第133回「リハビリ職種のためのお金の話」

From.IAIR 福留良尚

 

※本日のコラムは起業などに興味のない方でも、お金の仕組みについて学ぶことが出来る内容です。

 

 

 

普段からインターネットをご覧になる方は、こんな記事見たことありませんか?

 

「今月〇〇万円売り上げました!」

 

「先月に比べて〇〇%売り上げアップ!」

 

個人の投稿でなくとも、SNSを利用していれば広告として流れてきたりします。

 

 

 

リハビリテーションの業界でも、医療保険の外で働く人が増えているのは事実です。

 

脳梗塞リハビリセンターさんのように、リハビリを受けたくても受けられなかった、いわゆるリハビリ難民の患者を救っている事業所が増えています。

 

個人で起業するのであれば、整体の仕事が時間的にも金銭的にも、また能力的にも実行しやすいのはお分かりになるでしょう。

 

 

 

何を隠そう3年前に整体の仕事で起業した私ですから!笑

 

 

 

自身が起業しているからというのもありますが、インターネット上には先ほどのような文句の記事や広告が増えています。

 

「1ヵ月で100万円の売り上げを達成しました!」

 

こんな言葉を見ると、「自分もやってみようかな~」と考えるのが常ですし、収入を増やしたいと考えるのは、どこの業界に属する人であっても考えると思います。

 

では「個人で独立して整体の仕事で100万円を売り上げるとはどういうことなのか?」考えていきたいと思います。

 

 

 

売り上げ=〇〇×〇〇×〇〇

 

皆さんも物を買えばお金を払いますし、患者さんであればリハビリテーションを受けることで発生する保険点数分のお金を支払い、病院には保険で賄われる分と併せてお金が入ってきます。

 

これが【 売り上げ 】です。

 

では、これを求めるための計算式に当てはめてみるとこうなります。

 

 

 

売り上げ=単価×お客さんの数×稼働日数

 

【 単価 】とは、一人のお客さんが一回お買い物をしたり、一回整体を受けたりするときにお支払いする平均金額だと思ってください。

 

 

 

例えば、日本で一番店舗数の多いハンバーガーチェーン店のマクドナルドであれば、大体1人当たりの売り上げ単価は【 500円 】と言われています。

 

マクドナルドは基本的にお休みがありませんので、売り上げの計算式はこうなります。

 

 

 

売り上げ=500円×お客さんの数×30日

 

(お客さんの数については、それぞれの店舗によって違うので載せていませんが、東京近辺の店舗であれば、日に1000人以上来店するお店もあるようです)

 

 

 

整体の仕事であれば、医療保険は利用できませんので10分1000円というのが一般的な相場だと言われています。

 

(保険が使える場合でも、脳血管疾患の点数は施設基準Ⅰで245点なので、10分1,200円程です。)

 

つまり【 1時間6,000円 】が一般的な整体の単価ということになります。

 

 

 

では、整体院をオープンしたAさんが、1日8人のお客さんを診て、日曜日だけ休みの月25日働いた場合の売り上げはどうなるかというと…

 

 

 

売り上げ=6,000円×8人×25日

【 1,200,000円 】

 

 

 

おぉ!

 

見事100万円達成しました!

 

 

 

「これなら自分にも出来るかも」と思うかもしれませんが…

 

ここには落とし穴がいくつもあります。

 

 

 

先ず、オープン当初から8人のお客さんが毎日安定的に来るというのは、かなり非現実的です。

 

正直、長くやっているお店でも、【 お客さんが途切れることがない 】なんてお店はほとんどないでしょう。

 

私の肌勘ですが、繁盛している整体院であっても1日4-5人程だと思います。

 

その場合の売り上げは…

 

 

 

売り上げ=6,000円×5人×25日

【 750,000円 】

 

 

 

ありゃ…

 

100万円を下回ってしまいました。

 

しかし、「何とか100万円を売り上げたい!」と思ったAさんは、次の手段に出ます。

 

 

 

【 売り上げ=単価×お客さんの数×稼働日数 】でした。

 

お客さんの数を増やすのは難しい

稼働日数もこれ以上は休みが無くなる

じゃあ残っているのは【 単価 】だ!

 

 

 

Aさんは単価を【 6,000円→8,000円 】にしました。

 

するとどうなるか…

 

 

 

売り上げ=8,000円×5人×25日

【 1,000,000円 】

 

 

 

見事100万円達成です。

 

いわゆる【 値上げ 】というやり方です。

 

やっていることは同じなのに値段を高くする方策は、しばしば見受けられる売り上げアップの方法です。

 

(この辺の話はちょっと難しいので、IRFでお話しますね笑)

 

 

 

また、こんなパターンもあるでしょう。

 

Bさんは、平日は病院勤務をしつつ、週末自宅で開業することにしました。

 

「週末開業だけで〇〇万円達成!」

 

これはどのような手法で行っているのでしょうか?

 

 

 

稼働日数が月に8日程度になるわけなので、100万円を目指すとなれば、それ以外の【単価】と【お客さんの数】を変えなければいけなくなります。

 

その場合、このように目標を立てなければいけなくなります。

 

 

 

売り上げ=12,000円×10人×8日

【 960,000円 】

 

 

 

つまり【 値上げ 】【 時短 】を行うわけです。

 

1日10人のお客さんに施術をしようと考えると、60分では到底追いつけないので、お一人の時間を短くして、いわゆる【 回転数を上げる 】という手法をとらなければいけなくなるわけです。

 

ですが、この時考えなければならないのは、単価は通常の【 2倍 】になっていることです。

 

 

 

2倍の料金を頂くということは、2倍の成果を提供しなければなりません。

 

しかも、通常よりも短い時間でそれを行わないといけないということは、それ相応の技術があるものしか出来ない道理になります。

 

かなりハードルの高い選択ということです。

 

このように売り上げを上げるということは、単価・お客さんの数・稼働日数のどれかを引き上げないと達成できないのが分かるでしょう。

 

 

 

但し、このような計算式はあくまで【 毎日定期的にお客さんが来る 】ことを前提にしています。

 

これがどれだけ大変なことかは、実際に起業した人間であれば体感していると思います。

 

私自身、患者さんがいつも目の前にいた病院勤務の頃では考えられなかったことです。

 

 

 

このへんの手法、つまりお客さんが定期的に来られるには【 マーケティング 】というスキルが必要になります。

 

これも今度のIRFで少しだけお話出来ればなと思います。

 

 

 

 

2倍の成果とは

 

最後に、お客さん(患者さん)にとって2倍の成果とは何でしょうか?

 

それはつまり、その人が欲しいものの2倍の価値を提供したということです。

 

個人的な考えは、自分の技術の相対的な力量を理解すれば、値上げを出来る人間はほんの一部の限られた人間だけだと思います。

 

何故なら、身体の痛みや問題を根本的に解消するのは、その人自身だからです。

 

安易な記事に翻弄されないことを祈ります。

 

 

それでは最後まで読んでいただけて感謝です。

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

常任理事 九州地区責任者 理学療法士

福留 良尚

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福留 良尚

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