評価から考察・介入につなげられてますか?【国際事業部 Step.41】

IAIR(国際統合リハビリテーション協会)
国際事業部より

 

ハロー!
IAIR国際事業部 所属の
吉田頌平です。

私のコラムでは、
「海外のリハビリ事情」をテーマに
海外でも療法士として
活躍したいと思っている方、

海外から来られた患者さんとの対応に
困っている方へ
お届けして参ります。

 

【自己紹介】

初めてお会いする方も
いらっしゃると思いますので
簡単に自己紹介をさせていただきます。

私は2012年に
作業療法士免許を取得し、
同年6月にカナダへ留学いたしました。

2012年11月より、
カナダのクリニックへ
1年間勤務したのちに帰国、

その後は急性期〜生活期の方々を対象に
整形外科の病院・クリニックで
働いております。

現在は、
IAIR関東支部で
インストラクターを務める傍で

国際事業部を担当しており、
IAIRの国際化を推進しています。

 

【本日のテーマは?】

本日のテーマは、「評価」です。

新人の頃、私はこんな体験をしたことがあります。

『人工股関節置換術を受けられた方にスクワットをやってもらったら、
次の日にとても痛がられた…』

『円背の方に、座位で棒体操をしてもらったら腰が痛いと言われた…』

『腰椎後方固定術を受けられた方にSLRを行なってもらったら、
腰が痛いと言われた…』

事前にストレッチやマッサージなどをして
身体の調子を整えていたはずなのに、
教科書通りの内容で行なってもらったのに、
どうしてこのようなことを言われるのか戸惑いました。

もし、あなたが私の立場だったら
痛みが出て、患者さんが不快な思いをされた事実を
どのように評価し、解釈しますか?

 

【事実を分析する】

まず事実を分析するにあたり、
重要な点を押さえておきましょう。

『療法士自身の感情的な判断がないかを意識する』

嫌な結果だった時には、それを避けようとするのは
自然なことです。

分析するときは
あくまで第3者目線で、冷静に分析してみましょう。

《 Case 1 》
人工股関節置換術を受けられた方にスクワットをやってもらったら、
次の日にとても痛がられた…

なぜ、スクワットを行ってもらったのでしょうか?
なぜ、痛みが出たのでしょうか?

《 Case 2 》
円背の方に、座位で棒体操をしてもらったら
腰が痛いと言われた…

なぜ、棒体操を行なってもらったのか?
なぜ、腰が痛くなったのでしょうか?

《 Case 3 》
腰椎後方固定術を受けられた方にSLRを行なってもらったら、
腰が痛いと言われた…

なぜ、SLRを行なってもらったのか?
なぜ、腰が痛くなったのか?

考えてみると、教科書やプロトコールなどに
よく載っている内容ですが、
なぜその運動を行なってもらったのかが
はっきりしない…と思いませんか?

 

【客観的に、多角的に分析する

当時の私は、こんな風に考察しました。


《 Case 1 》

人工股関節置換術を受けられた方に
スクワットをやってもらったら、
次の日にとても痛がられた…

→スクワットの目的:大臀筋など臀筋群の強化
→梨状筋は、人工大腿骨頭を後方で支持する機能を持つ。
→荷重下での股関節屈曲位では、
収縮した梨状筋に人工大腿骨頭が押し当てられる状態になる。
→短縮した梨状筋がダイレクトストレッチされる形となり、
スパズムが発生した?

《 Case 2 》
円背の方に、座位で棒体操をしてもらったら腰が痛いと言われた…
→肩運動の目的:肩甲骨の可動域改善、姿勢支持の改善。
→円背の方の胸椎は、腰椎を代償して変形した椎体より
上位の胸椎が伸展位となっている場合がある。
→上肢挙上に伴って、胸椎伸展が発生する。
→胸椎伸展を、腰椎伸展で代償していたのかも?

《 Case 3 》
腰椎後方固定術を受けられた方にSLRを行なってもらったら、腰が痛いと言われた…
→SLRの目的:腰椎を安定させる作用のある大腰筋の活性化、
神経根を滑走させ軟部組織との癒着を予防するため
→SLRの主動作筋:大腰筋(T12-L4~小転子)
→術後、独力で腰椎が安定させられていないと、
筋長を短くして筋出力を容易に得られるように、腰椎を伸展させる場合がある
→腰椎を安定させられる状況になかったのかも?

身体機能面からの分析が多いですね。
皆さんは、どう思いますか?

もしかしたら、
時間に追われて、療法士自身に
余裕がない状況だったため

患者さんに運動をしてもらう理由を
理解してもらえるように説明できていなかったことが
背景にあったかもしれません。

振り返ってみると、もっと別の部分から
改善ポイントを考えられそうですね。

さてここで、事実を分析する上で
大切なポイントを整理します。

P-mSHELL分析(1 という
医療事故の分析ツールでは

P:患者さん
m:マネジメント
S:ソフトウェア
H:ハードウェア
E:環境
L:当事者
L:当事者以外の人
の7側面から分析します。

これを応用して分析してみると、例えば

P:患者さんが運動を行う目的を理解できていなかった
m:患者さんの主訴を把握できていなかった
S:行う運動が適切ではなかった
H:患者さんの心身状況が、運動についていけない状況だった
E:運動を補助できるものがなかった
L:療法士自身に心理的余裕が十分になかった
L:他の療法士からアドバイスをもらえなかった

このように、自分自身と患者さんの状況を
客観的に分析できます。

大切なのは、
・自分が何かを行うことで、どんな変化が出たのかを確認する
・良くない方向へ変化したこと、変化しなかったことも大切な情報
・なぜ変化したかを考えられればok
・どんな目的で何かを行なったのか?
・どんな状況で、何かを行なったのか?
(患者さんの身体的・心理的状態、自分自身の状態、周辺環境)
・相談できる人はいたのか?

もっともマズイのは、
何かを行なった状況・判断・目的、
行なったことによる影響を検証できないことです。

何かが起こるときには、
その結果に続く過程があるはずですから
勇気を出して、結果と向き合ってみましょう。

もし、不安な場合は
先輩などにリハビリに入ってもらい、
どんな評価をしたのか、どんな変化があったのか
聞いてみましょう。

もちろん、患者さん自身の主訴を
改めて伺うことも大切です。

結果を振り返る時には、
いろんな角度から分析できるように
しておきたいですね。

 

【患者さんの主訴を把握してますか?

リハビリを続けていると、
いつの間にか、患者さんのHopeではなく
セラピストの「アライメントを整えること」
に目標がすり替わっていること、
ありませんか?

目標を忘れると、行動の目的がずれていきますから
常に患者さんの主訴を把握することは大切です。

なので、まずは相手の話を「傾聴」することが
重要になります。

評価は、患者さんの主訴をベースに
行なっていきます。

そして評価したポイントを抽出し、
相手に伝わるように即座に変換できることが
次に重要になってきます。

そのため、自分の話したいことを
瞬時に短くまとめる力が必要になってきます。

 

 

もし、臨床現場で
『目的の振り返り方がわからない…』
『いつの間にか、脱線しちゃう…』
『自分がどんな考えをしているのかが、わからない…』
『患者さんに、肝心なことをいつも聞きそびれてしまう…』
と、思われることがありましたら

相手の話を傾聴すること」と
自分の意見をまとめること
の2つをまず意識してみてはいかがでしょうか?

 

 

もし、それでも難しい…と感じられたときは
英会話のエッセンスを取り入れて、
話す練習をしてみませんか?

実は、英語は
「要点をまとめて、簡潔に話すこと」
に特化した言語なので、

自分が何を考えているのかを意識でき、
話の要点をシンプルにまとめながら話したり、
相手の話を聴くことができます。

私自身、カナダで英語で患者さんと話しているときは、
自分自身の態度や考え方を
冷静に観察できていたことを覚えています。

そのエッセンスを
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*参照資料

( 1 ) 河野龍太郎.ImSAFER によるヒューマンエラー事例分析.2010.http://www.jichi.ac.jp/msc/wordpress/wp-content/uploads/2010/08/ImSAFER-PPT5.pdf

 

今後、IAIR国際事業部が発信するコラムでは
海外の療法士や患者さんと
交流できるようになるために

「海外のリハビリ事情」をテーマに
皆様にお届けできればと思います。

リハビリ分野に関わりながら海外へ出てみたい!
と思われている方は、
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。

IAIR国際事業部

吉田頌平

 

【P.S.】

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