From.IAIR 福留良尚

 

 

腰痛の患者さんの多くは「痛いところが悪い」と考えている人が多いです。

 

  • 腰が張る
  • お尻が痛い
  • 足がつる

 

 

こんなふうに症状がある部分が悪いと考えているので、リハビリでも「ここが痛いから押してください」とか、「先生そこじゃなくて、こっちが痛いんです」など。

 

ご自身で診断されたかのように、アプローチの箇所を指示されることがあります。

 

 

ありませんか?

 

私は若手の頃されました…(笑)

 

 

ですが、このコラムでも何度かお伝えしてきている通り、「痛いところに原因はない」ことが良くあります。

 

慢性的な腰痛を抱えている患者さんは、ほとんどといってもいいかもしれません。

 

 

もちろん痛いところが原因の場合もありますが、その対処法はセラピストではなく医師の範疇であることが多いです。

 

つまり、骨や靭帯の変形(肥厚)による狭窄や、炎症、その他にも癌性疼痛など、我々セラピストが対処できる痛みではないこともあります。

 

 

 

リハビリテーションに来られている患者さんは、医師の指示の下に来られるわけですので、基本的には我々が対処可能なはずです。

 

それなのに、素人である患者さんが「痛いところを押してくれ」と言ったからそうしたでは、改善するはずはありません。

 

 

だって、痛いところに原因はないんですから。

 

 

本日は、腰痛の患者さんで見落としがちな、ある筋の硬直とその対処法について。

 

 

 

腰痛の病態

 

腰痛の8割は、非特異的腰痛と言われ、検査機器では原因が定められない病態を取っています。

 

この症状として私が見てきた代表的なものが以下。

 

  • 筋緊張亢進による循環不全
  • 筋膜の滑走不全
  • 坐骨神経など軟部組織系による絞扼

 

筋筋膜の問題である場合が多いという印象を受けます。

 

 

この硬直している筋筋膜に対し、例えば筋緊張を緩めるアプローチをしたとしましょう。

 

次の日、もしくは次回の来院日、どのようになっているでしょうか?

 

 

十中八九、戻っていますよね。

 

 

「前回あんなに丁寧に緩めたのに何で?」

 

そんなふうに感じたことは多々あります。

 

その時は知りませんでしたが、痛いところが原因ではなかったからなんです。

 

 

 

この時身体で起こっていることは?

 

筋肉が硬直するのは痛いからだけではなく、他にも要因があります。

 

それが可動性の問題です。

 

 

私が良く患者さんに説明する方法をお伝えします。

 

 

私「〇〇さん、実はあなたの腰痛は、腰が悪いから痛いのではありません」

 

患「えっ?どういうことですか?」

 

私「実は、痛みのある部分は、他の動かなくなっている硬いところをカバーしているだけなんです」

 

患「というと?」

 

私「人は本来、腰と(例えば)股関節が5:5の割合で動かなければならないのですが、〇〇さんの股関節は7割くらいしか機能していません。その残り3割を腰が請け負っているんです。だから柔らかくしないといけないのは、7割の股関節なんです」

 

 

あくまでも例えですので、いろんなパターンがあります。

 

しかし、多くの腰痛患者さんを見てきて感じるのは、痛みは代償している部分であって、根本的な原因は他にあります。

 

その一つが先ほど例に挙げた股関節であったり、今回のタイトルにもある「見逃している筋肉」なんです。

 

 

 

見逃している筋肉

 

これは痛みを発している後面の筋肉ではありません。

 

脊柱起立筋であるとか、広背筋、腰方形筋、大殿筋といった後面の筋肉ではない場合です。

 

これらが原因のこともありますが、今日着目したいのは「前面の腸腰筋」です。

 

 

腸腰筋は、大腰筋と腸骨筋に分かれ、特に大腰筋は大腿骨から骨盤をまたいで、腰椎に付着している深層の筋肉です。

 

 

この筋肉が硬直したり、筋膜の滑走不全が起こると、腰椎は引っ張られて動きを制限されてしまう可能性があります。

 

 

大切なのでもう一度。

 

 

「大腰筋に機能不全が生じると、腰椎の動きは制限される」

 

 

そして、この時動かない腰椎を周りの浅層の筋肉(脊柱起立筋、腰方形筋、広背筋等)が代償して動かそうとする結果、筋緊張は亢進し、循環不全となり、疼痛を誘発する物質(ヒスタミン、ブラジキニン等)によって痛みを感じてしまうわけです。

 

どうでしょう?大腰筋の機能性を改善させずに、腰痛が変わるでしょうか?

 

このようなパターン、つまり根本原因は自覚症状が出ていない部分にあるパターンが、かなり多くの患者さんで起こっています。

 

 

それでも、痛みのある部分を押しますか?

治らないと分かっている部分にアプローチを続けますか?

その場限りの対症療法を続けますか?

 

 

 

大腰筋へのアプローチ

 

実際に大腰筋を触診しようと思っても、深層に位置するためダイレクトには触れません。

 

そこで触診してもらいたいのが、小転子です。

 

ここは、大腰筋(腸腰筋)の起始部でもあり、圧を加えると痛みを伴うことがあります。

 

 

治療肢位:仰向けで膝を立てる

コンタクトポイント:小転子を指腹か指先(痛みを伺いながら)

方法:圧を加えたまま、患者の股関節を内外旋させる。そのまま下肢が軽くなったら終了。

 

 

このアプローチは、筋膜セミナーの中でお伝えしています。

 

 

 

今日のまとめ

 

いつもお伝えしていますが、「痛いところに原因はない」という視点を持ちましょう。

 

そこが原因である場合もありますが、それを見分けられるリーズニングの能力を育てましょう。

 

そして、実はまだその先がありますが、コラムでは控えておきます。

 

 

小難しくなるので(笑)

 

 

ただ、全身を見れる視点はB-classを受講されると習得することが出来ます。

 

 

 

 

それでは最後まで読んでいただけて感謝です。

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

常任理事 九州地区責任者 理学療法士

福留 良尚

E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください)

HP:https://iairjapan.jp/

Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/

個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome

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