From.IAIR 福留良尚
関東地域で開催されたIRF2018にて、「療法士のための起業入門講座」というテーマで講演をさせていただきました。
天候によって来場することが叶わなかった方もいらっしゃいましたが、無事閉会まで迎えられてホッとした次第です。
今回の講演では、何も「みんな起業しようぜ!」ということを言いたかったのではありません。
副題として「理学療法士が起業して経験した天国と地獄」と付けたように、
- 楽しい面と大変な面があったこと
- これからの療法士は起業をするにしろしないにしろ多様性が求められていること
- その上でオンリーワンの療法士が求められていること
今回のコラムでは、オンリーワンの療法士になるための一つの方法について、講演でお話した内容とリンクするようにお伝えしていきます。
多様性とは?
コチラのニュースはご覧になられたでしょうか?
「訪問介護の間にペットの世話も可 厚労省がルール明確化」
リンク>>>https://www.asahi.com/articles/ASL9X6538L9XUTFK025.html
本文には「これまでは保険外サービスの提供について明確なルールがなく、自治体が認めるサービスの範囲に差があった。厚労省の担当者は『ルールが明確になることで、介護事業者が保険外サービスにも乗り出しやすくなり、利用者にとっての選択肢も広がる』と話す。」と書かれています。
現場ではどのような状況か、訪問リハに従事する療法士に聞いてみました。
「私の職場のある市は、人口五万人あたりに10店舗のステーションがある激戦区であり、他ステーションとの差別化を図るためにも、あくまで『サービス』として対応可能な要望には極力応えることを推奨しています。」
「ヘルパー事業所も併設していますが、スタッフをトラブルから守るために、制度に則して『できること、できないこと』は常にスタッフの皆さんで確認されています。『○○さんはしてくれたのに…』となり、サービス担当者が限定されると運営にも支障がでますので、業務内容の統一には会社全体で力を入れているところです」
「現状は『自立支援目的』以外でのサービス利用はできなくなってきています。(調理、掃除を『協力して行う』等あくまで生活動作獲得へ向けた位置付け)そうなると、その中では手の届かないところへの提供になるのでしょうね。もし訪問リハの時間にそういった内容が頻繁にあるのであれば、再度アセスメントからのプラン内の見直しが必要な場合もあるかもしれません。」
このように見るとリハビリの現場でも、サービスとして求められている現状がありそうですが、まだまだ提供できる状況になるには時間が掛かりそうです。
そして、個人的に重視しているのは何も「制度的に提供出来るか出来ないか?」ということではなく、それらのニーズが利用者さんにはあるということを察する能力だと思います。
つまり、利用者さんやそのご家族が潜在的に困っていることを見つけられる能力です。
今保険外リハビリサービスとして注目されている「脳梗塞リハビリセンター」さんのように、保険制度としては180日を超えてリハビリを受ける場合には制限が発生するケースに対して、「自費ではあるけどご本人が納得いくまでリハビリが受けられる」というサービスが、患者さんのニーズとマッチしたからこそ急成長していると言えます。
この、お客さん(あえてそう呼びますが)の声にならない声と、制度内では対応しきらないところに、療法士が提供できるサービスの可能性があるのではないかと感じます。
それを察する能力をEQ(Emotional Intelligence Quotient)と言います。
「EQとは、心の知能 (英: Emotional Intelligence、EI) を測定する指標である。心の知能とは、自己や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする知能を指す。」 Wikipediaより
この能力を持っている療法士は、これから必要とされていくでしょう。
患者さん利用者さんだけでなく、職場の中でも後輩教育や学生指導、リハビリ科内の調整といった、【 人の心を汲み取る必要がある仕事 】には、必ずこの能力が必須になります。
それを育んでいるでしょうか?その方法をご存知でしょうか?
今後技術だけでなく、人(の心)を見れる療法士が必要だとヒシヒシと感じます。
IAIRでは、疾患ではなく【 人を見れる 】【 多様性を把握できる 】療法士の育成を行っております。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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国際統合リハビリテーション協会【IAIR】
理事 九州地区代表 理学療法士
福留 良尚
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