ハロー!吉田です。

今回は、「便座から立ち上がる時に、どうやったらしっかり踏ん張れますか?」という新人さんからの質問について。

ハムストが硬かったから、SLRを続けてもらった。
SLRの可動域は変わったけど、立ち上がる時に踏ん張れてない。
骨盤ではなくて、腰椎から体幹を屈曲している。

股関節の可動域が広がったあと、どうやったらトイレ動作につなげられるのか?という疑問をよく伺います。

そもそも、骨盤前傾ができないのはハムストリングス の硬さだけなんでしょうか?
今回は、立ち上がる際に骨盤前傾を誘導する評価ポイントを整理します。

 

ハムストリングスは柔らかい方がいい?

骨盤を前傾するには、
まず股関節が屈曲できることが必要ですよね。

と同時に、ハムストリングスの収縮も必要です。

実は、骨盤前傾時には
ハムストリングスが伸長され、
張力は高まり、大きな力を出すことを
棒田ら(1 は報告しています。

結果を要約すると、

左右の骨盤傾斜と股関節内・外旋筋、腰背部筋、ハムストリングスの
柔軟性と筋力の相関関係を調べたところ、

柔軟性と骨盤傾斜に優位な相関関係は見られず、
筋力と骨盤傾斜に相関関係が見られた。
(参考文献(1)より)

そうです。

動作中の骨盤前傾では、ハムストリングスは柔軟性を保ちながら筋力を発揮している状態にあった、ということですね。

SLRだけでは改善しないのは、ハムストリングスの筋力発揮が行えていないからかもしれませんね。

では、どうやったらハムストリングス の筋力を発揮しながら
骨盤前傾を促すことができるのでしょうか?

 

骨盤前傾に必要なこと

ちょっと視点を変えてみましょう。

SLRを自動運動で行った時と、他動運動で行った時に
差はありませんか?
この違いって、なんで起こると思いますか?

自動運動では股関節屈曲筋を活用し、
他動運動では股関節屈曲筋を活用していない
という違いがありますよね。

関節が屈曲するとき、伸展筋は弛緩して伸長するように働きます。
さらに身体を支える必要がある時には、伸展筋は屈曲筋と協調して
筋収縮を保った状態で伸長し、関節を安定させるように働きます。

SLRを自動運動で行う時も同じように、下肢の重みを支えるために
股関節屈曲筋とともに股関節伸展筋(ハムストリングス)が収縮して伸長します。

立ち上がり動作では、主に上半身の重みを股関節で支えながら
骨盤から股関節を屈曲する動きが求められますよね。

つまり骨盤の動きで重要になるのは、
ハムストリングスの柔軟性だけではなく股関節屈曲の筋出力もポイントとなります。

便座から立ち上がる動きであれば、
『軽い抵抗下で体幹を前屈した時、股関節屈曲が行えているか?』
を観察するのも有効です

まとめますと、
SLRでの静的ストレッチでは割と高い角度まで足が上がるのに
なかなか立ち上がれない…という場合は、

ハムストリングスと協調して股関節屈曲筋が機能していない可能性があるため、
座位での体幹・股関節屈曲筋の活用状況を評価してみてください。

最後までお読みいただきまして、
ありがとうございます!

一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
OT  吉田頌平

 

【 講習会情報 】

《 トイレ動作に必要な体幹評価とアプローチ法   


講義内容

  • 立ち上がりに必要な体幹機能
  • 体幹機能の評価と解釈(Finger floor distance (FFD) 検査)
  • 体幹に影響を及ぼす3つの原因(上肢・下肢・体幹深層筋)
  • 問題点に対するアプローチ法
  • 上肢・下肢・体幹深層筋に対するアプローチ

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《プロフィール》
整形外科分野にて超急性期~生活期・維持期のリハビリを担当しており、『患者さんの生活に寄り添うリハビリテーション』をテーマに活動している。
「少しでも話しやすい雰囲気を感じてもらえるように」との思いを込めた、オレンジ色のネクタイがトレードマーク。

参考文献

1)棒田 英明.静止立位姿勢における骨盤の傾斜角度に影響する骨盤周囲筋の柔軟性、筋力、筋硬度について.http://www.waseda.jp/sports/supoka/research/sotsuron2011/1K08A189.pdf

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