「湿布」
大変馴染みにある“くすり”ですね。
あなたも、一度は使ったことがあるかと思います。
使う理由は、多様だと思いますが…
今まで、あなたはどんな理由で使って来ましたか?
・・
・・
・打撲
・捻挫
・肩こり
・関節の痛み
・腰痛
など
(不思議なことに、欧米ではあまり使われないようですね)
…
使用期間はいかがですか?
数日から数週間、数か月とその時の状況により多様だとは思いますが。
・
・
では、あなたが、臨床で関わる方ではいかがですか?
どんな理由で使っていますか?
・
・
使用してる方は、効果はありそうですか?
・
・
非常に効果があり、有効活用されていればいいのですが…
…
「むしろり、湿布は、使用しないほうが調子が良くなりそうなのに…」
と思うことはありませんか?
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・
ということで、
今回は、湿布の使い方について、特に、慢性腰痛のケースに注目し
振り返っていきましょう!
◇湿布の利用は推奨されているのか?
そもそも、慢性腰痛の方に湿布の利用は推奨されているのか…
改めて「腰痛診療ガイドライン2012」を調べてみました。
まずは、湿布の定義から
「経皮吸収型薬物送達システムと総称されるものには、
経皮吸収貼付剤(湿布)
ローション
クリーム
軟膏 などがある。
そのうち、湿布とは皮膚に粘着させて用いる局所作用型の剤形を示し、
皮膚から吸収される薬剤は多岐にわたる。
(中略)
NSAIDsを配合したものでは、関節痛や捻挫でのRCTでは有効性が示されているが、
腰痛でのエビデンスの高い報告はない。温湿布(カプサイシン入り貼付剤)で短期間(3週間)
では、2件のRCTで効果が認められた」
となっております。
となると、
短期間、温湿布を利用するのは、ガイドラインから
判断すると良さそうですね。
◇湿布の使用期間とその効果
短期間として、3週間という数字が出来てきました。
実際は、いかがでしょうか?
あなたが関わる方の使用期間はどのくらいですか?
そして、それをきちんと記録してますか?
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・
私の経験では、長期間利用されている方も
少なくありませんでした。
そして、問題は!!
「使っていて効果はいかがですか?」
と伺うと、
「あまり効果は感じない」
という方も少なくないこと。
不思議ではありませんか?
効果が無いのに長期間しようすること。
他のガイドラインでもよく取り上げられていますが、
慢性期の薬物療法は、<短期間に限る>
あるいは、
<まずは薬物療法を用いない治療>を
推奨しているものあります。
◇長期間利用する理由の一つ
長期間、湿布を利用している方に伺ってみて驚いたことがあります。
それは・・・・
「湿布はくすりだということ知っていますか?」
と伺うと、
「えっ!そうなんですか?」
「知りませんでした」
という方が、いらっしゃいました。
その割合も、そこそこ少なくありませんでした。
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・
湿布が薬だと知っていたら、安易に長期間は使わなかったという感想もあります。
くすりであれば、
副作用があることは、多くの方は知っているでしょう。
冷湿布は、体をひやすもの
温湿布は、体を温めるもの
というくらいの感覚で使われてのです。
くすりであるという当たり前のことを知っていただき、
その状況に適した使い方をし、
不必要な、多用・連用は、避けていきたいですね。
◇予防として湿布を使用している方も
湿布を予防として活用されている方もいらっしゃいました。
「遠くに外出するから、朝から足(下肢)に沢山貼って出かけまいた」と。
で、
その効果を聞いてみると
「あまり効果はなかった」と
そして、その次出かける時には、さらに使用枚数が増していきます。
…
湿布を貼ることで、血流は低下するとされています。
その情報を知っていれば、本人の選択も変わることが期待できます。
◇効果・副作用の説明の大切さ
あまりに一般的に使われている湿布なので、
改めてその副作用の説明を聞くことも少ないかと思います。
(薬局で説明されているかもしれませんが)
我々は、患者さんに
医師や薬剤師から、副作用の説明を受けているか、そしてそれを普段意識して
使用しているかを確認する責任があると思います。
効果がないといいながら、長期間利用していて不調が続いている方、
あるいは、
前述のように症状の予防として、湿布を使っていて効果を感じていない方等を
減らしていきたいですね。
◇有効か?有害か?を知れば選択が変わる
その方の今の身体の状況と使用による効果を適切に把握し、
今は、湿布が有効な時期なのか
今は、湿布が有害な時期なのか
きちんと情報としてお伝えできれば、
患者さんの選択も変わってくるでしょう!
すべての人々の“ハッピー”のために。
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複合的腰痛アプローチ
IAIR Lumber back Pain Technology(ILPT)主宰
赤羽秀徳
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