随意性の低下は、優先順位が高いか?
このお盆の時期は、
回復期リハを担当されている方は、よく感じるところから思いますが、
外出、外泊をできるだけ行ってもらうということはありませんか?
私が務めていた病院では、
地域柄かできるだけ、患者さんには外出外泊をしてきてもらうように勧めてました。
(今考えると、スタッフが手薄になるってこともあったかもしれません…。)
普段の病院内やリハ室でも、
自宅での生活を想定してのリハビリを行っているのですが、
実際に、帰ってみての生活をされると様々な意見をもらいますね。
ぜひ、その意見や御本人、ご家族の感想を取りこぼさず、
言葉の背景を感じ取りながら、リハビリに生かしていきたいですね。
と、このような外出、外泊を通して、
退院を視野にしている段階において、
問題点が「随意性の低下」としている方がいたとしたら、
要注意です。
脳血管疾患の発症時期に関しては、
以下のような報告があります。
【方法】全国労災病院において 2002 年度から 2008 年度に入院加療された全脳卒中症例 46,031 例を対象とし,脳卒中病型別に月 別発症数を比較した.また気象区分から 4 つの地域に分けて検討した.
【結果】脳出血は男女 とも夏少なく冬に多発したが、北日本と西日本では最少月にひと月の差があった.
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/33/2/33_2_226/_pdf)全国労災病院 46,000 例からみた 脳卒中発症の季節性(2002−2008 年) 豊田 章宏
発症時期の傾向でいうと、
この8月は、冬から春先にかけて罹患された方が、
退院をめどに調整している時期かと思います。
上下肢の片麻痺の回復段階を見ても、
麻痺の程度にもよりますが、
約3〜6ヶ月で、回復がなだらかになると言われています。
(↑画像:中外医学社ホームページより引用)
脳卒中後のドラマチックな機能回復は,発症後の数週間以内に起こり,一次運動野とその下降路 における浮腫軽減,圧迫減少,血流再開などによって規定されるため,病変部位や大きさ,急性期 治療の成否の影響が大きい.発症後 1 カ月で,患者の 1/4 で神経症状は消失し,1/3 で日常生活は 完全自立する2).急性期以降の回復は徐々に起こり,3 カ月から 6 カ月にかけて回復曲線はなだら かになり,初期の障害が強いとプラトーになるには時間を要する.
中外医学社ホームページより引用
(http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse2111.pdf)
この退院間近の時期になっても、
随意性にこだわっていると要注意です。
随意性の低下に対しては、
反復運動による神経伝達の再教育、
さまざまな体性感覚を用いての感覚入力を通しての促通。
という、狙いで介入しますが、
実際問題、それだけでは効果的ではないのです。
先に書いたように、
”生活環境でいかに動けるか”ということを前提に、
介入をしていくことが何よりも求められます。
環境や家屋状況の情報収集を今一度、
きちんと行いその上で、
身体を構造物として動きやすい状態に導くこと。
を目標に、短期間でも関わることで、
随意性は変わらなくとも、生活場面での変化が見えてきやすくなります。
関わる時期に応じて、
介入のポイントを絞っていくことが、効果的なリハビリテーションにおいては大事になります。
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それでは、最後までお読み頂きありがとうございました。
write by 渡邉 哲
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常任理事 理学療法士 渡邉 哲
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