From.IAIR 福留良尚

 

 

「高齢者は変わらない…」

 

そんな間違った認識を持っていた若手の頃。

 

 

ROM制限に対してどんなに一生懸命ROM訓練を行っても、やっぱり次の日には戻っている。

 

筋力低下やバランス低下という問題に対してしっかりトレーニングをしても、ADLや歩行は変わらない。

 

やっぱり前と同じ動き方をしている。

 

 

痛みに対しても同じです。

 

「膝が痛い」「腰が痛い」

 

そんな高齢者の訴えに対して丁寧に筋緊張を緩めたりストレッチを行っても、やっぱり次も痛いと言われる。

 

 

「高齢者が変わらないのは、年齢のせいだ」

 

 

そんなふうに思うようになり、いつしかリハビリのプログラムが一辺倒になっていました。

 

何も工夫せず、ただベルトコンベア式に「こなす」ようなアプローチを続けていた時期があります。

 

 

急性期や回復期は、そのヒトの回復力も相まってリハビリの成果が出ている感じがします。

 

自分の技術が効いているような感覚になるのです。

 

だからその時期のヒトのリハビリは楽しかった。

 

 

しかし、慢性的な症状で外来に来られる高齢者に対しては、毎日毎日こなすようなリハビリをしていて、正直自分自身も苦痛でした。

 

点数を稼ぐために、如何に20分以内で終わらせるかに一生懸命になっていた時期もあります。

 

 

いやぁ…

 

 

最低ですね(笑)

 

 

 

そんな間違った認識が変わったのが、

 

「慢性の症状のヒトにも変化が出るようになった時」

 

 

何故慢性のヒトの症状が変わるようになったかというと、リハビリをする上でのコンセプトが変わったからだと思います。

 

簡単に言えば、「ヒトの体の捉え方が変わった」ということです。

 

本日は、ヒトの体の捉え方、特に筋力トレーニングにおいて3つの視点から考えていきます。

 

 

 

筋力が発揮できる時とは?

 

下記の図を見てください。

 

 

一番左が健全な状態の身体機能を表していて、仮に100%だとします。

 

真ん中は病気や怪我をした状態で、それによって身体機能が4割落ちたことを示しています。

 

この4割を回復させることがリハビリテーションの目的なんですが…

 

 

一番右のグラフは、実際臨床で見る患者さん利用者さんの身体機能の数値です。

 

疾病後の数値を下回っていますが、これはどういうことかお分かりになるでしょうか?

 

 

 

疾病後の身体機能を引き出す

 

健全なヒトでも朝起きたときに自分の体が固いなぁと感じるように、病気や障害を持った患者さんがその残存した身体機能を使いこなせているかというと、多くの場合上手くいっていません。

 

その原因は「不動」です。

 

病院や施設に入るということは、日常生活が一変します。

 

今まで行っていたことのほとんどを誰かがしてくれるようになります。

 

そんな環境に入ることで身体機能はまた更に低下し、残存していた機能すらも使いこなせなくなります。

 

 

その要点が今日お伝えしたい3つ!

 

「関節」「筋肉(軟部組織)」「神経伝達」

 

 

関節の状態は、身体機能に直結します。

 

「関節包内運動」が円滑に行われるためには、周囲の軟部組織(関節包や深筋膜)に緩みが必要になります。

 

別名は関節の遊びですね。

 

凹凸の法則によって関節内では転がりと滑り運動が必ず起こりますが、この軟部組織の緩みが無ければ包内運動が邪魔されて、スムーズな動作は不可能になるのです。

 

 

筋肉(浅筋膜)の状態

 

筋肉はたくさんの膜(筋膜)で覆われています。

 

そしてそれぞれの間には滑り運動(滑走)が必ず存在します。

 

 

不動による問題は、これら軟部組織間の滑走を不能にし、結果筋の収縮を邪魔してしまいます。

 

筋肉自体をストレッチしたりパンプアップ(筋肥大)させることも必要な場合はありますが、高齢者がADLで残存機能を使いこなすためには、この軟部組織の滑走が必要になってきます。

 

 

神経伝達

 

筋肉の収縮は、神経からの信号によってスタートします。

 

筋肉と神経との連絡がスムーズに行われることは、必要な時に必要な収縮を確保できるということです。

 

 

考えてみましょう。

 

歩行の立脚と遊脚では筋の働きは全然違います。

 

その切り替えを行っているのが神経です。

 

 

脳卒中の患者さんは、この切り替えが上手くいかないためスムーズな歩行が困難になります。

 

遊脚でも力を入れっぱなしにしていては、安定した歩行は困難です。

 

 

高齢者でも同じようなことが身体内部で起こっています。

 

つまり、「50の配分で良い所を、80入れたり30しか入れなかったりしている」ということ。

 

この状態がマッスルインバランスと言われる状態です。

 

 

必要な神経と筋肉の間の伝達能力は、その機能を使うことで洗練されていきます。

 

不動による不使用は、この機能を著しく低下させてしまいます。

 

 

 

改善する手段

 

我々セラピストは、これらの残存機能を阻害している因子を除去する技術を持っています。

 

それが徒手的アプローチ、IAIRではTGAと表現しています。

 

これら高齢者の残存機能を引き出すアプローチは、筋力トレーニングを行う前にする必要があります。

 

 

問題点は筋力低下やバランス不良ですが、その問題に対するアプローチの前に、高齢者の残存能力を引き出す身体内部の環境を整えることが出来る、セラピストとしてこの技術は必要なものだと思います。

 

「高齢者は変わらない…」

 

そうではなく、変わるための準備を私は提供できていなかったのです。

 

 

 

「ヒトは変われる」

 

90を過ぎたヒトがロードバイクに乗っている動画を観たことがあります。

 

ヒトはいくつになっても可能性に満ちています。

 

その後押しを出来るセラピストでありたいなと思います。

 

 

それでは最後まで読んでいただけて感謝です。

 

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

常任理事 九州地区責任者 理学療法士

福留 良尚

E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください)

HP:https://iairjapan.jp/

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個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome

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