横アーチ挙上の原因〜足底の均一な荷重を促す効率的なエクササイズ〜【理学療法 実践の手引き Vol.92】

足底アーチ

横アーチ挙上の原因〜足底の均一な荷重を促す効率的なエクササイズ〜【理学療法 実践の手引き Vol.92】

皆さんこんにちは。

IAIR関東の藤田智史です。

 

立位において、外側荷重、前方荷重、後方荷重など重心や足圧の偏りというものが
無いという方はほとんどいないかと思われます。

まず、足部のアライメントを整っていないと改善しにくく、
また、アライメントが整っても運動学習をうまく行わないと改善しにくい場合もあります。

その場合はどのような工夫をしますでしょうか?

 

<足部の横アーチの異常>

大工谷2)によりますと、足関節背屈運動でみられる運動軸の変位の1つとして
足関節背屈運動時に中足部での横アーチ挙上を伴った内がえしがみられるもので、
多くの場合には三日月様足部、図1)を伴う。としています。

足底アーチ
3)より引用

そして2、)で述べられている三日月様足部を引き起こす原因をより抜粋しますと

長腓骨筋の過用や短縮は中足部の横アーチを挙上させる。中足部の横アーチが挙上している状況で背屈運動(下腿前傾)を行うと、前脛骨筋が動員されやすくなり中足部から内側縦アーチを引き上げる。

また、

小指外転筋の上方を長腓骨筋が通るため、小指外転筋の短縮により長腓骨筋が足根骨に押さえつけられて緊張が上がることは容易に想像できる。

と述べられています。(より詳しい内容が知りたい方は文献をご覧ください)

<小指外転筋>

起始:踵骨隆起の外側突起、足底腱膜
停止:第5基節骨の外側底
支配神経:外側足底神経(S1-S2(3))

足底アーチ

<足底でのTGAポイント>

長腓骨筋、前脛骨筋ともに第1中足骨と内側楔状骨に付着しています。

「第1中足骨と内側楔状骨の間から母指外転筋を避けて上外側方向に侵入し、
その後内側方向に力を加えると長腓骨筋の停止部付近になる」とされ、
前脛骨筋は第1中足骨と内側楔状骨と内側楔状骨の内側面に付着しているため、
上記の部分のやや上方に位置することになります。

2)よりこの部分は三日月様足部の改善に有効とされています。

足底アーチ

また、長腓骨筋は小趾外転筋の深層部を走行しており、第5中足骨の茎状突起の内側部当たりが交差点になるのではないかと思われます。

足底アーチ

<足部の3点での効果的な荷重練習>

立位や立位での動作において、荷重部分が偏っておりそれを修正できないことは
好ましくない状況かと思われます。

母趾球—小趾球−踵部は足部のアーチをそれぞれ結ぶ点にもなっており
この3点で均一に荷重をかけられることはバランスの安定化にも寄与します。

足底アーチ

物体は3点支持にて安定するともいわれます。
(テーブルなどの4点支持は3支持が2つあるため1つの平面で支えるよりも倒れにくいですが、
2つの平面のどちらで支えるかが決まらないためグラグラします)

では、足部のこの3点で支持できているかどうかはどのように確認いたしましょうか?

足圧計測などできればいいですが常に使えるわけではないですよね。

足底アーチ

写真のように、セラバンドの両端をそれぞれ母趾球と小趾球で踏み、
2つに折られたセラバンドの先端の部分を踵で踏むようにします。

こうすることで母趾球—小趾球−踵部の3点でセラバンドを踏んでいる状態となります。

この状態のままセラバンドにある程度のテンションをかけて立ちすわりをしたり、
スクワットなどの動作をした時に、外れてしまう部分があればその部分での荷重が十分にできていないことになります。

足部でしっかりと踏むという目的があるのであればこの方法は応用が利くかと思います。
(エクササイズで行うときは両脚にセラバンドを使ってもいいですしね)

普通に生活をしていて問題ないよ。という方や我々セラピストでも
意識しないとうまく行えないことも多いですので一度試していただいても面白いかと思います。

 

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参考、引用文献・画像

1)Visible Body Muscle Premium

2)大工原新一 著:足関節背屈制限に対する理学療法 関西理学 2006

3)大工谷新一 著:アキレス腱炎.理学療法 23:368-373,2006.

4) ジャン=ピエール・バラル / アラン・クロワビエ 共著:
新マニピュレーション・アプローチ<下肢> 科学新聞社 2014年

お読みいただきありがとうございました!

藤田智史
IAIR 関東支部

認定インストラクター
藤田 智史

 

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