立位で腹横筋が活動する条件って?【理学療法 実践の手引き Vol.66】

皆さんこんにちは。

IAIR関東の藤田智史です。

 

重力下での活動

多くの身体活動は重力下において行われ、

体幹の安定性に関与すると考えていられる腹横筋活動は
立位においても重要な因子であるとされることが多いです。

もちろん腹横筋のみで身体を支えられるわけではなく、
他のインナーマッスルやアウターマッスルすべての活動は必要になってきます。

 

とは言え腹横筋の活動に着目されている文献も多いです。

腹横筋というと、背臥位で膝を立ててお腹をへこませるという事で
トレーニングというものはよく見かけるのではないのでしょうか?

 

では、へこませるだけが腹横筋が働く条件なのでしょうか?

 

加えて、立位…抗重力下で働く条件はどのようなものになると思いますか?

 

健常成人に対して行われた2つの研究を参考に
立位で働く条件を模索していきたいかと思います。

 

立位での腹横筋の活動研究

1)の報告によると。

<背臥位><立位><背伸び><ぶら下がり>の4姿勢での腹横筋の筋圧を測定した研究では

背臥位3.08±0.6mm、立位4.33±1.13mm、
背伸び5.07±0.97mm、ぶら下がり2.57±0.43mm

・背臥位に比べ、立位・背伸びでは有意に筋厚は増加。
・立位に比べ背伸びで有意に筋厚は増加。
・ぶら下がりは、立位・背伸びに比べ有意に筋厚の減少。

上記のような結果になったとしています。

 

また、2)の報告では。

安静立位:A群。

両上肢90°屈曲位で1kgの重りを把持:B群。

左下肢に1kgの重りを付け側屈負荷をかけた右片脚立位:C群

脊柱・体幹の頭側への伸張:D群
(ハーフサイズのストレッチポールを両上肢で把持して頭頂に載せ真下に押し、
それに抗するように頭部を押し返す運動)

 

・筋厚(中央値(単位mm))

A群3.9(3.5-4.5)mm  B群4.3(3.9-5.1)mm  C群:4.9(4.4-6.2)mm  D群 5.9(5.2-7.0)mm
という結果となり

・有意差を認めた項目 はA:C(P<0. 05)  A:D(P<0.01)  B:D(P<0.05)の3群間。

 

研究結果から考えられること

これらの結果から、

『支持基底面を持つ姿勢かつ、能動的な抗重力方向への脊柱・体幹の伸張活動』

であることが腹横筋の活動が増加する姿勢・条件ではないかと考えられます。

(ぶら下がりでは筋圧が低下しており、
ただ体幹が伸張されるだけでは腹横筋の活動はされないという事が分かります。)

 

また、片脚立位の支持脚側の腹横筋活動も増加しており、重りを利用した側屈負荷に対して、

『体幹を正中位に安定化させる動作』が腹横筋の活動を増加させた要因であると考えられます。

 

他にも、筋電図学的な先行研究では腹横筋は他の腹筋群と異なり体幹の屈曲時のみでなく、
体幹の伸展時にも多裂筋と同様に筋活動が見られることが報告されています3)、4)

 

この2つの研究からは

・外力に対して体幹を正中位に安定させる。

・支持基底面を持ち、能動的に抗重力方向へ脊柱・体幹を伸張する。
(※脊柱、体幹の伸長は体幹の単純な伸展とは分けて考える必要があるかと思います)

これらの活動が腹横筋の活動を高めるといった結果が読み取れるのではないのでしょうか。

 

 

もちろんこれ以外にも、腹横筋活動を高める要素はあるかと思います。

ただ、理想的なアライメント。トレーニングの際に姿勢アライメントにも注意する。

といった我々が普段注意している点は非常に重要なことではないでしょうか?

 

おなかをへこませながらといった方法以外にも、必要な要素はありそうですね。

 

追伸
今回行われていた脊柱・体幹の頭側への伸張は代償が入らないよう注意が必要です。

 

 

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