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ハロー!吉田です。

今回より、テーマを【身体機能と生活】に定めて
コラムをお届けして参ります。

今回のキーワードは、「肩の挙上」です。

よく患者さんの生活でも、評価項目でも重要視される「肩の挙上」。
そういえばADL場面でも、例えば「座って手を挙げること」と「座って食事をすること」の二つの意味を区別せずに「肩の挙上」として、まとめて評価していたりしませんか?

今回のコラムでは、この2種類の正体と違いを解明します!

 

「肩の挙上」は何を示している?

過去の自分のカルテや、同僚のPTのカルテを読んでいて
ふと、気づいたんです。

「なんで箸で食事をすることと肩の挙上動作が一緒に考えられているんだろう……」

ADLに合わせて細かく動作分析の様子をカルテに書き込むことはあまりありませんが、
これは無意識に「上肢機能」に注目している共通点があるから、と思ってました。

そして、改めて代行でリハビリに入らせてもらったとき、気づきました。

「なんか、上肢機能の意味が区別されていない…?」

私は「肩の挙上は、動作とADL両面での共通の問題点としてカルテに記載されている」という結論を出していたのですが、
知らず知らずのうちに、この辺りがごちゃ混ぜになって訳が分からなくなることがあるようです。

今回は、動作とADLの違いを、食事場面の身体動作に沿って解説いたします。

 

 

違いの正体は「持続」

そもそも座位での肩の挙上と座位でのADLっていったい何が違うんでしょう。

「動作」というのは「何かを行うために、身体を動かすこと」という意味。
対して「姿勢」というのは「重力に対してバランスを取っている時の身体の姿」という意味。
ADLでは、このどちらも重視されますよね。

つまり動作とADLでは、重力のもとでバランスを保つことが共通しているようです。
両者の違いは、「瞬間的な身体の動き」なのか「身体を持続して支えている」のかが違う、
ということのようです。

 

食事を例に、もうちょっと具体的に考えてみます。

例えば、「食事をしようと、座ったままお膳の小鉢に箸を伸ばす」ときの上肢では、
・座った状態から箸をもつ上肢を持ち上げ(肘屈曲位で肩を屈曲し)、
・小鉢に向かって手を伸ばし(肩甲骨を外転しつつ前腕回内+箸のつまみ操作)、
・おかずを箸でつまんで(上肢全体の巧緻動作+肩・肩甲骨の空間保持)、
・口元へ運ぶ(上肢全体の巧緻動作+肩・肩甲骨の空間保持+口腔内への食物移動)
という動きが発生しますよね。

「肩を挙上すること」だけでなく、
「腕を落ちないように支えながら指先でものをつまむこと」
並行して求められていることがわかりますね!

 

動作とADL、それぞれの特徴

動作とADLの特徴を、もう少し掘り下げてみます。

 

関節内のスムーズな動きが求められる「動作」

動作は関節内で、骨と骨がぶつからないように動かせる状態で行われます。
肩関節の場合、上腕骨・肩甲骨・鎖骨などが連動し、上腕骨が肩甲骨と衝突しないように動くことで
最大限まで動かすことができるようになりますよね。

動作の時に求められるのは、主に「筋出力」です。

 

 

身体全体のバランスを保ちながら目的達成のために動く「ADL」

ADLは身体のバランスを失わないように、全身の動作を調整しながら
やろうとしていることを達成する一連の動きを指します。

食事場面では、先に書いた肩関節の動きを微調整しながら
前腕や手指を使って、おかずを箸でつまんだり、みそ汁の入ったお椀を持つことが挙げられます。

箸で勢いよく挟むだけだと、おみそ汁に入っている豆腐はつまめませんし
口元にお椀をうまく寄せられなければ、おみそ汁をダバダバ〜っとこぼしちゃいますよね。

なので、ADLの時に求められるのは、主に「筋持久力」「微細な関節運動」です。
高原ら(1 も、「箸で食べる」行為では
棘上筋・ 棘下筋・三角筋(前部線維)・上腕二頭筋の4筋の活動は低かったと述べています。

 

 

 

どおりで、動作訓練を続けても、なかなかADLにつながらなかったわけですね(整形外科クリニックでのリハビリを行っているため、動作訓練が多い)。

特性を理解して、上手に「動作」と「ADL」の評価の視点を使い分けましょう!

ちなみに、感覚や目的を含めた認知ももちろん含まれますが、今回は身体の動きに焦点を当てているということで
端折っているところはご勘弁ください(๑˃̵ᴗ˂̵)

 

 

最後までお読みいただきまして、
ありがとうございます!

一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
OT  吉田頌平

 

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《プロフィール》
整形外科分野にて超急性期~生活期・維持期のリハビリを担当しており、『患者さんの生活に寄り添うリハビリテーション』をテーマに活動している。
ポーカーフェイスから『とっつきにくい人』と思われがちなため、「少しでも話しやすい雰囲気を感じてもらえるように」と思いを込めた、オレンジ色のネクタイがトレードマーク。

参考文献

1)  高原 信二 他.日常生活動作における肩関節周囲筋群の筋活動について.第48回日本理学療法学術大会 抄録集.2013.40(2). pp. 48100256-48100256.

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