From.IAIR 福留良尚

 

 

腰痛を持つ人は全国で3,000万人近くおり、その割合は全人口の5分の1。

 

5人に1人が腰痛を抱えている計算になります。

 

我々リハビリテーションの対象は高齢者が多く、腰痛を抱えている人の比率は更に高いでしょう。

 

 

腰部の疾患でなくとも腰痛を持っている患者さん利用者さんは多いです。

 

効率的に運動療法を進めるため、腰部へのアプローチは必然的になってきます。

 

「腰を揉んでくれ~」

 

という方多いですよね?笑

 

 

ですので、効率的にリハビリテーションを進めるために、腰痛への対処がセラピストには求められます。

 

逆を言えば、腰痛やその他「痛み」に対するアプローチが出来ないと、ADL訓練や歩行訓練は十分な成果が得られないとも言えます。

 

 

腰痛に対して「筋力低下が原因だ!だから運動すれば良くなるんだ!」と、痛みを抱えている患者さんへ、我慢させながら無理矢理歩行させている話を聞いたことがあります。

 

確かに運動療法は必要です。

 

筋力はもちろん、持久力、バランス、その他の身体機能を低下させないためには、活動性を維持しなければなりません。

 

しかし、痛みの問題も対処せずに「とにかく運動すればいいんだ!」と訓練を強行していては、患者さんからの信頼は得られないでしょう。

 

 

脱線してきていますので、本日のテーマ「腰痛に効果があるのは体幹屈曲?伸展?」について進めていきます。

 

 

 

体幹屈曲

 

この時身体内部ではどんなことが起こっているでしょうか?

 

(画像参照:筋骨格系のキネシオロジー、医歯薬出版株式会社)

 

筋肉

  • ハムストリングスの伸張
  • 腰背部筋筋膜の伸張
  • 股関節屈筋、腹筋群の短縮

 

関節

  • 腰椎椎間関節の上方滑り
  • 胸椎椎間関節の上方滑り
  • 関節包の伸張

 

椎間板

  • 後方の繊維輪の伸張
  • 前方の繊維輪の圧縮

 

脊柱管の拡大

 

大まかに言及すればこのようになります。

 

 

筋レベルで言えば、ハムストリングスや腰背部筋筋膜が伸張されることで、筋緊張の緩和が期待できます。

 

腰椎椎間板ヘルニアがある患者では、前方の繊維輪が圧縮されて髄核が後方へ移動することで、神経症状が増悪する場合が考えられます。

 

 

 

体幹伸展

 

筋肉

  • 股関節屈筋の伸張
  • 腹筋群の伸張
  • 腰背部筋の短縮

 

関節

  • 腰椎椎間関節の下方滑り
  • 胸椎椎間関節の下方滑り
  • 関節包の圧縮

 

椎間板

  • 前方の繊維輪の伸張
  • 後方の繊維輪の圧縮

 

脊柱管の狭小化

 

 

屈曲の反対をまとめただけですが、身体内部の状況の一部はこのようになります。

 

脊柱管狭窄症のある患者さんでは、神経が圧迫されて症状が増悪する可能性があります。

 

 

 

腰痛に効果があるのは屈曲?伸展?

 

先ず腰痛と一括りにしても、先ほどの腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症のように疾患別の特性があります。

 

ですので、筋筋膜性腰痛症を例に考えてみましょう。

 

 

腰背部の過緊張からくる筋筋膜性腰痛症に対して「体幹屈曲」を行えば、筋肉を伸張することで緊張を緩和することが可能です。

 

ですが、このアプローチの場合次の日には元に戻っていることが予想されますよね?

 

 

何故なら原因に対してアプローチ出来ていないからです。

 

 

 

腰背部の過緊張の原因

 

後面の筋肉は、求心性に働いて体幹を伸展させる、もしくは物を持つ際に遠心性に働いて体を支えるという機能を持っています。

 

この機能に対して過剰な負担が掛かる場合、筋緊張が高まります。

 

 

求心性の体幹伸展

 

伸展の柔軟性が不十分な場合に、筋肉の緊張が過剰になることが良くあります。

 

つまり、前面の股関節屈筋や腹筋群の短縮です。

 

特に良く問題となるのが、大腰筋の短縮がある場合、腰部の筋肉は過剰な収縮を起こすことがあります。

 

 

 

遠心性の場合

 

遠心性に過剰に働く場合は、他の関節の機能が十分に引き出せていないことが考えられます。

 

その大きな要因が股関節の機能です。

 

股関節の上を骨盤が滑らかに動くことで、腰背部の過剰な緊張を伴わない動作が可能となるのです。

 

 

 

多様性

 

このように見ていくと、体幹の屈曲・伸展だけでは症状の対処にはなっても、原因の解消にはならないことが良く分かります。

 

人は多様性に富んでいます。

 

それぞれの生活様式やスタイル、仕事、習慣、癖といった、目には見えない体の独特な機能が千差万別にあるのです。

 

 

エビデンスに基づく医療はもちろん重要です。

 

それとともに、個々人の多様性に対応できることもまたこれから必要な医療者のスキルです。

 

1人1人に寄り添い、適切なリハビリテーションが提供できるよう目指していきましょう!

 

 

 

9月のIRFでは、そんなこれからの医療の姿を想像することがきっと出来ますよ!

 

 

 

それでは最後まで読んでいただけて感謝です。

 

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

常任理事 九州地区責任者 理学療法士

福留 良尚

E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください)

HP:https://iairjapan.jp/

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