評価結果から適切なリハビリ計画を立案するために必要なこと

リハビリテーションを行う際に「実施計画書」を作成します。

筋力などの身体機能評価やADLを評価し、リハビリの方針を立てます。

計画書は、医療者だけでなく患者本人や家族にも提示するものですので、専門的な細かい情報は省略されます。

そういう作成作業にだけ慣れていくと、深く考察する能力が開発されて生きません。

この記事は、評価結果から治療方針の立案に向かうための考え方についてまとめました。

 

 

評価から問題点抽出という作業

  • カルテの情報
  • 他部門からの情報蒐集
  • 本人、家族からの情報蒐集

に加えて、PT、OT、STが行う評価、検査の結果を統合して問題を抽出する作業は、リハビリテーションを行うに当たって避けることができません。

(統合と解釈の参考記事: 【学生・新人セラピスト向け】統合と解釈の具体的方法

 

目標を設定したのち、その目標を阻むもの(こと)は何か、それが「問題点」です。

問題点を設定して、その解決を導かない限り、目標達成はあり得ません。

 

問題点を無視した目標達成は「運」ですね、きっと(ちなみに達成には「運」も必要です)。

 

 

よく問題点にあがる項目

臨床実習の学生や、新人セラピストのケースレポートを見ると

  • 〇〇筋筋力低下
  • 〇〇関節可動域制限
  • 〇〇感覚鈍磨

などが並びます。

 

評価結果を統合解釈したというよりは「検査結果で正常値じゃない」ものを並べた、という印象をぬぐいきれません。

 

そして、往往にしてゴール(目標)に対して的を得ない問題点になってしまいます。

 

 

なぜ、このようなことが起こるのか。

 

それは「評価の意味を知らない」からに尽きます。

 

「MMT、ROM検査、感覚検査」の評価は学校で学んできています。

 

 

筋力と関節可動域と感覚検査の結果だけでも、相当なことがわかります。

それぞれ起きている事象をつないでいくことで、対象者の置かれている状況を表現し、目標達成に導くこともできます。

 

 

しかし、学校で教わるのはあくまで国家試験に合格するための「表面的な」知識。

 

それぞれの評価の意味を理解していくには学校で習ったことでは不十分です。

 

問題の解決方法を知っているのか?

評価の臨床的な意味だけでなく、「解決の手段」を知らないと、「問題点」にあげることはできません。

 

自分が解決法を知らない問題を、セラピストは「問題である」と認識できるのでしょうか?

 

「問題である」と認識できるというのは「解決できる」と思っているからですよね?

 

 

人の死は問題ですか?

人の死は避けられない、解決できない(死なないということはない)。

だから、死ぬこと自体を問題としません。

(死との関連記事:【体験談】問診の結果、HOPEが「早く死にたい」だったケース

 

 

解決の手段を知らなすぎると、それが問題であるとの認識ができません。

「仕方ないよね」で終わってしまいます。

 

だから、問題点を認識するには「解決する手段」を増やさないといけません。

 

自分にできることは何?

自分ができること(自分が解決できること)は何か?

これがわかれば、問題点を整理することに役立ちます。

 

関節を動かして、角度を測ることしかできない人

関節の動く仕組み、関節が止まる仕組み、関節が動かなくなる仕組みを知っていて、手で感じ取れる人

では、関節を動かした時に得られる情報が全く違います。

 

 

前者は「角度」しか得られません。

後者は「関節周辺組織で起きていること」が得られます。

 

「自分が何を知らないのかを知る」

それが、対象者の問題点を知ることのスタートになります。

 

問題点が挙がらない理由

問題点が挙がらないのは、

  • 評価の意味を知らない
  • 解決方法を知らない
  • 自分が何がわかっていないかを知らない

が理由として考えられます。

 

 

学習と経験の積み重ねで、セラピストとしての能力が高まってくると、「問題」として気づく部分が増えてきます。

その時こそ、「統合と解釈」になるのです。

 

評価によって、情報を引き出せない段階で、「統合」も「解釈」もないですよ。

 

 

ケースレポートを通じて、学生や新人に「そんなこともわからないのか!」という態度をとるのではなく「MMTなどの基本的な評価の臨床的な意味」と、「症状に対しての解決法」を伝えるのが先輩の仕事です。

 

先輩、お願いします。

 

 

最近の臨床実習はそういうところに気づいたのか、ケースレポートを書かないパターンもあるようです。

それはそれで、実習生も指導者も負担は軽減されるでしょう。

 

ただし、「実習生や新人の理解度」を測り、「臨床での理解度を高める」タイミングを逃すことにもつながるでしょうから、なかなかの機会損失だとは思いますけど。

 

そして、就職してから苦しむことに・・・

 

 

終わりに

評価の意味、評価結果の考え方、それに対しての治療手段(徒手介入)がわかれば、治療方針に結び得つけることが可能です。。

それがわかっているでしょうけど、学校でも、臨床現場でも、多忙すぎて、指導できてないという話を耳にします。。

 

逆説的に考えれば、それらが手の内にあれば治療方針を組み立てるの困らなくなります。

科学的なデータの活用や、患者の本音を引き出すコミュニケーションなども、もちろん重要です。

学校や臨床現場で学べなかったけど、評価の意味、徒手技術、考え方を身に付けたい人にはこちらがおすすめです。

 

 

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