ですので是非!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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国際統合リハビリテーション協会【IAIR】

理事 九州地区代表 理学療法士

福留 良尚

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国際統合リハビリテーション協会常任理事 IAIR九州専任講師 理学療法士 コンディショニングサロン仁愛クリニカルルーム代表 3児の父 
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