脳疲労の新たな回復経路??【国際事業部 Step.55】

IAIR(国際統合リハビリテーション協会)
国際事業部より

 

ハロー!
IAIR国際事業部 所属の
吉田頌平です。

本日のテーマは、「脳疲労」です。

もう頭がパンクしそう!
頑張り続けた時に、こんな状態になったことはありませんか?
それ、脳が疲労している状態です。

脳が疲労すると、思考はもちろん
運動機能も低下するため

リハビリの現場においても、『脳疲労』をケアすることは
とても大事なポイントです。

ですが実は、2016年7月の研究発表が行われるまで
脳疲労の回復メカニズムはあまりよくわかっていませんでした。

今回は、いまだに謎が残る脳疲労の回復メカニズムについて
最新の知見をお伝えいたします。

 

【脳脊髄液は、静脈へ直接排出される】

できるだけ簡潔にお伝えしますので、お付き合いください^^

今回ポイントとなるのは、神経細胞・血管とともに脳を構成する
『グリア細胞(アストロサイト)』の存在です。

もともと神経伝達を行うと考えられていましたが、
詳しい働きについて報告されていませんでした。

平瀬ら(3 の報告ではグリア細胞は3つに大別されています。
・オリゴデンドロサイト
 (神経細胞の髄鞘のようなもの。神経伝達を効率化)
・ミクログリア
 (免疫機能として作用。細胞を貪食する)
・アストロサイト

1年生の時に、生理学の教科書で見た名前が
ズラリ…ですね。
(余談ですが、私はこの時の生理学のテストで赤点を取り、
あまりのヒドさに学長に呼び出されました。)

…はい、本題に戻りましょう!

アストロサイトは、アミノ酸の一種・グルタミン酸と
プロテオグリカンと呼ばれる糖タンパク質を代謝し、
独自の神経伝達活動を行なっていることが示唆されています。

脳内の神経伝達に、タンパク質も重要ということですね。

脳疲労の状態は、このプロテオグリカンや
アルツハイマー病に関係すると言われるアミロイドβなどのタンパク質が
脳内に溜まった状態であると言われてきました。

そして、今回新たに生きたマウスの脳内で
タンパク質の排出機構『グリンパティック系経路』が
発見されたと報告されました。

【新たな老廃物排出経路・グリンパティック系】

画像引用元:( 1 )Maiken Nedergaard and Steven A. Goldman.Brain Drain.Sci Am. 2016.314(3).44–49.

脳は、脳脊髄液という間質液の一種によって
脳細胞の間を満たし、細胞間の神経伝達や栄養を行なっています。

また、脳では全身で活用されるエネルギーの20~25%が消費されており、
エネルギーの燃えカスであるタンパク質(以下、老廃物)が1日7gほど脳内から生み出されていると言われています。(1

そして脳細胞内で生み出された老廃物は、脳脊髄液に流れ出し
これまで第3・4脳室にあるクモ膜顆粒を経由して
静脈へ放出されると考えられていました。

ですが、『グリア細胞(アストロサイト)』が血管へ枝を伸ばし、
脳脊髄液を直接、血管へ排出する経路『グリンパティック系経路』の存在が
生きたマウスの脳内で確認された、と2016年に報告されています。(1
(詳しい図表は、原文最下部よりダウンロードしてご覧いただけます。)

ただ、その後の研究(2 では、
脳の灰白質において『グリンパティック系経路』は
確認されなかった、との報告も出ており
今なお、研究が続けられています。

【まとめ】

まだまだ研究途中ではありますが、
これまでのグリンパティック系経路に関する研究で重要なポイントは、
以下の3つです。

1. 神経伝達時のアストロサイトのタンパク質代謝
2. 頭蓋が閉じた状態(切開されていない状態)で確認できたこと
3. マウスが睡眠中にグリンパティック経路が確認されたこと

つまり、『睡眠中に脳疲労は回復される』
ということです。

休みと睡眠をうまく取り入れることは
・運動機能を高める上でも、
・仕事の生産性を高める上でも、
・全身の健康状態を改善する上でも、
・思考能力をしっかり保つ上でも、
非常に重要であることが伺えます。

リハビリの現場において、
セラピストも患者さん/利用者さんも
うまく休みを取り入れられるようにしたいものですね。

 

 

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*引用資料

( 1 )   Maiken Nedergaard and Steven A. Goldman.Brain Drain.Sci Am. 2016.314(3).44–49.

*参考資料

( 1 )   Maiken Nedergaard and Steven A. Goldman.Brain Drain.Sci Am. 2016.314(3).44–49.
( 2 )  N. Joan Abbott et al.The role of brain barriers in fluid movement in the CNS: is there a ‘glymphatic’ system?. Acta Neuropathologica.135(3).387–407.
( 3 )
平瀬 肇, 毛内 拡.グリア細胞“アストロサイト”は 脳内で何をしている?.理化学研究所  研究最前線.2016.8-11.

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

IAIR国際事業部

吉田頌平

【著者プロフィール】

2012年4月:作業療法士免許を取得
6月:カナダへ留学

2012年9月〜2013年9月:
カナダのクリニックへ
1年間勤務したのちに帰国

2013年12月〜:
急性期〜生活期の方々を対象に
整形外科の病院・クリニックへ勤務

現在:
IAIR関東支部で
インストラクターを務める傍で

国際事業部を担当しており、
IAIRの国際化を推進しています。

 

 

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