普段私達が臨床で行っている【動作分析】ですが、
臨床に入ってすぐの頃に躓きやすい項目の一つが
この【動作分析】かと思われます。
まず、私達はなぜ動作分析を行う必要があるのでしょうか?
動作分析を行う必要性
それは、対象者の問題点を特定の動作の観察を通して把握し、
その動作獲得の為に必要な部位を抽出してそこへ介入する為です。
要は自分達の行うアプローチの【目的】をはっきりさせる為ですね。
ここで動作分析が行えていないとどのような不具合が生じるか考えて見ましょう。
- 問題点の詳細が分からない
- 問題点がわからないからピンポイントな介入が出来ない
- 結果、その疾患におけるリハビリは行うことが出来るが、その人特有の問題点への介入は出来ない。
というような状態に陥ってしまいます。
【目的】のはっきりしない不鮮明なアプローチは非効率的であり、効果も出辛いため、
時間を浪費するだけでなく患者様との信頼関係の構築にも影響を及ぼします。
躓きやすい原因
ではなぜ躓きやすいのか、お考えになったことはあるでしょうか?
私の考えとして、【基準となるものさし】がないことが考えられます。
昨今の世の中では、情報が多様にあることで考え方も多種多様にあり、
迷ってしまいがちです。
そのため、入職したばかりの療法士においては、
どれが正しいのかわからないことから評価もあいまいになってしまうことがあります。
ですから、まずは自分の中でのものさしを手に入れることが必要となります。
ものさしをもつことができれば評価時間も短縮でき、介入目的もより明確になります。
ここで日常生活でも必要な寝返り動作に役立つポイントとアプローチを1つお伝えしたいと思います。
寝返り動作改善に役立つアプローチ例
寝返り動作では全身の連動が需要となりますが、特に今回は肩甲帯の動きを引き出すアプローチを紹介します。
寝返り動作において肩甲帯の前方突出は体幹の回旋を引き出す上でも重要ですが、
【肩甲胸郭関節のリリース】を行うことでより動作をスムーズに行うことが出来ます。
肩甲骨内側縁の硬さにより肩甲骨が一定のポジションで固定されてしまうと、
寝返り動作に必要な前方突出も行いにくくなります。
そこで可動性を引き出すことによって動作の改善を図っていきます。
方法は
- 側臥位をとっていただく
- 肩甲骨内側縁から胸郭との間に術者の指を滑り込ませる
- その状態を保持したまま、肩甲骨の運動を他動的に行う
以上です!
時間もかからないアプローチですし、効果も分かりやすいアプローチですね。
適切な分析と明確なアプローチを行う為にも、自分のものさしを是非手に入れてみてください!
具体的な方法が気になる方は以下もチェックしてみてください!
今回ご紹介した【肩甲胸郭関節のリリース】だけでなくその他のアプローチや
評価の視点等も学ぶことが出来ます!
https://iairjapan.jp/events/event/exp_tca
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
IAIR関東
作業療法士
道岡 健祐