前回から「統合」と「解釈」がはじまりました。
そもそも「統合と解釈」とは、二つ以上の物をまとめ、それを受け手側が噛み砕いて理解すること、定義しましたね。(*一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 会長 森本 義朗「統合と解釈の捉え方」より)
ですが、事実を統合したものの、解釈が難航中でしょう。
今回は、前回から引き続き解釈を進めていきます!
解釈は二つの視点から始める
前回、SMS(齋藤式マネジメントシート)で情報を書き出しましたね。ポイントは以下の3つ。
- 事実から、客観的視点でどんな解釈をしたか?
- 事実から、感覚的、感情的視点でどんな解釈をしたか?
- 解釈1、2を踏まえて、その方の真の課題は何か?
一つの事実を、客観的視点と感覚的・感情的視点の2つの側面から解釈を進めました。
実際に書いてみた方はお気づきかと思いますが……
解釈をしている時点で仮説や考察が始まっています。
一つのBoxでは足りなくなっているのではありませんか?
そんな時は、SMSを広く使いましょう。
ちょっと待て!そもそも何のために?
いけないいけない。前回も冒頭で確認したのに、今回は忘れてました。
統合と解釈を進める理由は「その方の真の課題を発見するため」です。
これを忘れないでください。
と、それだと上記の図はごちゃごちゃし過ぎだし、それって何なの?と目的に立ち戻れてませんね。
そこで新たに書き起こしてまいました。
事実から解釈を可視化する!
毎回SMSを使っていますが、使う目的は「可視化」にあります。
学生さんと行う初めての統合と解釈、と銘打ったからには、学生さんや新人さんが最初に躓く「思考整理」に焦点を当てています。もともとマインドマップから派生して作られたSMSの役割は「思考整理」と「情報の可視化」にあります。
なので、今回この図にあわせて書いていくことで……
- 一つの事実から8つの解釈情報が見える。
- 8つの解釈情報を客観的視点と感覚的・感情的視点で各4つずつに分けて見える。
- 2つの視点の解釈を統合し、8つの情報から共通するもの、共通しないものに分けたものが見える。
- それぞれの解釈から、問題点となるものが見える。
各Boxに記入していくと、ここまで可視化されます。
学生さんや新人さんに指導する際は「つながりがあるか?」、「不足はないか?」のチェックを一緒にしましょうね。
再び、そして考察へ……
改めて、考察とは何でしょう?
こうさつ【考察】
( 名 ) スル
物事を明らかにするために、十分に考えること。 「経済情勢について-する」
三省堂の大辞林ではこう言ってますね。
先ほどは、情報を可視化し、あなたが客観的視点で見ているのか、感覚的・感情的視点で見ているのかを整理しました。
そして「問題点はコレだ!」と主張をしたわけですが……
- 「本当にそうなの?」
- 「本当にそれだけなの?」
と意地悪な僕は質問しちゃうわけです。
そう、それを説明できるかどうかの鍵が考察であり考察過程ですね。
考察は深さと幅で決まる!
考察をする際のポイント……ご存知ですか?
- 深さ
- 幅
この二つです。
先に、「本当にそうなの?」、「本当にそれだけなの?」と言ったように、それぞれが深さと幅に対して質問をしています。
これを「縦の論理」と「横の論理」と言います。
バイザーがする質問は2つでいい!
考察内容を確認するにあたって、学生さんや新人さん……あるいは自分自身にする質問はたったの2つで十分です。
- 「本当にそうなの?」:主張と理由と根拠を「なぜ?」という質問でつなぐこと。縦の繋がりをみる。
- 「本当にそれだけなの?」:理由または理由を補足する根拠の数は足りているのかを「それだけ?」という質問で幅を確認する。横の広がり。
それ以上ごちゃごちゃ質問すると、学生さんと新人さんは確実にパンクします。
フリーズさせて泣かせたいなら止めませんが、療法士を辞めた方がいいですね。
文章化してみる!
考察は、「その方の真の課題を発見する」ため、物事を証明する思考過程を文章化したものです。
SMSを見せて、はい、コレです! ではわかりません!
図やSMSを見せつつ、あなたの声で説明するには、文章化させておくことも大事ですね。
もちろん、それがそのまま報告書にもなりますから、文字に起こしてみることはオススメです!
さて、では先にSMS「Box25」に書いたものを見てください。
これを文章化すると……
「テーマ」について、私は「結論・主張」と考えます。
なぜなら理由は3つあります。
「理由1」、「理由2」、「理由3」です。
まず「理由1」についてですが、「根拠1-A」、「根拠1-B」、「根拠1-C」なので「理由1」と考えました。
(「理由2」、「理由3」も同様)
これら「理由1、2、3」をまとめると「123まとめ」と考えました。
「テーマ」が解決することで「未来」となることが予想されますので、「結論・主張」であると結論に至りました。
その為の手段として「具体的には:まとめ」を行なっていく計画をしています。
それぞれ具体的には「具体的には?1」、「具体的には?2」、「具体的には?3」と準備しております。
これらを実施することで「テーマ」が解決し、「得られる未来」となります。
と、こんな感じでしょうか。
おっと!いかんいかん!
- 4、問題点の抽出
- 5、目標設定・治療計画
にまで触れてしまいました。
まずはここまで。
もっと詳しくは次回としましょう!
SMSなどを利用して、チャレンジしてみてくださいね!
IAIR 副会長 齋藤 信
追伸:SMSはこちらからダウンロードできます!
この齋藤式マネジメントシート(SMS)「Box16」をダウンロードして使ってみたいと言う方はコチラのフォームからダウンロードリンクを手に入れてください。
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学生さんと行う初めての統合と解釈シリーズ
- リハビリにPDCAは使えるのか?【臨床共育】(37)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(1)【臨床共育】(38)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(2)【臨床共育】(39)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(3)【臨床共育】(40)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(4)【臨床共育】(41)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(5)【臨床共育】(42)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(6)【臨床共育】(43)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(7)【臨床共育】(44)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(8)【臨床共育】(45)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(9)【臨床共育】(46)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(10)【臨床共育】(47)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(11)【臨床共育】(48)
- 学生さんと行う初めての統合と解釈(12)【臨床共育】(49)
次回からも、色々と使い方を紹介します。お楽しみに!
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