ストレッチング(以下、ストレッチ)は、
筋の過緊張の改善目的や、
身体の柔軟性を取り戻したいときなどに
良く利用されるプログラムの一つかと思います。
臨床でも良く利用される
ハムストリングスのストレッチ!
ストレッチをするとき、
対象の方にどのような声かけをしていますか?
・・
・・
・・
何かしら声かけをしながら行うと思いますが、
いかがでしょうか?
・・
・・
・・
「では、腿の裏を一緒に伸ばしましょう!
「(手で触れて)ここをストレッチしましょう!」
「張りが感じるところまでゆっくり伸ばしましょう!」
など
・・
・・
・・
その結果、
可動域が上がったり、筋の緊張がゆるんだりと
効果がすぐに確認できた場合は、
いいのですが、
もし、効果がすぐに実感できなかったり、
結果が出ていない場合には、
あなたの声かけの仕方を変えることで
より良い結果がでるかもしれません。
◇ストレッチは無駄。もともと体が硬いです。
なかなか効果が出ないときに、
臨床で良く聞く言葉で
「私は、もともと体が硬いです」
という方がいらっしゃいます。
しかし、丁寧に確認してみると
ストレッチの方法が適切ではなかったり、
継続的な努力をされていない方が殆どです。
生まれた時から
体が硬い人はいないはずです。
その後の
生活習慣、運動習慣などによって
今の体が出来上がっているのです。
継続的に正しい方法で努力されている方は、
体の柔軟性は、確実に向上しています。
・・
・・
では、
ストレッチを行う際の「声かけ」による差を
3種類の方法で実際に感じてみましょう!
◇1.頸部の側屈
まず、一つ目。
座位、または立位で正面を向いて
頸部を左に側屈します。
その時の(自分への)声かけ、
その1)
「首の右の筋をストレッチします
ゆっくり首を左に倒しましょう!
・・
・・
ありがとうございます。
このときの左への倒れ具合や
右首の張り感を覚えておいて下さい。
では、次です。
その2)
「首を左に倒しますが
その時、左の首の横が縮まる
イメージでお願いします。
では、首を左に倒しましょう!
・・
・・
はい、ありがとうございます。
・・
・・
いかがでしょうか?
その1)
と
その2)
どちらが楽に感じましたか?
どんな違いがありましたか?
・・
・・
◇2.立位での前屈
今度は、立位で前屈をしてみましょう。
その1)
「腿の裏をストレッチします」
「ここ(大腿後面)が伸びる感じで
ゆっくり前屈しましょう」
・・
・・
はい、ありがとうございます。
このときの
床との距離を、
腿の張り感を覚えておいて下さい。
では、次です。
その2)
「鼠蹊部が縮んでいくのをイメージして
前屈してみましょう!」
・・
・・
では、お願いします。
・・
・・
はい、ありがとうございます。
・・
・・
いかがでしょうか?
その1)
と
その2)
どちらが楽に感じましたか?
どちらが、床に届きやすくなりましたか?
・・
・・
◇3.ハムストリングスの受動的ストレッチ
次は、背臥位で受動的なストレッチの場面を
考えてみましょう
その1)
「では、腿の裏をストレッチしますね」
という声かけでSLRをする。
・・
・・
目測で角度を計測する。
・・
・・
その2)
「鼠蹊部が縮まるイメージで
一緒に動かしましょう」
という声かけでSLRをする
・・
・・
目測で角度を計測する。
・・
・・
いかがでしょうか?
その1)
と
その2)
どちらのSLRの角度が大きかったですか?
◇声かけによる違いは?
以上、
1.頸部の側屈
2.体幹の前屈
3.背臥位でのSLR
において、
声かけの違いを感じていただきました。
3は、今すぐできなかったと思いますので、
次回機会がありましたら
確認していただければと思います。
先日、私がお会いした方からは、
「え!!こんなに違うんだ!!」
「人ってこんなことで変わるんだ!」
とかなり驚かれていました。
◇どこにフォーカスするか?
前回のメルマガ
で、
【痛い や カタいは、
意識した途端に増強してしまいます】
【変化にフォーカスしてみましょう】
とお伝えしました。
今回の内容も
ハムストリンクグスを例にとると、
「ハムストリンクスをストレッチしましょう!」
という声かけをすると
カタい
に、ファーカスすることになり、
硬さが増強することが考えられます。
その反対が「縮む」ことを
意識していただくことは、
動きを意識していることになります。
生理学的には、
相反抑制が関与していることも
考えられます。。。
◇一つ一つ検証を
改めて、
ストレッチをする場面で、
ストレッチの対象となる部分を
意識していただく声かけをして
いることはありませんか?
正直、私もそのような声かけを
していたことがあります。
今回は、ハムストリングスのストレッチを例に
声かけによる違いについてお伝えしてきましたが、
我々が何気なく使っている
一言。
その一言の声かけによって
不必要な筋の緊張を
生んでいる可能性もあります。
そんな、不必要な結果を生まないためにも
いつも、 謙虚 に、
そして、 好奇心 をもって
検証を重ねていきたいですね。
すべての人々の“ハッピー”のために。
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複合的腰痛アプローチ
IAIR Lumber back Pain Technology(ILPT)主宰
赤羽秀徳
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