総腓骨神経と膝関節外側部痛・下腿外側の痺れ【理学療法 実践の手引き Vol.91】

総腓骨神経と膝関節外側部痛・下腿外側の痺れ【理学療法 実践の手引き Vol.91】

皆さんこんにちは。

IAIR関東の藤田智史です。

 

膝関節痛があると、半月板や変形性関節症などを疑われることが多いですが
膝外側に痛みを出す神経的な絞扼の問題は何が考えられるでしょうか?

 

【長腓骨筋】

起始:腓骨頭、腓骨上部の外側面・脛骨の外側顆、前および後下腿筋間中隔。
停止:第一楔状骨、第一中足骨底部。
神経支配:浅腓骨神経(L5〜S1)

【短腓骨筋】

起始:腓骨外側面の下部2/3、前下腿筋間中隔
停止:第五中足骨粗面

神経支配:浅腓骨神経(L5〜S1)

短腓骨筋

 

<総腓骨神経と長腓骨筋>

総腓骨神経は下腿後面から腓骨頭の下を巻くように走行しています。

総腓骨神経

この腓骨頭の下を走行する部分ですが、長腓骨筋も走行していますが、
この部分に関しては長腓骨筋は腓骨との付着を持たず総腓骨神経が
通過できるようになっているとされています。

この部分で神経絞扼が起きてしまうと、膝外側~下腿外側にかけて痺れや痛みを引き起こすことがあります。

江島ら2)において

“ 膝外側部の疼痛を訴え,膝他動的伸展時の疼痛などのため外側半月板損傷と診断され治療されていた。しかし病歴をよく聞くと安静時にも症状があり,疼痛の部位も半月板損傷とは違っている。
また総腓骨神経圧迫性神経障害を鑑別に上げ,所見をよくみれば知覚異常・運動障害などより,総腓骨神経圧迫性神経障害であることが容易に推測できたと考えられる“

と述べています。

実際に臨床において、膝外側の痛みを訴える方でよく聞くと
下腿外側面側の痺れを訴えており、腓骨頭の後方から前方への滑りが阻害されており
これが改善することにより症状が消失した症例も経験します。

<長腓骨筋意外に腓骨頭に影響を与える因子>

腓骨頭には大腿二頭筋や外側側副靭帯も付着し、これらを含めた他の影響を改善する必要もあると考えられます。

例えば、大腿二頭筋の付着は坐骨結節であり骨盤や股関節の影響も考えられますね。

上行性の影響としては足関節からの影響になりますね。

例として、足関節捻挫後に内反位での固定が起こってしまえば、
荷重時に膝は内反し・・・外側動揺のような状態を引き起こし膝外側部の組織にも影響を与えるかもしれません。

また、足関節が内反位になっていなくても、立方骨が下方へ落ち込んでいる場合はどうでしょうか?

立方骨底面

上記の図のように長腓骨筋は立方骨底面の溝を走行するため、立方骨が下方に落ち込むことで長腓骨筋が腓骨頭を牽引して
負担をかけてしまう可能性も考えられます。

このようにざっと見ただけでも・骨盤・股関節・膝関節・距骨下関節・足根部(立方骨)と5つの因子が影響する可能性が見られますね。

もちろんいつでもこれらの因子が問題を持っているわけではなく、今回上げたもの以外にもかかわってくるものは多数出てきます。

膝関節外側の痛みや、下腿外側の症状の原因が腓骨頭周囲での総腓骨神経の絞扼であれば、まずは近位脛腓関節のモビライゼーションなども1つの選択かと思います。

その他今回上げた関節の問題などの介入方法を持っていないが身に着けたいという方はぜひ下記を覗いてみてください。

https://iairjapan.jp/iair-course-info

 

膝の解剖触診などの記事のまとめ

 

下腿部の解剖触診などの記事のまとめ

参考、引用文献・画像

1)Visible Body Muscle Premium

2)江島晃史ら著:外側半月板損傷と誤られていた総腓骨神経圧迫性障害の2例
整形外科と災害外科 50:401〜404,2001.

3)ジャン=ピエール・バラル / アラン・クロワビエ 共著:
新マニピュレーション・アプローチ<下肢> 科学新聞社 2014年

お読みいただきありがとうございました!

藤田智史
IAIR 関東支部

認定インストラクター
藤田 智史

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