老化とリハビリテーション「フレイル」「サルコペニア」「廃用症候群」について

リハビリテーションに携わる多くの療法士が、普段相対するのは高齢者です。

何かしらの疾病や障害を抱えた方が多く、身体機能が低下しています。

ですが、昨今疾病や障害は無いにも関わらず、日常生活に不自由を感じている高齢者が増えています。

 

「フレイル」という言葉をご存知でしょうか?

 

 

フレイルについて

フレイル(Frailty)とは、高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困 窮などの社会的問題を含む概念である。

(参照:フレイルに関する日本老年医学会からのステートメントより)

 

このフレイルと似たような意味を表す言葉で「サルコペニア」というものがあります。

それぞれ意味が違いますが、これら2つの言葉、そしてリハビリの臨床で良く使われる「廃用症候群」について、明確に使い分けが出来るでしょうか?

本日は先ほど解説したフレイルに加えて、サルコペニア、廃用症候群についてみていきます。

 

サルコペニアについて

サルコペニアについての定義は以下のように言われています。

サルコペニアは、身体的な障害や生活の質の低下、および死などの有害な転帰のリスクを伴うものであり、進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群である。

(参照:サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&Aより

 

サルコペニアが骨格筋量や骨格筋力の低下を主症状とするのに対し、フレイルは認知機能や栄養状態、環境的な問題など広範な要素が含まれているのが大きな違いです。

サルコペニアに関しては若年者でも起こりうるとされており、加齢以外に原因がないサルコペニアを「一次性サルコペニア」というのに対し、栄養状態や疾患によって出現する加齢以外の要素が含まれるものを「二次性サルコペニア」と言われています。

 

廃用症候群について

廃用症候群については「生活不活発病」ともいわれます。

この時点でフレイルやサルコペニアと似ていますが、定義は以下の通りです。

廃用症候群は、「身体の不活動状態により生ずる二次的障害」として体系化された 概念で、不動(immobilization)や低運動(inactivity)、臥床(bedrest)に起因する全身の 諸症状を総称する。

(参照:廃用症候群より

 

フレイルやサルコペニアとの違いは、明らかな原因(疾患や精神症状、ギプス固定や過度な安静の指示)があることでしょう。

サルコペニアやフレイルにも原因はありますが、医学的な診断が出ている点は他とは違います。

 

リハビリテーション

これまでのリハビリテーションは、廃用症候群に対するものが主でした。

廃用症候群リハビリテーション料の算定が出来るということからも分かる通り、疾病後の対策に力を入れてきたのがこれまでの医療です。

 

これからはどうでしょうか?

 

今後人口増加が見込まれる後期高齢者(75 歳以上)の多くは、 フレイルという中間的な段階を経て、徐々に要介護状態に陥ると考えられています。

 フレイルの重要性を医療専門職のみならず、広く一般の方にも周知することが必要であり、それにより介護予防に繋げることが出来ます。

 

(筆者が行っていた地域支援講座の様子)

 

病気になってからの医療から、病気にならないための医療に進化していかなくてはなりません。

 IAIRは、国民全体の健康に寄与できる人材育成を以前から進めています。

 今後の医療に必要な人材となっていきましょう。

 

それでは最後まで読んでいただけて感謝です。

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

理事 理学療法士 福留良尚

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福留 良尚

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国際統合リハビリテーション協会常任理事 IAIR九州専任講師 理学療法士 コンディショニングサロン仁愛クリニカルルーム代表 3児の父 
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