【炎症を理解する】炎症反応を整理してリハビリに生かす」の続きです。

 

 

炎症の初期に見られる「腫れ」、「痛み」、「熱」などは今すぐにでも消し去りたい現象です。

私自身、手術後で麻酔が覚めた時に「なんでもいいから、この状況を取っ払ってほしい」と感じました。

看護師は「薬を使う」ことを勧めてきました。

 

薬は体の中でどのような反応に対して効果を示すのでしょう???

痛み真っ最中の時には考えられないので、痛くない時に整理してみましょう。

 

 

◇血管透過性亢進

炎症期の初期に起こる血管透過性亢進により、浮腫が形成されていきます。

患部が腫れていくことが、痛みの原因にもなり、機能制限の原因にもなります。

なので、急性期処置としては、「腫れさせない」というのが一つの目標になるせいか「RICE処置(*)」というものが推奨されます。

*RICE処置

Rest(安静)
Icing(冷やす)
Compression(圧迫する)
Elevation(挙上する)

 

血管透過性はなぜ亢進するのでしょう?

 

それは、化学物質を放出することで、免疫反応に貢献するためと考えられます。

血管透過性が亢進し、化学物質が血管からしみ出ていくことで、白血球などの細胞が集まってきます。

 

 

炎症期の大事な反応は、循環系を経由して白血球を損傷部位に集めることにあるのでしょう。

そう考えると、「痛くなるのがいやだから、痛くなる前に鎮痛剤(消炎鎮痛剤、抗炎症薬)を飲む」と、口にする患者さんに疑問を感じます。

服薬方法について、今一度、確認をする必要がありますね。

 

 

◇白血球

白血球が損傷部位に集まってくる目的は何か?

それは、細菌、挫滅組織片を除去することにあります。

組織修復のために必要な働きです。

損傷した部位の修復は、傷んだ組織や感染した組織では行われないのが通常の回復過程といえます。

 

 

◇炎症期で最も重要な細胞

炎症期で働く細胞の中で最重要な存在が「マクロファージ」です。

マクロファージは化学物質(酵素)の生成によって、微生物の食作用や、壊死組織の除去に貢献します。

ほかにも、線維芽細胞を引き寄せることにも貢献すると言われています。

 

血管拡張後の血管収縮と、この線維芽細胞の働きによって損傷部位に蓋が形成され、血液の流出が続くことを防ぎます。

血液流出が続くと通常は血管外に出て行かない赤血球も出て行くことになります。

 

当然、細胞への酸素運搬が妨げられ、さらに「血腫」を形成してしまいます。

血腫が見られるときは、疼痛が長引いたりします。

 

ここで形成された「蓋」は、次の「増殖期」でより強固なものに変化していきます。

 

 

◇マクロファージの効果の裏側

組織の修復に不可欠なマクロファージという存在ですが、微生物の摂取のために過酸化水素などの生成物を放出します。

 

多すぎる過酸化水素は他の細胞を傷つける可能性があります。

多すぎるマクロファージは逆効果になるのかもしれませんね。

 

 

マクロファージからの生成物の増加は、マクロファージの増加にもつながり、結果的に炎症反応の増大や、炎症の長期化につながると考えることもできます。

 

やはり、炎症反応は、的確に進行させている方が良さそうです。

 

  • 無理をする(炎症の原因を続ける)
  • 誤った服薬方法

 

などは、結果的に慢性炎症を導くかもしれません。

 

 

◇炎症期(炎症反応の初期)まとめ

血管の拡張、血管透過性亢進は、損傷組織の修復のために避けられない反応です。

 

それによって、免疫反応が促進されます。

そして、マクロファージを中心とした白血球の活動は、修復の次のステップになくてはならない存在です。

腫れる、熱を持つ、痛い、動かせない、といった炎症初期の反応は、本人にとっては苦痛であります。

 

 

しかし、その一つ一つは回復にとって意味のある反応なわけなので、安易に消し去っていいものではないかもしれません。

目の前におきている「症状」「訴え」にだけフォーカスせずに、その背景まで知ることが、対象となる人をしかるべきゴールに導くヒントになると思います。

 

 

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