From.IAIR 福留良尚
このコラムでは起業してからの経験談に時々触れてきました。
10年勤めた病院を退職後、どのように生計を立ててきたのか?
少しずつですが、その時々で得られた知識や経験をお伝えしています。
「リハビリテーションには関係ないんじゃないか?」
実は、それがそうでもないのです。
これまでと違う働き方をしたことで、より良く働く方法が分かるようになってきました。
どんな仕事でも共通している部分が見えてきたと言ってもいいです。
「リハビリテーションという仕事を極める方法」とも言えるかもしれません。
本日のコラムは、
- 仕事をする上でモチベーションが上がらない
- 何だか毎日がつまらない
- 何か楽しいことがしたい
そんなふうに感じている人に読んでほしい内容です。
※今回の話は、9月30日(日)開催のIRFでお話する「療法士のための起業入門講座」とリンクする内容です。
私達の定年はいつか?
初っ端から重いテーマですが、仕事をする上で未来予想は外すことが出来ません。
もっと言えば人生設計です。
何か保険のCMみたいですが、リアルな内容ですよ(笑)
これから見て頂くのは平均寿命についてのデータです。
今の平均寿命は男女とも80歳を超えていますね。
ある書籍から「2007年生まれの子達が100歳を超える割合」を参照します。
何と2人に1人が107歳まで生きる試算です。
平均寿命ではないのですが、今10歳くらいの子達の2人に1人が100歳以上になる時代が来ます。
参照「LIFE SHIFT」:リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、池村千秋訳
今の平均寿命である80歳代の方々は、1930年代に生まれた人たちです。
私達現役のセラピスト世代はその50年後くらいに生まれていますので、平均寿命は言うまでもなく80歳以上になるでしょう。
そこで次のステップです。
この先仕事をする期間は伸びていきますので、実は60とするのは現実的ではないです。
既に公務員の定年は65歳まで段階的に引き上げを開始していますし、年金の支給年齢も引き上げられています。
60歳で定年退職という時代は終わりを迎えるでしょう。
「え~!」
「40年以上仕事しないといけないの~!?」
って普通は思いますよね。
過去の自分であれば、同じくそう感じていたと思います。
そして定年後の期間が延びることにも不安を感じます。
その不安を打開するためのテーマが次です!
仕事をする上で技術より大切なもの
リハビリテーション職種にしろ公務員にしろ、何の仕事もそうですが技術が必要になります。
技術があるからこそそれぞれの仕事が出来るのは分かります。
では仕事とは何のためにするのでしょうか?
もっと言えば、リハビリテーションとはそもそも何のために行われるものでしょうか?
WHO(世界保健機関)による定義 1981年
リハビリテーションは、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。リハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障害者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とする。そして、障害者自身・家族・そして彼らの住んでいる地域社会が、リハビリテーションに関するサービスの計画と実行に関わり合わなければならない。
簡単に言いますよ!
「困っている人を助けましょう!」
ってことです。
…いや、真面目な話です。
この考え方はどんな仕事においても一緒なのです。
誰か困っている人、不満を抱えている人を助けることが仕事なのです。
- お腹がすいた→飲食業
- 住むところがない→建築業
- オシャレになりたい→アパレル関係
- 楽しく過ごしたい→エンターテインメント業
- 元気になりたい→医療業
全ての仕事は、誰かの不満や不安、願望を解消するために存在しています。
人はその行為に対価として金銭を払うわけです。
全ての仕事に共通する技術より大切なもの
「困っている人の役に立ちたい」という思い(マインド)
マインドの上にスキル(技術・知識)があって、それを扱う(treat)ことで誰かの問題を解消する。
※詳しくはIRFの際にお伝えしようと思います。
この順番を間違うと、仕事は苦痛になります。
マインドがない状態で仕事をするということは、「させられている」という感覚にしかならないからです。
だから敢えて問います。
「疾病後の方、障害を持っておられる方を助けたいですか?」
これに「Yes」と答えられるかが、この先長くなっていく仕事をする期間のモチベーションに繋がってきます。
どんな人を助けたいか?
私が独立を志した理由は、ある患者さんの一言でした。
40代で脳出血をされた方がリハビリ中に仰った言葉です。
「もっと早くから気をつけておけば良かった…」
この言葉で私は「予防」の分野で仕事をしようと決めたのです。
病気になる前の方の健康に寄与する仕事がしたい!と心から思いました。
だから、半年で体重が10kg落ちようが、周りから「あいつは病気になった」と言われようが、歯を食いしばってまだ見ぬ私を必要としている人のために、毎朝毎朝広告を配り続けたのです。
このマインドが無ければきっと続いていません。
リハビリテーションという仕事を極める方法
疾病後の方、障害を持っておられる方を本気で助けたい!という思いを自分の中に育てることです。
この思いが強い人がきっと極められるはずです。
そうしないと気が済まないくらい本気で思っていれば、必ず成果は付いてきます。
是非、自分の中の思いを見つめる時間を作って下さい。
モチベーション?やる気が出ない?
それは居るべき場所を間違えているからかもしれません。
※今回のコラムは私個人の仕事に対する姿勢をお話しており、決して転職を煽るようなものではありません。あくまで仕事にやりがいを見つけるためのアドバイスに過ぎません。不快に感じられた方、個人の見解ということでご容赦ください。
それでは最後まで読んでいただけて感謝です。
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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
常任理事 九州地区責任者 理学療法士
福留 良尚
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